2017年2月に開催された保険契約に関するIASB会議の概要 | KPMG | JP

2017年2月に開催された保険契約に関するIASB会議の概要

2017年2月に開催された保険契約に関するIASB会議の概要

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2017年2月、IASBは以下の論点について審議を行いました。これらは、新しい保険契約に関する基準書(IFRS第17号)の草案に対し実施された外部テストの指摘等に対応するものです。

  • 集約のレベルに対する例外
  • 見積りの修正の認識
  • 契約上のサービス・マージンの解放
  • その他の論点

1. 集約のレベルに対する例外

測定目的で、企業は保険契約ポートフォリオを以下のグループに区分することになります。なお、1年超離れて発行される契約は同一グループには含まれません。

  • 当初認識時において不利な契約
  • 当初認識時において不利な契約になり得る重要なリスクがない契約
  • 上記のいずれにも該当しない契約

法律または規制によって、企業が個々の契約者の異なる特徴を反映する方法で保険契約の価格または給付を決定することができない国・地域があり、こうした制約は集約のレベルに影響を与える可能性があります。2016年1月にIASBは、集約のレベルに対する例外措置を設けないことを決定しましたが、その後の再審議において集約のレベルについて重要な変更が行われています。そのため、例外措置なしでは、法律または規制が価格や給付水準に与える影響を、企業業績に有用な形で反映していないという懸念が寄せられました。
そこでIASBは集約のレベルに対する例外措置について検討し、以下を決定しました。

  • 企業は保険契約ポートフォリオをグループ(当初認識時において不利な契約グループ、不利な契約になり得る重要なリスクがない契約グループ、その他の契約グループ)に区分する規定を適用することで、法律または規制上の特定の制約により保険契約者の特徴に応じた価格や給付水準の設定が実務上できない契約ポートフォリオを区分することになる場合には(かつその場合にのみ)、それらの契約を同一のグループに含めることができる。なお、その場合には当該事実を開示する
  • この例外措置は、その他の規制により影響を受ける取引に対して類推適用することはできない

2. 見積りの修正の認識

実績調整とは、当期におけるキャッシュ・フロー、既発生保険金及び費用の直近の見積りと実績との差額です。実績調整は現在または過去のサービスに関連して純損益に認識されるものとして、また、将来キャッシュ・フローの見積りの変更は将来のサービスに関連して(CSMが負にならない限りにおいて)CSMを調整するものとされていました。2016年11月にIASBは以下の決定をしました。

  • 実績調整が、将来キャッシュ・フローの現在価値の見積り修正の直接の原因である場合、実績調整と将来キャッシュ・フローの現在価値の見積り修正の影響額合計についてCSMを調整せずに、純損益で認識する
  • 変動手数料アプローチ(VFA)を適用する契約について、基礎となる項目に影響を与えない非金融リスクから生じる実績調整及び将来キャッシュ・フローの現在価値の見積り修正の直接の原因である実績調整について、CSMを調整せずに、純損益で認識する

当該決定について、純損益で認識またはCSMで調整される将来キャッシュ・フローの見積り修正の区別が明確ではなく、また、実績調整の影響額合計を純損益に認識することは実務上複雑になるとの指摘が寄せられたため、IASBは実務上の複雑さを排除するために、2016年11月の暫定決定を見直しました。

  • 非金融リスクから生じる将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの修正についてCSMを調整する
  • VFAを適用する契約について、基礎となる項目に関連がなく、かつ非金融リスクから生じる将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの修正についてCSMを調整する
  • CSMを調整する将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの修正には、実績調整が直接の原因となる見積りの修正が含まれる。ただし、以下を除く
    • 既発生保険金に関連する修正
    • CSMの帳簿価額を上回る見積りの増加、または損失計上される見積りの減少

3. CSMの解放

各期の純損益に認識される保険契約グループのCSMの金額は以下のように決定されます。

  • 保険契約グループの期待デュレーション及び数量を反映した保険契約グループのカバー単位(coverage units)を特定する
  • 報告日において、当期に提供されるカバー単位と、将来に提供されるであろうカバー単位にCSMを配分する
  • 当期に提供するカバー単位に配分された金額を純損益に認識する

当期または将来の期間への保険契約グループのCSMの配分は、当期の実績及び将来の仮定の変更を反映するために、カバー単位の数に対する修正後に決定されます。この点について、将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの修正の前に当期の純損益に認識されるCSMの金額を決定すべきであるという指摘が寄せられました。

IASBは、当該指摘について検討しましたが、過去の暫定合意を変更しませんでした。

  • 各期の純損益に認識される保険契約グループのCSMの金額は、期首時点のCSMの帳簿価額に対してすべての調整を加えた後のCSMの帳簿価額を配分することにより決定される

4. その他の論点

IASBは、前述の論点のほか、過去の暫定決定からの変更または明確化のための決定も行っています。詳細については、February 2017 IASB staff paper 2C、IFRS Newsletter: Insurance, Issue 57を参照してください。

5. 今後のスケジュール

IASBスタッフはIFRS第17号の草案作成を継続し、2017年5月に最終基準を公表する予定です。

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