重大不正の予防・発見のための電子メールモニタリングの実務 | KPMG | JP

重大不正の予防・発見のための電子メールモニタリングの実務

重大不正の予防・発見のための電子メールモニタリングの実務

近年、第三者委員会による不正調査や、国内外の規制当局による操作等では、企業に対する電子メール調査が実施されています。しかし、多くの日本企業では電子メールのモニタリングが不十分なこともあり、電子メールのデータから、想定外の不適切な内容が記録された“重要な証拠”が発見されることも少なくありません。

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このような状況を受けて、重大不正の早期発見策や再発防止策として、電子メールのモニタリングに着手する日本企業が増えつつあります。しかし、(1)電子メールはデータ量が膨大なため、閲覧作業に必要となる人的リソースの確保が難しい、(2)電子メールのレビュー専用ソフトは高額なため、費用対効果の観点から導入に躊躇する、などの実践上の課題・悩みが多く聞かれます。
そこで、本稿では、有事に限らず、平時から電子メールのモニタリングを行うことの必要性を解説しつつ、導入時のポイントや実施時の具体的な留意点を解説します。

ポイント

  • 組織的な重大な不正事案では、不正行為があたかも業務の一環として日常化するため、会社の電子メールを利用した不正行為に関するやり取りが、堂々と「隠語」を使ってなされることが多い。よって、重大な不正の早期発見のためには、電子メールのモニタリングは非常に有効な手段といえる。
  • ただし、会社のメールサーバーに格納されている電子メールのデータ量は非常に膨大であり、またレビュー担当者が閲覧可能なデータ量には限りがある。そこで、社内リソース不足の観点から、外部業者を活用して電子メールのモニタリングを行うことも考えれるが、適切に閲覧対象データの絞り込みができないと、費用対効果の観点で高額となる可能性がある。そのため、精査すべき電子メールデータの有効な絞り込みが実務上は非常に重要となる。
  • 電子メールデータを合理的かつ効果的に絞り込むためには、リスクアプローチの観点から、(1)リスク評価等によるモニタリング対象の特定、(2)重複メールや閲覧不要メールの排除、(3)キーワード検索(特にAND検索)、などの実施が鍵となる。特に、上記(2)(3)を効率よく行うためには、電子メールのレビュー専用ソフトを活用することが望ましいが、レビュー専用ソフトには高額なものも存在するため注意を要する。
  • 以上を踏まえ、最低限の工数・コストで、最大限の効果(不正行為の発見だけでなく、「見られている」という意識付けによる抑止効果)を得るための、平時におけるリスクアプローチ型の電子メールモニタリング手法の確立を推奨したい。

内容

  1. 電子メールモニタリングの必要性と実務上の課題
    1. 有事において電子メール調査への対応に迫られる企業の増加
    2. 平時における準備不足が招く、有事における想定外の莫大なコストと対応負荷
    3. 平時における電子メールモニタリングに取り組む企業の増加
    4. 電子メールモニタリングの実施メリットが高い不正テーマ
    5. 電子メールモニタリングに取組む/検討する企業における課題感
  2. 重大な不正行為を示す電子メールに見られる共通項
    1. 不正に関する電子メールが会社アカウントで送受信される背景事情
    2. 不正メールに多く見られる“隠語”の利用
  3. 電子メールのモニタリング手法の分類と特徴
    1. 各モニタリング手法の概要
  4. リスクアプローチ型の電子メールモニタリングの導入準備における重要ポイント
    1. 社内ルールの整備
    2. 閲覧環境の整備
    3. 外部専門家の活用
  5. リスクアプローチ型の電子メールモニタリングを効率的に実施するための「10の手順」
  6. 最後に

執筆者

株式会社 KPMG FAS
フォレンジック部門
マネージング・ディレクター 林 稔
マネジャー 佐野 智康

ディールアドバイザリー

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