Brexitの背景とその本質について

英国において、2016年6月にEU残留是非を問う国民投票が実施された背景やその本質・影響について4つの視点で考察しています。

英国において、2016年6月にEU残留是非を問う国民投票が実施された背景やその本質・影響について4つの視点で考察しています。

Brexitの背景

2016年6月の英国国民投票前後は、1990年代以降進んできたグローバリゼーションの限界と、欧州統合が進む中での英国の主権喪失に対する危機感に関して、英国内外で議論が高まっていた時期でした。

英国を取り巻く状況

英国を含む28ヵ国が現在加盟しているEUの仕組みと関連する規制・規則は非常に複雑で、また時に官僚主義的な運営と写ることから不満の声が高まっていました。

EUの基本理念「4つの移動の自由」

EUは基本理念として4つの「移動の自由」を掲げています。
この4つの移動の自由の中でも、「ヒト(労働者)の移動の自由」が国民投票前後の国民感情に大きなインパクトを与えたとされています。

英国は2000年代、東欧の新規EU加盟国から労働力を積極的に受け入れ、近年の移民の純増数は毎年30万人に上っています(2016年6月までの1年間で33.5万人純増※1)。しかし、金融危機にともなう雇用情勢の悪化を受けて、労働者層を中心に「移民に職を奪われている」という不満が鬱積していました。
このような背景のもと、2016年6月、主に移民問題、多額の拠出額に対してのEUへの影響力の低さ、EU規制の柔軟性の低さなどを論点として、EU残留是非を問う国民投票が実施されました。

※1 Source:アジア経済ニュース

EU基本理念 - 4つの移動の自由

EU基本理念 - 4つの移動の自由

国民投票の論点

このような背景のもと、2016年6月、主に移民問題、多額の拠出額に対してのEUへの影響力の低さ、EU規制の柔軟性の低さなどを論点として、EU残留是非を問う国民投票が実施されました。

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