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ASBJ、実務対応報告公開草案第51号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)」を公表

ASBJ、実務対応報告公開草案第51号を公表

会計・監査ニュースフラッシュ - 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2017年3月29日に実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い」を公表しました。

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2017年3月29日に実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い」が公表された。

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2017年1月27日に、実務対応報告公開草案第51号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(案)」を公表した。

本公開草案は、退職給付債務、勤務費用及び利息費用(以下合わせて「退職給付債務等」という)の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りがマイナスとなる場合の割引率に関する当面の取扱いを示すことを目的としている。

なお、本公開草案に対するコメント期限は、平成29年3月3日までである。

ポイント

  • 退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限としてゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれも認めることを、当面の取扱いとして提案している。
  • 上記の取扱いは、当面、平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度に限って適用することが提案されている。

I.本公開草案の概要

経緯

日本銀行が平成28年1月29日に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定したことを受けて、同年2月16日から、金融機関が保有する日本銀行当座預金のうち一定の部分に0.1%のマイナス金利が適用されており、残存期間が短期の国公債(以下「国債等」という)のみならず、長期の国債等についてもマイナスの利回りが見受けられる。

これに関連してASBJは、退職給付債務の計算における割引率に関する議論を行い、当該議論の内容を周知徹底するため、平成28年3月に議事概要を公表した。また、ASBJは、平成28年7月に基準諮問会議よりマイナス金利に係る種々の会計上の論点への対応について、必要に応じて適時に対応を図ることの依頼を受けた。

ASBJは、退職給付債務等の計算は一般的に財務諸表に与える影響が大きく、早急に取扱いを示すべきでという実務上の要請と、現時点での国債等の各残存期間におけるマイナスの利回りの幅が大きくないことを踏まえ、公開草案の中で当面の取扱いを提案している。

本公開草案で提案されている処理

退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、1.利回りの下限としてゼロを利用する方法と2.マイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれも認める。

提案の背景

退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、1.利回りの下限としてゼロを利用するか、2.マイナスの利回りをそのまま利用するかの、いずれが適切か論点となる。これは、マイナス金利の経済的な性質が必ずしも明確でない中、下記に記載されているマイナス金利の状況下におけるさまざまな論点をどのように考えるかにより、結論が変わり得るためである。

なお、これらの論点の解決を図るには、国際的な動向も踏まえる必要があると考えられるものの、欧州での議論でも、現時点では統一的な見解は定まっていない。

マイナスの利回りをそのまま利用する方法を支持する主な考え方 利回りの下限としてゼロを利用する方法を支持する主な考え方
金銭的時間価値は時の経過に応じて減少し、将来価値が現在価値よりも低くなると市場は評価していることを踏まえると、信用リスクフリーレートはマイナスとなり得る 現金の保有で現在の価値を維持できることから、金銭的時間価値は時の経過に応じて減少することはない(信用リスクフリーレートの下限はゼロ)
マイナス金利の影響が年金資産の評価に反映されるときには、退職給付債務の評価にも反映させて、両者の評価を整合させるべき 退職給付会計基準上で、年金資産の評価と退職給付債務の評価を整合させることは求められていない

II.適用時期

本公開草案で示された当面の取扱いは、平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度に限って適用することが提案されている。

なお、平成30年3月31日以後に終了する事業年度の取扱いについては、1.利回りの下限としてゼロを利用する方法と、2.マイナスの利回りをそのまま利用する方法の、いずれかの方法によることとするガイダンスの公表に向けて、引き続き検討を行う方針とされている。ただし、進捗状況次第では、今回提案された当面の取扱いを継続する可能性もあるとされている。

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