IASB、「投資不動産の振替」(IAS第40号の改訂)を公表 | KPMG | JP

IASB、「投資不動産の振替」(IAS第40号の改訂)を公表

IASB、「投資不動産の振替」(IAS第40号の改訂)を公表

IFRSニュースフラッシュ - IASBは2016年12月8日に、「投資不動産の振替」(IAS第40号の改訂)を公表しました。

関連するコンテンツ

要約

本改訂は、投資不動産への振替または投資不動産からの振替に関する規定について、以下のとおり明確化している。

  • 不動産の用途変更があり、その明白な証拠がある場合に限って、投資不動産への振替または投資不動産からの振替を行う。
  • 用途変更は、不動産が投資不動産の定義を満たすようになった時点、または満たさなくになった時点で発生する。経営者の意図の変更のみでは、不動産の用途変更の証拠とはならない。
  • IAS第40号第57項に示されている状況は、用途変更の証拠の例示にすぎない。
  • 投資不動産への振替または投資不動産からの振替は、完成した不動産に限定されない。

本改訂は、経過措置として、次のいずれかの移行アプローチを適用することを認めている。

  • IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従った完全遡及アプローチ
  • 本改訂の適用開始日現在の用途を反映するため不動産の分類を再検討し、本改訂の適用開始日以降に生じる用途変更に本改訂を適用するアプローチ

本改訂は、2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用される。早期適用は認められる。
 

改訂の背景

IAS第40号は、不動産の用途が一定の要件を満たすものについて、投資不動産に分類することとしている。その用途に変更があり、その要件を満たすようになった場合や要件を満たさなくなった場合に、IAS第40号第57項に基づいて投資不動産への振替または投資不動産からの振替を行うこととされている。

棚卸資産として分類されていた建設中または開発中の不動産の用途変更があった場合に、棚卸資産から投資不動産への振替が認められるか否かについてIASBに質問が寄せられた。これは、実務上、投資不動産への振替または投資不動産からの振替が、IAS第40号第57項(a)-(d)に挙げられている状況に限定されるという解釈が存在するなか、建設中または開発中の投資不動産をIAS第16号「有形固定資産」の範囲からIAS第40号の範囲に含める改訂が2008年に行われた際に、IAS第40号第57項における振替の規定に関する改訂が合わせて行われなかったことに関連している。そこでIASBは、IAS第40号第57項の規定を改定することにより、本論点についての明確化を図ることを決定し、今回の限定的な改訂に至った。
 

改訂の内容

本改訂は、IAS第40号第57項を改訂し、投資不動産の定義を満たすようになる、またはその定義を満たさなくなる不動産の用途変更があり、経営者の意図の変更のみならずその明白な証拠がある場合に限って投資不動産への振替または投資不動産からの振替を行うことを明確化している。また、これと整合させるために、IAS第40号第57項に示されている以下の用途変更に関する状況は、例示列挙であることを明確化している。

(a)自己使用の開始、または自己使用を目的とした開発の開始(投資不動産から自己使用不動産(有形固定資産)への振替)

(b)販売を目的とした開発の開始(投資不動産から棚卸資産への振替)

(c)自己使用の終了(自己使用不動産(有形固定資産)から投資不動産への振替)

(d)他者へのオペレーティング・リースの契約(棚卸資産から投資不動産への振替)

さらに、(a)の例示に「自己使用を目的とした開発の開始」を追加し、(d)の例示を「オペレーティング・リースの開始」から「オペレーティング・リースの契約」に変更することによって、投資不動産への振替または投資不動産からの振替は、用途変更の証拠がある限り、完成した不動産に限定されないことを示している。

なお、結論の背景において、不動産が投資不動産の定義を満たすようになる、または満たさなくなるかの決定には、具体的な事実と状況を評価し、判断することが求められることを強調している(IAS第40号BC28項)。
 

経過措置

本改訂は、企業が次のいずれかの移行アプローチを適用することを認めている。

  • 遡及適用に必要な情報が後知恵(hindsight)なしに入手できる場合、IAS第8号に従い、本改訂を完全に遡及適用するアプローチ
  • 本改訂の適用開始日現在の用途を反映するため不動産の分類を再検討し、該当ある場合には、本改訂の適用開始日現在の状況を反映するように不動産の分類を変更し、本改訂の適用開始日以降に生じる用途変更に本改訂を適用するアプローチ

後者のアプローチを適用した場合、企業は本改訂の適用開始日において不動産の分類の変更を行い、純損益に認識されたであろう金額を本改訂の適用開始日の期首利益剰余金の調整として認識する。また、このアプローチの適用によって投資不動産への振替または投資不動産からの振替を行った金額を、期首と期末の投資不動産の帳簿価額の調整表の一部として開示する。
 

適用日

本改訂は、2018年1月1日以降に開始する会計年度より適用される。早期適用は認められる。早期適用をした場合にはその旨を開示する。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

IFRSニュースフラッシュ

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信