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ASBJ、実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」の公表

ASBJ、実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に ...

会計・監査ニュースフラッシュ - 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2016年12月22日に、実務対応報告公開草案第48号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」を公表しました。本公開草案のコメント期限は、平成29年2月22日までとされています。

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本公開草案は、平成23年6月1日に民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号)(以下「PFI法」という)が改正され、公共施設等運営権制度が新たに導入されたことを受けて、公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等について実務上の取扱いを明らかにすることを目的としている。

ポイント

  • 公共施設等運営事業における運営権者は、公共施設等運営権を取得した時に、公共施設等運営権実施契約において定められた公共施設等運営権の対価について、対価の支出時期や対価を定める方法(固定額、将来の指標に連動等)に関わらず、合理的に見積られた支出額の総額に基づいて無形固定資産として計上する。計上した公共施設等運営権は、原則として、運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分する。
  • 公共施設等運営権は「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となり、その適用に際して、減損損失の認識の判定及び測定において行われる資産のグルーピングは、原則として、実施契約に定められた公共施設等運営権の単位で行う。
  • 実施契約において、運営権対価とは別に、プロフィットシェアリング条項が設けられる場合、当該条項に基づき各期に算定された支出額を、当該期に費用として処理する。
  • 更新投資に係る資産及び負債を以下のとおり計上する。

1. 更新投資の実施内容の大半が、管理者等が運営権者に課す義務に基づいており、かつ、運営権者が公共施設等運営権を取得した時に、更新投資に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる金額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該取得時に更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上する。計上した資産は、公共施設等運営権の運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。

2. 上記以外の場合、更新投資を実施した時に、当該更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関する支出額を資産として計上する。計上した資産は、当該更新投資を実施した時より、当該更新投資の経済的耐用年数にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。

  • 運営権者に対して、以下の注記を求めている。

1. 運営権者が実施する公共施設等運営事業の概要

2. 公共施設等運営権の減価償却の方法

3. 更新投資に係る事項

  • 本実務対応報告の公表日以後適用する。また、特定の経過的な取扱いの定めはなく、過去の期間のすべてに遡及適用する。

I.本公開草案の概要

適用範囲

本公開草案は、公共施設等運営事業において、運営権者が公共施設等運営権を取得する取引に関する会計処理及び開示、並びに運営権者が公共施設等に係る更新投資(PFI法第2条第6項に基づき、運営権者が行う公共施設等の維持管理をいう。以下「更新投資」という)を実施する取引に関する会計処理及び開示を適用範囲としている。

会計処理

1. 公共施設等運営権に関する会計処理
(1)公共施設等運営権の取得時の会計処理

本公開草案では、運営権者は、公共施設等運営権を取得した時に、管理者等と運営権者との間で締結された実施契約において定められた公共施設等運営権の対価(以下「運営権対価」という)について、対価の支出時期や対価を定める方法(固定額、将来の指標に連動等)に関わらず、合理的に見積られた支出額の総額に基づいて無形固定資産として計上することを提案している。

運営権対価を分割で支払う場合には、資産及び負債の計上額は、運営権対価の支出額の総額の現在価値によることを提案している。

運営権対価の支出額の総額の現在価値の算定にあたっては、運営権者の契約不履行に係るリスクを割引率に反映させ、運営権対価の支出額の総額とその現在価値との差額については、運営権設定期間にわたり利息法により配分することを提案している。割引率に用いる利率には、例えば、実施契約において明示される利率や、運営権設定期間における運営権者の追加借入に適用されると合理的に見積られる利率が考えられるとしている。

合理的に見積られた運営権対価の支出額に重要な見積りの変更が生じた場合、当該見積りの変更による差額は、計上した資産及び負債の額に加減することを提案している。

また、公共施設等運営権の取得は、リース会計基準に定めるリース取引に該当しないとしている。


(2)公共施設等運営権の減価償却の方法及び耐用年数
無形固定資産に計上した公共施設等運営権は、原則として、運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分することを提案している。

実施契約において、一定の条件の下で運営権設定期間を延長することができる条項(以下「延長オプション」という)が定められる場合、運営権者が当該延長オプションを行使する意思が明らかな場合を除き、延長可能な期間は公共施設等運営権の耐用年数に含めないことを提案している。


(3)公共施設等運営権の減損損失の認識の判定及び測定における資産のグルーピング

公共施設等運営権は「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となり、その適用に際して、減損損失の認識の判定及び測定において行われる資産のグルーピングは、原則として、実施契約に定められた公共施設等運営権の単位で行うことを提案している。

ただし、管理会計上の区分、投資の意思決定(資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を含む)を行う際の単位、継続的な収支の把握がなされている単位及び他の単位から生じるキャッシュ・イン・フローとの相互補完性を考慮し、公共施設等運営事業の対象とする公共施設等ごとに合理的な基準に基づき分割した公共施設等運営権の単位でグルーピングを行うことを容認することも提案している。


(4)プロフィットシェアリング条項
管理者等と運営権者との間で締結された実施契約において、運営権対価とは別に、各事業年度の収益があらかじめ定められた基準を上回ったときに運営権者から管理者等に一定の金銭を支払う条項(以下「プロフィットシェアリング条項」という)が設けられる場合、当該プロフィットシェアリング条項に基づき各期に算定された支出額を、当該期に費用として処理することを提案している。


2. 更新投資に関する会計処理
(1)更新投資に係る資産及び負債の計上

更新投資に係る資産及び負債の計上に関する取扱いは、次のとおりとすることを提案している。

1)更新投資の実施内容の大半が、管理者等が運営権者に課す義務に基づいており、かつ、運営権者が公共施設等運営権を取得した時に、更新投資に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる金額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該取得時に、更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として計上し、同額を資産として計上する。

現在価値の算定に用いる割引率は、運営権対価の支出額の総額の現在価値の算定に用いたものと同じ利率とし、更新投資の支出額の総額とその現在価値との差額については、運営権設定期間にわたり利息法により配分する。

運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる金額に重要な見積りの変更が生じたときは、当該見積りの変更による差額を資産及び負債の額に加減する。

2)上記1)以外の場合、更新投資を実施した時に、当該更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関する支出額を資産として計上する。

なお、更新投資の実施内容の大半が、管理者等が運営権者に課す義務に基づく場合の一例としては、実施契約や要求水準書等において、更新投資の実施時期及び実施内容があらかじめ具体的かつ定量的な数値によって示されている場合が考えられるとしている。

 

(2)更新投資に係る資産の減価償却の方法及び耐用年数
更新投資に係る資産の減価償却の方法及び耐用年数は以下のとおりとすることを提案している。

1)(1)1)に基づき資産を計上する場合、公共施設等運営権の運営権設定期間を耐用年数として、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。

2)(1)2)に基づき資産を計上する場合、当該更新投資を実施した時より、当該更新投資の経済的耐用年数(当該更新投資の物理的耐用年数が公共施設等運営権の残存する運営権設定期間を上回る場合は、当該残存する運営権設定期間)にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価から残存価額を控除した額を各事業年度に配分する。

開示

1.表示

計上した資産及び負債については、以下のとおり表示することを提案している。

項目 表示区分 科目名
公共施設等運営権 無形固定資産 公共施設等運営権などその内容を示す科目
更新投資に係る資産 無形固定資産 その内容を示す科目
運営権対価を分割で支払う場合に計上する負債 流動負債(貸借対照表日後1年以内に支払の期限が到来するもの)
または
固定負債(貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するもの)
公共施設等運営権に係る負債などその内容を示す科目
更新投資に係る負債 流動負債(貸借対照表日後1年以内に支払の期限が到来するもの)
または
固定負債(貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するもの)
その内容を示す科目

 

2.注記

運営権者に対して、公共施設等運営事業ごとに次の事項の注記を求めることを提案している。

(1)運営権者が実施する公共施設等運営事業の概要(公共施設等運営事業の対象となる公共施設等の内容、実施契約に定められた運営権対価の支出方法、運営権設定期間、残存する運営権設定期間、プロフィットシェアリング条項の概要等)

(2)公共施設等運営権の減価償却の方法

(3)更新投資に係る事項

1)主な更新投資の内容及び投資を予定している時期
2)運営権者が採用した更新投資に係る資産及び負債の会計処理の方法
3)更新投資に係る資産の減価償却の方法
4)本公開草案第12項(2)に基づき更新投資に係る資産を計上する場合、翌期以降に支出すると見込まれる更新投資のうち、合理的に見積ることが可能なキャッシュ・フローの金額及び内容

II.適用時期

本公開草案は、実務対応報告の公表日以後適用することを提案している。また、実際の運用の開始から間もないことを踏まえ、特定の経過的な取扱いを定めずに、本公開草案を過去の期間のすべてに遡及適用することを提案している。

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