ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題

ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題

ミャンマーは、2011年に成立したテインセイン政権による外資誘致政策の下、鉄道や港湾、発電所や上下水道の整備、ティラワ経済特別区(SEZ)の開発など様々なインフラ開発の工事発注が続いています。本年(2016年)4月以降、初めての本格的な民主選挙により政権を引き継いだ現アウン=サン=スーチー政権の政策においても、インフラ開発の重要性は同様に引き継がれています。

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この建設需要に応えるために、日系建設会社は積極的にミャンマーに拠点を置いてきており、ミャンマー日本商工会議所の建設部会は、90社を超える会員企業を抱える最大の部会となっています。
しかしながら、財政が逼迫しているミャンマー政府は、インフラ開発を民間投資や日本からのODA資金に頼っているのが実情であり、その進捗は必ずしも順調とは言えません。そのような状況において、日本からの官民を挙げた協力により進められているティラワSEZの開発は、成功した開発事例として注目を集めています。既に70社近い外資企業が当SEZへの入居を決めており、日系を中心とした50社余りの企業が工場の建設中であり、一部の企業は既に操業を開始しています。
本稿では、そのようなSEZ企業の工場建設を受注した日系ゼネコン各社において顕在化した税務上の課題について解説します。課題は大きく3項目、(1)源泉税、(2)商業税、ならびに(3)輸入関税・商業税の免税措置にまとめることができます。

ポイント

  • ミャンマーでは、ティラワ経済特別区(SEZ)の開発など様々なインフラ開発の工事受注が続いているが、工事建設を受注した各社において税務上の課題が顕在化している。
  • 源泉税の課題は、非居住者への支払いから徴収された源泉税が最終税額になると規定されていることである。結果、申告による最終法人税額が先に徴収された源泉税額を下回っても超過部分の税額還付は行われないと理解されている。
  • 商業税の課題は、サービスの輸出に関連する仕入れ税額の還付は想定されていないため、SEZのフリーゾーン企業は、商業税の免税メリットを実質的に享受できないという不合理が生じている。
  • 輸入関税・商業税の免税措置を受けているSEZ企業とのEPC契約において、建設会社が自ら輸入者となって資材等を直接輸入した場合は、関税と商業税の免税が受けられず顧客にとってコスト高の資材調達となる。

内容

  1. 源泉税の問題点
  2. 商業税の問題点
  3. 輸入資材に関わる関税・商業税の免税措置の問題点

執筆者

KPMGミャンマー
ヤンゴン事務所長
パートナー 藤井 康秀

ミャンマー

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