国際公会計基準(IPSAS)について

国際公会計基準(IPSAS)について

近年急速に適用国が増えている国際公会計基準(IPSAS)について、その概要、わが国に導入した場合に想定されるメリット、課題等を簡単に解説します。

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IPSASとは何か?

IPSASとは、国際会計士連盟(IFAC)の国際公会計基準審議会(IPSASB)が開発・公表している国際公会計基準で、国家政府、地方自治体及び政府機関等の公的部門の主体のために作られています。民間企業用の国際財務報告基準(IFRS)と多くの共通点を持ちますが、公的部門の主体特有の基準も充実しつつあります。
2010年のギリシャ危機発生以来、政府の債務危機が大きく注目を集めるようになり、債務危機の防止及び早期発見のために、政府の財務報告及び財政管理をどう改善すべきかが世界中で課題になっています。IPSASは、高品質で一貫性と透明性を備えた会計基準であり、各国政府はIPSASを採用することによって上記課題に対応することが可能になります。IPSASBによる各国政府への普及促進活動に加えて世界銀行、国際通貨基金等の国際機関の支援もあり、ここ数年、世界各国でIPSAS採用国が急増しています。

発生主義IPSASを使用することのメリット

説明責任と意思決定の双方の点でメリットが挙げられます

  • 国際的に承認され普及している政府会計基準です
  • 外部監査人による財務諸表監査を受けることも可能です
  • IFRSと似た構成なので民間企業出身者も容易に理解可能です
  • 財務諸表の透明性を改善することで債務危機の防止に役立ちます
  • 予算編成、中長期計画策定に役立つ情報を提供します
  • 完全発生主義の会計基準なので収益・費用を正確にとらえられます
  • 公的部門特有の資産・負債に関する基準を備え、公共財務管理に役立ちます

わが国の現状

国、地方自治体の双方で発生主義に基づく財務諸表が作成されており、その品質は継続的に改善されています。
ただし期末時の債権債務及び現金預金の残高が、日本特有の出納整理期間の制度が存在するために実際残高とは大きく異なっています(修正発生主義会計)。
IPSASは部分的に会計基準策定時の参考とされていますが、IPSAS準拠の財務諸表はまだ作成されていません。

わが国に導入する場合に想定される課題

わが国ではIPSASはまだ採用されていませんが、仮にIPSASを導入した場合に想定される主な課題を考えてみます。

  • 意思決定目的にIPSASを活用するためには、IPSASに基づく会計情報と、予算編成及び中長期財政計画の策定を結びつけることが必要です。
  • IPSASでは期末日から6か月以内に財務諸表を公表することを定めています。
  • IPSASは完全発生主義の会計基準ですので、出納整理期間の廃止が必要です。
  • IPSASは原則主義の会計基準なので、細かい数値基準はあまり定めていません。基準に沿った判断が可能な人材の育成に、時間とコストが必要です。
  • 会計システムの変更を行う場合には、その時間とコストが必要です。
  • 勘定科目によっては現状の会計方針から大幅な変更となり、新方針に沿ったデータの収集を行う必要が生じます。

KPMGジャパンができること

KPMGはIPSASBの活動に積極的に協力しています。IPSASB会議にはテクニカル・アドバイザーとしてKPMGから2名(2016年12月実績。うち1名はKPMGジャパンの蕗谷竹生)が出席し、最新情報を常に入手しています。
IPSASの最新動向を参考にしたい、IPSASを導入した場合の影響を知りたい、等の各種ニーズにすぐにお応えすることが可能です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

執筆者

あずさ監査法人
会計プラクティス部
アソシエイト・パートナー 蕗谷 竹生

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