スポーツの発展と放映権料の関連 | KPMG | JP

スポーツの発展と放映権料の関連

スポーツの発展と放映権料の関連

大変な盛り上がりを見せたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでしたが、約30年前まではオリンピックを開催するためにスタジアム建設など環境整備に多額の公的資金が必要とされ、開催都市は赤字続きの状態で、現代のように熾烈なオリンピック誘致競争が行なわれることや、大会自体も盛り上がる状況にはなかったと言われています。

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しかし、1984年開催のロサンゼルスオリンピックは、公的資金を使わずに成功した大会としてオリンピックの新たな歴史を築いたものと評価されています。その成功の立役者であるピーター・ユベロスは大会開催にかかるすべての費用を、放映権料、スポンサー協賛金、入場料収入、グッズ売上でまかなうことを目標にし、大会の黒字化と競技の盛り上がりの両方を見事に成功させました。この大会の黒字化の成功要因のうち、放映権料の影響は非常に大きいと考えられます。
現在のプロスポーツリーグの収益源としても放映権が大きな影響を及ぼしています。プロスポーツのなかでも特に放映権料が大きいのはプロサッカーリーグであり、注目を浴びているのは従前から放映権料の大きいイングランド・プレミアリーグと、近年サッカー人気が高まってきたことにより放映権料の増額が顕著な中国・スーパーリーグです。日本のJリーグにおいても2017年からは英国に本社を置く動画配信大手パフォームグループと10年間の放映権契約を結ぶことで合意がされました。その放映権料は総額約2,100億円と年間平均で約210億円となり、現契約と比較すると7倍程度の放映権料になると推定され、日本のスポーツ放映権としては過去最大となっております。

本稿ではスポーツ産業の発展と放映権料の関連について解説します。

なお、本文中の意見に関する部分は筆者の私見であることを、あらかじめお断りいたします。

ポイント

  • IOC※1の収益源は様々あるが、大きな割合を占めているのは放映権料であり、放映権料の多寡が大会の黒字化のカギを握っていると考えられる。
  • オリンピック・パラリンピックの価値は大会毎に高まっており、その影響によって放映権料は高騰し続けている。
  • 地域別に放映権料を見ると、北米と欧州は従前から全体に占める構成割合も大きかったが、近年ではアジアが支払っている放映権料も高くなってきており、大きな市場となりつつある。
※1 International Olympic Committee(国際オリンピック委員会)

内容

I. IOCの収入構造
II. オリンピック・パラリンピックの放映権
III. まとめ

執筆者

有限責任 あずさ監査法人 スポーツアドバイザリー室
室長 パートナー 大塚 敏弘
スポーツ科学修士 得田 進介

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