IFRICニュース November 2016 - IFRS解釈指針委員会ニュース | KPMG | JP

IFRICニュース November 2016 - IFRS解釈指針委員会ニュース

IFRICニュース November 2016 - IFRS解釈指針委員会ニュース

IFRS解釈指針委員会(IFRS-IC)での主要な審議事項を紹介し、また、IFRS-ICで取扱われているすべての論点のステータスを「論点サマリー」にまとめています。

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青いフロアの会議室

2016年11月8日にIFRS解釈指針委員会(以下「IFRS-IC」)の会議が開催されました。
また、2016年9月、10月及び11月に開催された国際会計基準審議会(以下「IASB」)の会議において、IFRS-ICの提案等に基づいて審議が行われました。本稿では、主要な審議事項を紹介し、また、IFRS-ICで取り扱われているすべての論点の状況を「論点サマリー」にまとめています。なお、一部の論点は、今後のIFRS-IC会議等において、引き続き議論される予定です。

要約

11月のIFRS-IC会議において、次の事項が決定された。

  • アジェンダ却下通知の確定
     繰延税金の測定にあたり耐用年数を確定できない無形資産について見込まれる回収方法
  • アジェンダ却下通知案の公表
     投資企業及びその子会社
     コモディティ・ローン
     ファンドに対するファンドマネジャーの重要な影響力

その他、11月のIFRS-IC会議において議論された事項は以下のとおりである。

  • IFRIC解釈指針案「法人所得税の処理における不確実性」(デュー・プロセスの確認)
  • 認識の中止が生じない金融負債の条件変更/交換(デュー・プロセスの確認)
  • 金融負債の認識の中止に関する10%テストに含めるべき手数料及びコスト
  • 子会社が売却目的保有に分類される場合の、子会社での取引に対するIFRS第9号の適用
  • 「全額償還」オプション及び公正価値償還オプションが「元本及び元本残高に対する利息の支払のみ」という要件(SPPI要件)に与える影響
  • IFRS第13号の適用後レビュー

また、9月、10月及び11月のIASB会議では、以下の IFRS-IC関連事項が取り上げられた。

  • IFRIC解釈指針案「外貨建取引及び事前対価」
  • 会計方針の変更と会計上の見積りの変更
  • 有形固定資産の試運転から得られる正味の収入及び試運転コストの会計処理
  • 関連会社または共同支配企業に対する純投資の一部を実質的に構成する長期持分の測定

IFRIC解釈指針

IFRIC解釈指針は、特定の基準書の適用上の論点に関する解釈である。現在、IAS第12号「法人所得税」及びIAS第21号「外国為替レート変動の影響」に関する2つのIFRIC解釈指針案が公表済である。また、IFRS第9号「金融商品」に関するIFRIC解釈指針案の公表に向けて審議が行われている。

IFRIC解釈指針案 - 公表済

IFRS-IC会議において、IAS第12号「法人所得税」に関する次のIFRIC解釈指針案が取り上げられた。

  • IFRIC解釈指針案「法人所得税の処理における不確実性」
    IFRS-ICは、2016年11月のIFRS-IC会議において、解釈指針の公表に向けた必要なデュー・プロセスを経たことの最終確認を行い、当該解釈指針の適用日を2019年1月1日としたうえで早期適用を認めることを暫定的に決定した。
    2016年11月18日時点のワークプランによれば2017年3月~5月にIFRIC解釈指針を公表する予定である。

また、10月のIASB会議において、IFRIC解釈指針案「外貨建取引及び事前対価」が取り上げられた。

  • IFRIC解釈指針案「外貨建取引及び事前対価」
    IASBは、2016年10月のIASB会議において、IFRIC解釈指針の公表について、必要なデュー・プロセスを経たことの最終確認を行った。
    2016年11月18日時点のワークプランによれば2016年12月にIFRIC解釈指針を公表する予定である。


(詳細は「論点サマリー:IFRIC解釈指針案 - 公表済」を参照)

IFRIC解釈指針案 - 公表予定

2016年11月のIFRS-IC会議において、IFRS第9号「金融商品」に関するIFRIC解釈指針案を作成し、IASB会議にかけることを暫定的に決定した(詳細は「論点サマリー:IFRIC解釈指針案 - 公表予定」を参照)。

  • 認識の中止が生じない金融負債の条件変更/交換
    IFRS-ICは、以下の会計処理に基づくIFRIC解釈指針案を作成することを暫定的に決定した。
    • 条件変更後の金融負債の償却原価は、条件変更後の契約上のキャッシュ・フローを当初の実効利率で割り引いて再計算する。
    • 償却原価の調整による利得または損失は、条件変更または交換を行う日に純損益で認識する。

会計基準の限定的改訂

会計基準の限定的改訂は、緊急度が高く、必要不可欠な会計基準の改訂を取り扱っている。

会計基準の限定的改訂 - 公開草案公表済

2016年11月のIFRS-IC会議及び2016年9月、10月並びに11月のIASB会議での議論は行われていない(詳細は「論点サマリー:会計基準の限定的改訂 - 公開草案公表済」を参照)。

会計基準の限定的改訂 - 公開草案公表予定

2016年9月のIASB会議において、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に関する公開草案の公表に向けた再審議が行われた。

  • 会計方針の変更と会計上の見積りの変更
    IASBは、2016年9月のIASB会議において、IAS第8号に関して、2016年4月に議論された改訂案を一部修正する事及び改訂案を適用日以降に発生するすべての会計方針の変更及び会計上の見積りの変更に限定して、将来に向かって適用することを決定した。
    また、IASBは公開草案の公表に向けての必要なデュー・プロセスを経たことを確認した。
    2016年11月18日時点のワークプランによれば、2017年3月~5月に公開草案を公表する予定である。

また、2016年10月及び11月のIASB会議において、以下のIAS第16号「有形固定資産」の改訂に関する公開草案の公表に向けた再審議が行われた。

  • 有形固定資産の試運転から得られる正味の収入及び試運転コストの会計処理
    IASBは、2016年10月のIASB会議においてIFRS-ICの提案に沿ってIAS第16号を限定的に改訂することで暫定決定した。また、2016年11月のIASB会議において、コメント期間については120日以上とすることを決定し、公開草案の公表に向けた必要なデュー・プロセスを経ていることを確認した。
    2016年11月18日時点のワークプランによれば、2017年3月~5月に公開草案を公表する予定である。


(詳細は「論点サマリー:会計基準の限定的改訂 - 公開草案公表予定」を参照)。

IFRSの年次改善

IFRSの年次改善は、緊急度が低いものの、必要不可欠な会計基準の改善を行うものである。現在、進行中のものは次のとおりである(詳細は「論点サマリー:IFRSの年次改善(2014-2016年サイクル)」、「論点サマリー:IFRSの年次改善(2015-2017年サイクル)」を参照)。

サイクル 公開草案 最終基準書
2014-2016年 2015年11月19日公表済 2017年1月公表予定
2015-2017年 2016年12月公表予定 未定

2014-2016年サイクルに関して、2016年11月のIFRS-IC会議、及び9月、10月並びに11月のIASB会議において審議は特に行われていない。

2015-2017年サイクルに関して、2016年10月及び11月のIASB会議において、IFRS第9号「金融商品」及びIAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に関するIFRIC解釈指針案に関する審議が行われ、IFRS-ICから提案されたIAS第28号の改訂をIFRSの年次改善として行うこととなった。

  • 関連会社または共同支配企業に対する純投資の一部を実質的に構成する長期持分の測定
    IFRS-ICは、2016年3月及び5月のIFRS-IC会議において、引き続き議論し、IFRIC解釈指針案を開発することを暫定的に決定したが、2016年9月のIASB会議においてIFRIC解釈指針案の公表は否決された。
    IASBは、2016年10月の会議で、IFRS-ICから提案されたIAS第28号の改訂をIFRSの年次改善として行うことに暫定的に合意し、2016年11月の会議で、デュー・プロセスを経たことの最終確認を行った。

アジェンダ却下通知

IFRS-ICは、アジェンダに追加しないと決定した論点について、アジェンダ却下通知を公表することとしている。アジェンダ却下通知は、アジェンダ却下通知案の公表後、60日間のコメント期間及び再審議を経て確定される。

IFRS-IC会議において、以下のアジェンダ却下通知が確定した。

  • IAS第12号「法人所得税」に関する、繰延税金の測定にあたり耐用年数を確定できない無形資産について見込まれる回収方法
  • IAS第32号「金融商品:表示」に関する、可変数の親会社株式で決済予定の非支配持分に対する売建プット・オプションの会計処理

また、IFRS-ICは、以下のアジェンダ却下通知案を公表した。コメント期限は2017年1月27日である。

  • IFRS第10号「連結財務諸表」に関する、投資企業及びその子会社
  • コモディティ・ローン
  • IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に関する、ファンドに対するファンドマネジャーの重要な影響力

この他に、IFRS-ICは、以下の事項を次回のIFRSの年次改善で対応することをIASBに提案することにした。

  • IFRS第9号「金融商品」及びIAS第39号「金融商品 - 認識及び測定」の金融負債の認識の中止に関する10%テストに含めるべき手数料及びコスト

(詳細は「論点サマリー:アジェンダ却下通知」を参照)。

その他の論点等

IFRS-IC会議では、今後の取扱いを検討中のいくつかの論点について審議が行われている。

2016年11月のIFRS-IC会議では、以下の審議が行われた。

  • IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、子会社が売却目的保有に分類される場合の、子会社での取引に対するIFRS第9号の適用
  • IFRS第9号「金融商品」に関する、「全額償還」オプション及び公正価値償還オプションが「元本及び元本残高に対する利息の支払のみ」という要件(SPPI要件)に与える影響

IFRS-ICではこれらの論点につき結論は出さず、IASBへフィードバックを行うことにより、将来的にIASB会議で検討される予定である。

また、IFRS-IC会議において、IASBが着手しているIFRS第13号「公正価値評価」の適用後レビューに関する情報提供が行われた。その他の論点に関しては特に議論は行われていない(詳細は「論点サマリー:その他の論点」を参照)。

論点サマリー

IFRS-ICで検討中のIFRIC解釈指針案、会計基準の限定的改訂、IFRSの年次改善、アジェンダ却下通知及びその他の論点とそのステータスについての詳細は、PDFを参照。

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