平成29年3月期決算の留意事項

平成29年3月期決算の留意事項

本稿では、本3月決算における留意事項を取りまとめています。

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平成29年3月期決算においては、平成27年に公表された「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」が適用されます。また、執筆時時点(平成29年2月23日)で公開草案が公表されている会計基準等のいくつかは平成29年3月期末決算からの適用が予定されています。
本稿では、これらを中心に本3月決算における留意事項を取りまとめています。なお、本文中の意見に関する部分については、筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りしておきます。
また、執筆時時点で最終化されていない基準等については、公開草案の概要を紹介していますが、最終基準等では変更される可能性がある旨留意する必要があります。

ポイント

  • 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針は、前期に早期適用した会社を除いて、本3月期決算期が適用初年度となる。
  • 平成28年度税制改正に対応して、建物附属設備、構築物又はその両方に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更するときは、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。
  • 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)は、3月末までに最終基準が公表されることが予定されている。本会計基準案は、従来の税金の会計処理及び開示等の内容を基本的に踏襲したうえで、表現の見直しや考え方の整理等を行ったものである。
  • 退職給付債務等の算定に当たり、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限としてゼロを利用する方法、マイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれかの方法による。

I. 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の概要

平成27年12月28日、企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という)は、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(以下「回収可能性適用指針」という)を公表しました。本適用指針は、平成28年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からの適用とされており、前期(平成28年3月期)に早期適用した会社を除いて、本3月期決算期が適用初年度となります。

1. 改正の概要

従来、繰延税金資産の回収可能性の判断については、日本公認会計士協会から公表されていた監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」※1(以下「監査委員会報告第66号」という)に基づき、財務諸表の作成実務が行われてきました。
監査委員会報告第66号では、企業を5つに分類し、それぞれの分類に応じた繰延税金資産の回収可能性の考え方を示していました。回収可能性適用指針においても、監査委員会報告第66号における企業の分類に応じて繰延税金資産の計上額を見積る枠組みを基本的に踏襲した上で、当該取扱いの一部について見直しが行われています。

※1 監査委員会報告第66号は、平成28年1月19日付で廃止されています。

2. 主な改正事項

監査委員会報告第66号からの主な改正事項は下記のとおりとなります。

(1)(分類2)及び(分類3)に係る分類の要件
監査委員会報告第66号では、(分類2)及び(分類3)について、「経常的な利益(損益)」という会計上の利益に基づく要件とされていましたが、回収可能性適用指針では、「臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得」という課税所得に基づく要件に変更されています(回収可能性適用指針第19項及び第22項)。


(2)(分類2)に該当する企業におけるスケジューリング不能な将来減算一時差異に関する取扱い
監査委員会報告第66号では、(分類2)に該当する企業においては、スケジューリング不能な将来減算一時差異について、一律に繰延税金資産を計上することができないとされていました。回収可能性適用指針では、(分類2)に該当する企業においては、原則として、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産について、原則としては回収可能性がないものとしつつ、税務上の損金算入時期が個別に特定できないが将来のいずれかの時点で損金に算入される可能性が高いと見込まれるものについて、当該将来いずれかの時点で回収できることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、当該スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産は回収可能性があるものとされました(回収可能性適用指針第21項ただし書)。


(3)(分類3)に該当する企業における将来の一時差異等加減算前課税所得の合理的な見積可能期間に関する取扱い
監査委員会報告第66号では、(分類3)に該当する企業においては、一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上している場合には、「将来の合理的な見積可能期間(おおむね5年)内の課税所得の見積額を限度」として、当該繰延税金資産は回収可能性があるものとされていました。回収可能性適用指針では、5年を超える見積可能期間においても、スケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、当該繰延税金資産は回収可能性があるものとされました(回収可能性適用指針第24項)。


(4)(分類4)に係る分類の要件を満たす企業が(分類2)又は(分類3)に該当する場合の取扱い
回収可能性適用指針では、過去(3年)又は当期において、重要な税務上の欠損金が生じている等の要件に該当する企業は(分類4)に該当するとされています。そのような要件に該当する企業であっても、重要な税務上の欠損金が生じた原因、中長期計画、過去における中長期計画の達成状況等の要因を勘案して、将来において5年超にわたって一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることを企業が合理的な根拠をもって説明するときは(分類2)に該当するものとして取扱い、将来においておおむね3年から5年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを企業が合理的な根拠をもって説明するときは(分類3)に該当するものとして取り扱うものとしています(回収可能性適用指針第28項及び第29項)。
なお、(分類4)に該当する企業が、将来においておおむね3年から5年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを企業が合理的な根拠をもって説明することにより(分類3)に該当するものとして取り扱われる場合には、回収可能性適用指針第24項の「5年を超える見積可能期間においても、スケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、当該繰延税金資産は回収可能性があるものとする取扱い」(上記I2.(3)参照)は適用されないことに留意が必要です(回収可能性適用指針第89項)。

3. 適用時期等

回収可能性適用指針は、平成28年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。また、平成28年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することができるとされています(回収可能性適用指針第49項(1))。
なお、適用初年度の期首においては、上記I 2.(2)(3)(4)のうち回収可能性適用指針第28項に関する部分((分類4)に係る要件を満たす企業が(分類2)に該当するものとする取扱い)を適用することによりこれまでの会計処理と異なることとなる場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱うこととされています(回収可能性適用指針第49項 (3))。
また、適用初年度においては、当該年度の期首時点で新たな会計方針を適用した場合の繰延税金資産及び繰延税金負債の額と、前年度末の繰延税金資産及び繰延税金負債との差額を、適用初年度の期首の利益剰余金に加減することとされています(回収可能性適用指針第49項(4))。
適用初年度の会計基準等の改正に伴う会計方針の変更による影響額の注記においては、適用初年度の期首の繰延税金資産に対する影響額、利益剰余金に対する影響額、及びその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等に対する影響額を注記することとされています。

II. 平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱いの概要

平成28年6月17日、ASBJは、実務対応報告第32号「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第32号」という)を公表しました。本実務対応報告は、公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用するとされており、本3月期決算においてのみ適用されます。

1. 実務上の取扱い

平成28年度税制改正において、平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物の法人税法上の減価償却方法について、定率法が廃止されて定額法のみとなりました。当該税制改正に対応して、従来、法人税法に規定する普通償却限度相当額を減価償却費として処理している企業で、建物附属設備、構築物又はその両方に係る減価償却方法について定率法を採用している場合、平成28年4月1日以後に取得する当該すべての資産に係る減価償却方法を定額法に変更するときは、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱うものとするとされています(実務対応報告第32号第2項)。
なお、上記以外の減価償却方法の変更については、正当な理由に基づき自発的に行う会計方針の変更として取り扱うものとされています(実務対応報告第32号第3項)。

2. 注記事項

実務対応報告第32号第2項(平成28年4月1日以後に取得する当該すべての資産に係る減価償却方法を定額法に変更するとき)に従って会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う場合は、以下の事項を注記するとされています。

(1)会計方針の変更の内容として、法人税法の改正に伴い、本実務対応報告を適用し、平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備、構築物又はその両方に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更している旨
(2)会計方針の変更による当期への影響額

III. 【公開草案】法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)の概要

平成28年11月9日に、ASBJは、企業会計基準公開草案第59号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」(以下「会計基準案」という)を公表しました。本会計基準は、公表日以後適用するとされていますので、最終の会計基準が平成29年3月31日までに公表された場合には、本3月期決算から適用されることとなります※2
なお、最終化された会計基準は、本会計基準案と内容が相違する可能性がありますのでご留意ください。

※2 平成29年1月27日現在、ASBJが公表している「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」では、平成29年3月末までに最終化することを目標とするとされています。

1. 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」の概要

本会計基準案は、日本公認会計士協会より公表されている監査・保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」(以下「監査保証実務指針第63号」という)及び日本公認会計士協会会計制度委員会「税効果会計に関するQ&A」(以下「税効果Q&A」という)における税金の会計処理及び税金に関する部分、実務対応報告第12号「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算上の表示についての実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第12号」という)に定められていた事業税(付加価値割や資本割)の開示について、基本的にその内容を踏襲したうえで、表現の見直しや考え方の整理等を行ったものです。

2. 範囲

本会計基準案は、連結財務諸表及び個別財務諸表における以下の事項に適用するとされています(本会計基準案第2項)。

(1)我が国の法令に従い納付する税金のうち法人税、地方法人税、住民税及び事業税(以下「法人税、住民税及び事業税等」という)に関する会計処理及び開示

(2)我が国の法令に従い納付する税金のうち受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税に関する開示

(3)外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税に関する開示

なお、以下の税金については会計上の取扱いを明らかにする必要性が高くはない等の理由から本会計基準案の範囲に含めないこととされています(本会計基準案第24項及び第25項)。

  • 事業所税
  • 特別土地保有税
  • 消費税
  • 固定資産税
  • 在外子会社や在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金

3. 会計処理

(1)当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等(本会計基準案第4項)
当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等(住民税(均等割)及び事業税(付加価値割及び資本割)を含む)については、法令に従い算定した額を損益に計上するとされています。税務上の欠損金の繰戻しにより還付を請求する法人税額及び地方法人税額も同様です。

(2)更正等による追徴及び還付(本会計基準案第5項から第7項)
過年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等について、更正等により追加で徴収される可能性が高く、当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合、誤謬※3に該当するときを除き、原則として、当該追徴税額を損益に計上するとされています。
また、過年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等について、更正等により還付されることが確実に見込まれ、当該還付税額を合理的に見積もることができる場合、誤謬に該当するときを除き、当該還付税額を損益に計上するとされています。
さらに、過年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等について、更正等により追徴税額を納付したが、当該追徴の内容を不服として法的手段をとる場合においては、還付されることが確実に見込まれ、当該還付税額を合理的に見積ることができる場合、誤謬に該当するときを除き、当該還付税額を損益に計上するとされています。

※3 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第4項(8)

4. 開示

本会計基準案では、監査保証実務指針第63号、税効果Q&A及び実務対応報告第12号に記載されている表示に関する取扱いのうち、本会計基準案の対象範囲とした税金の表示に関する取扱いの内容を踏襲しています。

(1)損益計算書における表示の取扱い
損益計算書における表示の取扱いについては、図表1のように表示することとされています。

 

図表1 会計基準案における開示の規定

税金 表示の取扱い
法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割) 税引前当期純利益(又は損失)の次にその内容を示す科目をもって表示
事業税(付加価値割及び資本割) 原則として販売費及び一般管理費
ただし、合理的な配分方法に基づき一部を売上原価として表示することができる。
受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税のうち税額控除の適用を受けない税額 営業外費用
ただし、重要性が乏しい場合は法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)に含めることができる。
外国法人税のうち税額控除の適用を受けない税額 利益に関する金額を課税標準とする税額は法人税、地方法人税、住民税及び事業税( 所得割)に含める。
上記以外の税額は、その内容に応じて、売上原価、販売費及び一般管理費又は営業外費用
法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)の更正等による追徴税額及び還付税額 法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)を表示した科目の次にその内容を示す科目をもって表示
ただし、重要性が乏しい場合は法人税、地方法人税、住民税及び事業税( 所得割)に含めることができる。
事業税( 付加価値割及び資本割)の更正等による追徴税額及び還付税額 原則として販売費及び一般管理費
ただし、合理的な配分方法に基づき一部を売上原価として表示することができる。

 

(2)貸借対照表における表示の取扱い
法人税、住民税及び事業税等のうち納付されていない税額は、貸借対照表の流動負債の区分に未払法人税等などその内容を示す科目をもって表示するとされています(本会計基準案第10項)。法人税、住民税及び事業税等の更正等による追徴税額のうち納付されていない税額も当該税額に含めて表示するとされています(本会計基準案第16項)。

法人税、住民税及び事業税等の税額が、中間申告により納付された税額を下回る場合等により還付されるときは、当該還付税額のうち受領されていない税額は、貸借対照表の流動資産の区分に、未収還付法人税等などその内容を示す科目をもって表示するとされています(本会計基準案第11項)。法人税、住民税及び事業税等の更正等による還付税額のうち受領されていない税額も、当該税額に含めて表示するとされています(本会計基準案第17項)。

5. 適用時期等

本会計基準は、公表日以後適用することとされています。なお、本会計基準の適用については、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取り扱うとされています。

 

また、本会計基準案についての詳細は、KPMG Insight Vol.22(2017年1月号)会計2もご参照ください。

IV. 【公開草案】債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)の概要

平成29年1月27日に、ASBJは、実務対応報告公開草案第51号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)」(以下「本実務対応報告案」という)を公表しました。本実務対応報告案は平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度まで適用するとされていますので、平成29年3月31日までに公表された場合には、本3月期決算に限って適用されることとなります※4

※4 平成29年1月27日現在、ASBJが公表している「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」では、平成29年3月末までに最終化することを目標とするとしています。

1. 提案されている処理

企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」では、退職給付債務等の計算における割引率は安全性の高い債券の利回りを基礎として決定するとされています。退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、本実務対応報告案では、以下のいずれかの方法によって割引率の基礎とする利回りを利用することとされています。

  • 利回りの下限としてゼロを利用する方法
  • マイナスの利回りをそのまま利用する方法

2. 適用時期等

本実務対応報告は、平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度まで適用することとされています。
なお、本実務対応報告は、本3月期決算に限って適用されることとなりますが、ASBJでは、平成30年3月31日以後に終了する事業年度について、上記のいずれかの方法(本実務対応報告案ではいずれの方法も認められています。)によることを定めたガイダンスの公表に向けて、引き続き検討と行うこととしています。また、当該検討の進捗状況によっては、本実務対応報告案における取扱いを平成30年3月31日以後に終了する事業年度も継続することを検討することとされています。


また、本実務対応報告案についての詳細は、本誌会計3.もご参照ください。

V. その他本3月期決算において適用されることとなる会計基準等

上記の会計基準等の他、影響を受ける会社は少ないと考えられますが、以下の会計基準等が本3月期決算から適用あるいは適用される見込みとなっています。

1. 実務対応報告第33号「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い」

平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」に基づき実施する施策として、新たな確定給付企業年金の仕組みが平成28年度に導入されています。この新たな確定給付企業年金の仕組みは、リスク分担型企業年金と呼ばれ、企業単位で資産を運用する確定給付企業年金の形態ですが、将来発生し得るリスクを労使間でどのように分担するかをあらかじめ定める制度となっており、確定給付企業年金法の下、確定給付企業年金法施行規則において定められています。実務対応報告第33号「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い」は、平成29年1月1日以後適用され、リスク分担型企業年金に関して、以下の取扱いを示しています。

(1)リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出義務が、規約に定められた標準掛金相当額、特別掛金相当額及びリスク対応掛金相当額の拠出に限定され、企業が他に拠出義務を実質的に負っていないものは、会計上、確定拠出制度に分類する。それ以外のリスク分担型企業年金は確定給付制度に分類する。
(2)確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金については、各期の掛金の金額を、各期において費用として処理する。

(3)確定給付制度に分類される退職給付制度から、確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金に移行する場合は、退職給付制度の終了に該当する。

(4)確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金については、その概要、退職給付費用の額、翌期以降に拠出が要求されるリスク対応掛金相当額及びその拠出に関する残存年数を注記する。

 

なお、本実務対応報告についての詳細は、KPMG Insight Vol.22(2017年1月号)会計3もご参照ください。

2. 【公開草案】実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」

平成28年12月22日に、ASBJは、実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」を公表しました。公共施設等運営権制度は、平成23年の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)が改正され、新たに導入された制度です。本実務対応報告公開草案では、公共施設等運営事業において、運営権者が公共施設等運営権を取得する取引に関する会計処理及び開示、並びに運営権者が公共施設等に係る更新投資を実施する取引に関する会計処理及び開示を取り扱っています。
本実務対応報告は、公表日以後適用することとされています。したがって、本実務対応報告が平成29年3月31日までに公表された場合には、本3月期決算においても適用が可能となります。

 

なお、本実務対応報告案についての詳細は、KPMG Insight Vol.22(2017年1月号)会計5もご参照ください。

3. 【公開草案】実務対応報告公開草案第49号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い(案)」及び実務対応報告公開草案第50号(実務対応報告第24号の改正案)「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」

平成28年12月22日に、ASBJは、実務対応報告第18号の改正案「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第18号改正案」という)及び実務対応報告第24号の改正案「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」(以下「実務対応報告第24号改正案」という)を公表しています。実務対応報告第18号は、在外子会社の財務諸表が国際財務報告基準(IFRS)又は米国会計基準に準拠して作成されている場合の、連結財務諸表作成における取扱いを示したものですが、本実務対応報告第18号改正案では、国内子会社が指定国際会計基準又は修正国際基準を適用している場合についても同様に本実務対応報告の対象範囲に含めることとしています。
また、実務対応報告第24号改正案においては、国内関連会社が指定国際会計基準に準拠した連結財務諸表を作成して金融商品取引法に基づく有価証券報告書により開示している場合、当面の間、実務対応報告第18号に準じることができることとされています。
実務対応報告第18号及び実務対応報告24号の改正は、平成29年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用することとされていますが、公表日以後適用することができるとされています。したがって、両実務対応報告が平成29年3月31日までに公表された場合には、本3月期決算においても早期適用が可能となります。


また、本実務対応報告第18号改正案についての詳細は、KPMG Insight Vol.22(2017年1月号)会計6もご参照ください。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
パートナー 田中 弘隆
シニアマネジャー 北村 幸子

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