会計基準Digest 会計基準を巡る動向 2016年11月号 | KPMG | JP

会計基準Digest 会計基準を巡る動向 2016年11月号

会計基準Digest 会計基準を巡る動向 2016年11月号

会計基準Digestは、日本基準、修正国際基準、IFRS及び米国基準の主な動向についての概要を記載したものです。

関連するコンテンツ

四色のリンゴ

1. 日本基準

法令等の改正

最終基準
該当なし

公開草案
金融庁、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等を公表

2016年11月7日、金融庁は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」を公表し、パブリック・コメント募集を開始した。

本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)において、企業会計基準公開草案第58号「退職給付に関する会計基準(案)」、企業会計基準適用指針公開草案第56号「退職給付制度間の移行等に関する会計処理(案)」及び実務対応報告公開草案第47号「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」を公表(コメント募集期間:平成28年6月2日~8月2日)したことを受け、リスク分担型企業年金を採用している場合の注記事項等について、所要の改正を行うものであるとしている。
本改正の施行は、企業会計基準委員会において、上記の公開草案の結果を踏まえ公表される企業会計基準「退職給付に関する会計基準」等の適用日と同日からの予定となっている。

コメントの締切りは2016年12月6日である。
 

 

金融庁、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を公表

2016年11月8日、金融庁は「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を公表し、パブリック・コメント募集を開始した。

2016年4月に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告において、企業と投資家との建設的な対話を促進していく観点から、より効果的かつ効率的で適時な開示が可能となるよう、決算短信、事業報告等、有価証券報告書の開示内容の整理・共通化・合理化に向けた提言がなされた。同報告の中で、現在、決算短信の記載内容とされている「経営方針」について、決算短信ではなく有価証券報告書において開示すべきことが提言されたことを踏まえ、有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を加えるための改正を行うものであるとしている。

なお、決算短信に係る見直しについては、東京証券取引所において、「決算短信・四半期決算短信の様式に関する自由度の向上について」として、パブリック・コメントが募集されている(パブリック・コメント募集期間2016年11月27日まで)。

併せて、2016年6月に閣議決定された規制改革実施計画を踏まえ、国内募集と並行して海外募集が行われる場合に、海外募集に係る臨時報告書に記載すべき情報が国内募集に係る有価証券届出書に全て記載されているときには、当該臨時報告書の提出を不要とするよう、改正を行うとしている。

改正後の規定は、公布の日から施行される予定である。また、有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を加える改正については、2017年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用される予定となっている。

コメントの締切りは2016年12月8日である。
 

会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))

最終基準
該当なし

公開草案
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」の公表

ASBJは、2016年11月9日に「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」を公表した。

我が国における税効果会計に関する会計基準として、「税効果会計に係る会計基準」があり、日本公認会計士協会(JICPA)から実務指針が公表されている。ASBJでは、当該実務指針(会計に関する部分)について、JICPAからASBJに移管するための審議を続けており、2015年12月には「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を先行して公表した。その後、当該適用指針に含まれない部分についても審議を重ねた結果、「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」も税効果会計に関連するため、ASBJの会計基準として開発することとされた。

本公開草案では、税金の会計処理及び開示について、基本的に従来の内容を踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行うことを提案しており、実質的な内容の変更は意図していないとしている。

コメントの締切りは2017年1月10日である。
 

あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2016年11月14日発行)
 

日本基準についての詳細な情報、過去情報は あずさ監査法人のウェブサイト(日本基準)

2. 修正国際基準

会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))

最終基準
該当なし

公開草案
該当なし

日本基準についての詳細な情報、過去情報は あずさ監査法人のウェブサイト(修正国際基準)

3. IFRS

会計基準等の公表(国際会計基準審議会(IASB)、IFRS解釈指針委員会)

最終基準
該当なし

公開草案
該当なし
 
IFRSについての詳細な情報、過去情報は あずさ監査法人のウェブサイト(IFRS)

4. 米国基準

会計基準等の公表(米国財務会計基準審議会(FASB))

最終基準(会計基準更新書(Accounting Standards Update; ASU))
ASU第2016-18号「キャッシュ・フロー計算書(Topic230):制限付き現金」の公表(2016年11月17日FASB)

本ASUは、制限付きの現金・現金同等物の変動について、キャッシュ・フロー計算書上の分類や表示が実務上多様化していることに対処し、具体的な指針を提供するものである。

すなわち、キャッシュ・フロー計算書上、現金、現金同等物、及び、いわゆる制限付きの現金及び現金同等物の合計額について、その当期中の変動を説明する。現金及び現金同等物の期首及び期末の合計額の調整額には、制限付きの現金・現金同等物の額を含めなければならない。なお、拘束性のある現金及び現金同等物についての定義は提供されていない。

本ASUは公開営利企業については、2017年12月16日以降開始される事業年度並びにその期中報告期間から適用される。早期適用も認められる。

 

公開草案(会計基準更新書案(ASU案))
ASU案「サービス委譲契約:運営サービスの顧客の決定」を公表(2016年11月4日FASB)

サービス委譲契約の基準書(Topic 853)はサービス委譲契約に基づいて事業者が運営する道路等の社会インフラに対して、事業者がリース会計を適用すること、及び固定資産を認識することを禁止し、他の会計基準に従って会計処理することを規定している。

本ASU案は、事業者がサービス委譲契約に収益認識の基準を適用する際に、運営サービスの顧客が誰であるかに関して、実務にばらつきがあるという指摘に対応するために、Topic853の範囲に含まれるすべてのサービス委譲契約における運営サービスの顧客は、公的部門の機関たる委譲者であると明確にすることを提案している。

本ASU案の適用について、収益認識の新基準(Topic606)を適用していない企業に対してはTopic606と同一の適用日と経過措置を予定している。また、本ASU案の最終化より前にTopic 606を早期適用する企業に対しては、修正遡及アプローチもしくは遡及アプローチを予定し、その適用日については公開草案に対するコメントを踏まえて決定する予定である。

コメントの締切は2017年1月6日である。


公開草案
ASU案「報酬 - 株式報酬(Topic718):条件変更の会計処理の範囲」の公表(2016年11月17日FASB)

本ASU案は、企業がどのような場合にTopic718に規定される株式報酬の条件変更の会計処理を適用するかに関するガイダンスの提供を提案している。

主なポイントは以下のとおり。

  • 企業が株式報酬の条件変更をした場合、以下の3つのすべてが条件変更の前後で同じであるときを除き、Topic718に規定される条件変更の会計処理を適用することが要求される。
    1.株式報酬の公正価値(代替測定値を用いる場合、当該測定値)
    2.株式報酬の権利確定条件
    3.株式報酬の分類(資本または負債)
  • 条件変更の会計処理をしない場合でも、重要な変更事項の開示が要求される。

本改訂案は移行日以降生じる変更に適用されることが見込まれている。

コメントの締め切りは2017年1月6日である。


あずさ監査法人の関連資料

Defining Issues No16-38(英語)

INFORMATION

TRGの最新の会議について(2016年11月7日FASB)

FASBの収益認識に関する移行リソースグループ(Transition Resource Group; TRG)は、利害関係者より挙げられた適用上の論点を議論した。また、FASBは、進行中のテクニカルな修正以外に収益基準の発効日前に追加で基準を設定することはないであろうと述べた。

議論された事項は以下のとおりである。

 

販売または使用量ベースのロイヤルティ

  • TRGは、顧客が許諾者に対してロイヤルティの最低額を保証する場合、実用的な知的財産(一時点に収益を認識)、象徴的な知的財産(一定期間に収益を認識)について認識される収益にどのような影響を与えるかについて議論した。
    • 実用的な知的財産に関する最低保証料
      TRGは、ライセンスに対する支配を顧客に移転した時点で最低保証額を収益として認識することで合意した。また、TRGは、当該最低保証額を超過する入金のみ例外として取扱い、販売又は使用が生じたときに収益を認識することを合意した。
    • 象徴的な知的財産に関する最低保証料
      収益基準は、単一のアプローチを示していないため、会計処理にあたっては判断が必要となる。企業は収益基準の原則のすべてを考慮してアプローチを選択する必要がある。TRGは、許容可能な3つの考えられる方法を議論した。

 

契約獲得の増分コスト

  • TRGは、増分コストの識別と資産の償却について適用上の論点を議論した。
  • TRGは、コストが増分であるか否かの評価についてFASBのスタッフが用意した例が有用であることに合意した。TRGメンバーの何人かは、現行より多くのコストが資産化される可能性がある点に着目した。
  • TRGは、コストを認識するタイミングは、関連する支出についての負債の認識と一致するであろうことに合意した。
  • TRGは、契約獲得コストの償却期間及びパターンを決定するための考慮事項について合意した。

 

顧客への支払の前払い

  • TRGは、返金不能な顧客または潜在的顧客への前払いの会計処理について議論した。
  • TRGは、支払いが資産の定義を満たし、将来のキャッシュ・フローによって回収可能である場合には、当該支払いを資産として認識し、購入が予測される期間にわたって、収益の減少として償却処理することに合意した。
  • TRGは、認識した資産の償却及び減損の方法は、他の資産と同様の方法とすることに合意した。

 

一定期間にわたる収益の認識

  • TRGは、財が一定期間にわたって移転したか、一時点で移転したかの分析は、個々の契約に基づいて、契約の中の履行義務について実施するべきであることに合意した。
  • TRGは、同様の財又はサービスでもそれぞれの契約の権利及び義務によって、収益認識のパターンが異なり得ることに留意した。

FASBは、TRGの次の会議は予定していないものの、必要であれば、適用上の論点について議論する予定である。FASBは、生産開始前のコストと経常的に発生しないエンジニアリングコストに関してリサーチを行っており、収益基準との関連で現行のUSGAAPを適用する際の論点について利害関係者に対してアウトリーチを実施する予定である。
 

あずさ監査法人の関連資料
Defining Issues No16-36(英語)


米国基準についての詳細な情報、過去情報はあずさ監査法人のウェブサイト(米国基準)

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