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IFRS実務トピックニューズレター~銀行業~(2016-03)英国のEU離脱の影響に関する開示

IFRS実務トピックニューズレター~銀行業~(2016-03)

「IFRS実務トピックニューズレター~銀行業~」(2016-03)は、KPMG IFRG Limitedが発行したThe BANK STATEMENT(銀行向けIFRS関連ニュースレター)の2016年Q3版をベースに作成しています。

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“驚く結果ではないだろうが、最も広範囲で詳細な開示を提供したのは英国における銀行グループであった。”

 

2016年6月に、英国はEU離脱を選択した。この決定は多くの欧州の企業及び他の諸国に拠点を置く企業に影響を与える可能性がある。
KPMGは、欧州における大手銀行13行の2016年6月30日を期末とする期中財務報告書を参照し、Brexit(英国のEU離脱)の影響に関する開示を比較した。

どのような開示が求められているか

サンプルに含まれる銀行の全てが、IAS第34号「期中財務報告」の規定に従って期中財務報告書を作成した。IAS第34号は、期中財務報告書に直近の年次報告期間の末日後の、その企業の財政状態の変動及び業績を理解するうえで重要な事象及び取引についての説明を含めることを企業に要求している。ここで開示する情報は、直近の年次財務報告書において開示された関連情報を更新しなければならない。

年次財務報告書の開示規定のうち、期中財務報告書にも関連する可能性があるものは以下のとおりである。

  • IAS第1号「財務諸表の表示」:
    見積りの不確実性、将来に関する仮定並びに財務諸表における資産及び負債に関連するその他の判断、及び資本の管理に関する情報についての開示
  • IFRS第7号「金融商品:開示」
    金融商品から生じるリスクの内容及び程度、並びに企業がこれらのリスクを管理する方法についての開示

銀行は実際にどのような開示を行ったか

サンプルに含まれる銀行の大部分が、内容は異なるものの、英国の国民投票の結果を踏まえた開示を行っていた。結果は以下のグラフに記載されている。

これらの開示の大部分は、定性的な開示であったが、一部の銀行は定量的な開示も提供していた。さまざまな情報が提供されていたが、潜在的な将来の影響、Brexitのリスクを管理するために実施する活動、財務的影響の項目が共通の開示項目であった。

潜在的な将来の影響

多くの銀行が、国民投票の結果は大きな不確実性を生じさせているが、影響の全てが明らかとなるのは英国とEU及びその他の貿易相手国との間の交渉が進んでからであると述べていた。

潜在的な将来の影響の例として、以下の項目が挙げられていた。

  • Brexitの影響を最も大きく受ける可能性があるエクスポージャーの種類
  • 事業モデルへの影響
  • クロス・ボーダーのサービスを提供する銀行の能力に関するリスク
  • 銀行が営業を行う法的枠組みへの影響
  • 信用格付けへの影響
  • 信用リスク、市場リスク、及びオペレーショナル・リスクに対する影響のより詳細な説明

Brexitのリスクを管理するために実施する活動

複数の銀行が、Brexitによる影響を管理するために実施する活動について開示した。この開示は以下の項目を含んでいた。

  • さまざまなビジネスラインにわたり十分な流動性を確保するために、国民投票前の資金調達活動を実施。これらの銀行は、このような流動性計画が流動資産(特に現金及び現金同等物)の増加をもたらしたことを開示した。
  • シナリオ分析及びストレス・テストの実施により、英国がEU離脱を選択した場合に弱点となる可能性のある分野を特定し、取りうる対策を検討
  • リスク評価(他の分野に悪影響を与える可能性の評価を含む)の実施
  • Brexit対応委員会及び作業グループの設置
  • 現在の事業モデルに対する影響の評価
  • 取引高の増加を想定し、ITインフラの復旧力を評価
  • ある国がユーロ圏から離脱することによって生じるリデノミネーション・リスクの評価

財務的影響

銀行は定性的情報と定量的情報を組み合わせることにより、財務諸表に対する影響について開示した。この開示は以下の項目を含んでいた。

  • ポンド安による為替への影響(ある銀行はポンド安によって生じる為替差益を定量化した)
  • レバレッジ比率の低下
  • 為替レートの不利な変動を主要因とするTier1資本の減少
  • 国民投票の結果と担保の流入を主要因とするマーケットの変動によるリスク加重資産の増加
  • ある銀行はBrexitの決定による重要な資産の質の悪化は見られていないとコメントし、また別の銀行は追加の評価性引当金を設定したことを開示した。

KPMGが提供するBrexit関連サービス

KPMGはBrexitに対応する日英欧三極連携専門チームを組成し、日本語による最新情報発信のほか、税務(直接税、間接税)、組織体制構築などの課題解決をサポートします。

Brexit関連サービスについては、あずさ監査法人のウェブサイトをご参照下さい。

また、業種別に、Brexitの現状、及び影響について、業種固有の検討事項や課題、今後の法規制動向のシナリオなどについて説明しております。以下のリンクをご参照下さい。

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