IASB、公開草案「IFRS第8号事業セグメントの改善(IFRS第8号及びIAS第34号の修正案)」を公表 | KPMG | JP

IASB、公開草案「IFRS第8号事業セグメントの改善(IFRS第8号及びIAS第34号の修正案)」を公表

IASB、公開草案「IFRS第8号事業セグメントの改善(IFRS第8号及びIAS第34号の修正案)」を公表

IFRSニュースフラッシュ - 国際会計基準審議会(IASB)は、2017年3月29日、公開草案「IFRS第8号事業セグメントの改善(IFRS第8号及びIAS第34号の修正案)」を公表しました。

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本公開草案では、IFRS第8号に係る適用後レビューの結果を踏まえ、最高経営意思決定者の識別や事業セグメントの集約、報告セグメントの開示などに関して、概念の明確化や新たな開示事項を提案しています。
なお、コメント期限は、2017年7月31日です。

要約

本公開草案では、IFRS第8号に関して、主に以下の事項を提案している。

  • 最高経営意思決定者の概念を明確化した上で、その機能を担っている個人またはグループの肩書き及び役割の開示を新たに求める。
  • 複数の事業セグメントを集約する場合の要件を明確化する。
  • 財務諸表における報告セグメントが、財務諸表以外における報告セグメントと異なる場合に、財務諸表上での追加的な説明を求める。

また、IFRS第34号「期中財務報告」を修正し、報告セグメントの区分を期中に変更した場合には、当年度及び前年度のすべての期中報告期間について、セグメント情報の修正再表示を求めることを提案している。

修正の経緯

IFRS第8号は、IASBによる適用後レビューが実施された最初の基準である。適用後レビューの結果は2013年に公表されている。同レビューを通じ、基準は期待どおりに機能しているものの、改善や修正を要する点も存在することが認識された。IFRS第8号が米国基準と実質的にコンバージェンスされている点を踏まえ、IASBは、IFRS第8号と米国基準との共通原則であるマネジメント・アプローチを順守しつつ、追加的な開示要求事項を設けることに伴う便益とコストを勘案して、本公開草案を提案している。

修正提案の内容

1. IFRS第8号の修正提案の内容

IFRS第8号に関しては、以下の修正が提案されている。

 

1)最高経営意思決定者(7、7A、7B、22(c))
本公開草案では、最高経営意思決定者とは、「事業運営上の意思決定、及び、事業セグメントに対する資源配分や業績評価の意思決定」を行う機能であることが強調されている。また、最高経営意思決定者が個人またはグループのどちらになるかは企業経営の態様によるとされ、コーポレートガバナンス上の要請に影響されうること、最高経営意思決定者がグループの場合にはその構成員に非業務執行メンバーが含まれうることが明確化されている。さらに、最高経営意思決定者として識別した個人またはグループの肩書き及び役割の開示を新たに求めることを提案している。

 

2)事業セグメントの集約及び報告セグメントの識別(12、12A、19A、19B、22(d))
事業セグメントを集約する際の要件の1つにセグメント間の経済的特徴の類似がある。従来は長期的な平均総利益率の類似性のみが例示されていたが、今回の公開草案では複数の長期的指標が例示されており、こうした一連の長期的指標において財務業績が類似している場合に「経済的特徴の類似」の要件は通常満たされることが明確化された。また、報告セグメントの識別に関して、財務諸表上の開示に用いられる報告セグメントは、ほぼ同時期に公表される財務諸表以外の書類における報告セグメントと同一であると想定されることを明確化した上で、それらが異なる場合には、差異の説明と理由の開示を求める修正を提案している。

 

3)その他の修正(20A、28、28A)
本公開草案は、「企業が従事する事業活動、及び企業が事業を行う経済環境の性質や財務的な影響を、財務諸表利用者が評価できるようにする」とのセグメント情報開示の基本原則に資する限り、基準上の開示要求事項に加えて追加的な情報を開示することができることを明らかにしている。当該追加的な情報は最高経営意思決定者にレビューまたは定期的に提供されるものに限定されない。また、セグメント情報における測定値と財務諸表上の金額との調整項目について、財務諸表利用者の理解に資するように十分詳細に記載する必要がある点を明確化するとともに、調整項目の例示を追加することを提案している。

 

4)移行措置及び適用日(36D)
本公開草案では、修正提案された事項を、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に基づき、遡及的に適用することを提案している。早期適用は認められるが、その場合には、その旨を開示し、かつ後述するIAS第34号に係る修正と同時適用とすることを提案している。

2. IAS第34号の修正提案の内容(45A、58)

本公開草案は、企業がIFRS第8号に基づいて報告セグメントの区分を期中に変更した場合、その後のはじめての期中財務報告において、当年度及び前年度のすべての期中報告期間に係る変更後の区分に基づくセグメント情報の修正再表示を求めることを提案している。ただし、変更後の区分によるセグメント情報が入手できず、修正再表示するためのコストが過大となる場合はその限りではない。この判断は個々の開示項目単位で実施し、過去の期間におけるセグメント情報を修正再表示したかどうかの開示を求めることを提案している。

本公開草案は、IAS第34号に係る修正についても、早期適用を認めている。早期適用した場合には、その旨を開示すること、かつIFRS第8号に係る修正と同時適用とすることを提案している。

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