IFRS - Financial Instruments Newsletter - Issue 31 | KPMG | JP
close
Share with your friends

IFRS - Financial Instruments Newsletter - Issue 31 金融商品会計の動向

IFRS - Financial Instruments Newsletter - Issue 31

IFRS - 金融商品ニューズレターでは、IASBの金融商品に関するプロジェクトの動向について最新情報を提供しています。Issue31では、資本の特徴を有する金融商品のプロジェクトについて、2016年7月に行われたIASBの審議を取り上げています。

関連するコンテンツ

ウィンドサーフィン

「FICEプロジェクトによって、企業自身の資本に係るデリバティブの分類における課題が強調されたが、同時に一貫性を向上させる好機ももたらされた。」

KPMGグローバル
IFRS金融商品リーダー
Chris Spall


IASBは、前回の会議で検討した、純損益及びその他の包括利益(OCI)をデリバティブに該当する資本に対する請求権に割り当てるために取りうる方法を踏まえて、資本の特徴を有する金融商品に関する審議を継続した。

概要

IASBは7月の会議において、企業自身の資本に対するデリバティブの分類、資産と資本を交換するデリバティブ、及び負債と資本を交換するデリバティブに、ガンマ・アプローチ※1をどのように適用するかに焦点を当てて審議した。

プロジェクトの次のステップは、様々なクラスの負債(変動対固定のデリバティブを含む)に関する区分表示の規定、及び固定対固定の条件を適用するうえでのいくつかの適用上の課題について検討することである。今後の会議では以下を含む論点について審議する予定である。

  • 現行のプッタブル金融商品の例外に該当する商品の分類
  • 条件付きの代替的な決済結果の会計処理
  • 普通株式以外の種類の資本に対する請求権に関する開示の改善の可能性

マクロヘッジ会計のプロジェクトについて、7月の会議では審議は行われなかった。

IASBはIFRS第4号「保険契約」とIFRS第9号の相互関係に関する整理論点について審議し、IFRS第9号の一時的免除(IFRS第4号の改訂案の一部)を適用する企業に適用される開示規定を修正することで合意した。当該修正は、SPPI評価をトレーディング目的で保有されていない、または公正価値ベースで管理されていない金融資産に限定することを要求している。詳細については、保険ニューズレターを参照のこと。

※1 IFRS金融商品ニューズレター2015年9月を参照のこと

資本の特徴を有する金融商品

これまでの経緯

IAS第32号「金融商品:表示」には、負債と資本に金融商品を分類する規定が含まれている。この二元論的な分類規定を資本の特徴を有する多くの金融商品、例えば、典型的な普通株式(償還可能ではなく、裁量により配当が支払われる)以外の商品に適用した場合、重要な実務上の論点が生じる。過去において、IFRS解釈指針委員会にはこの分野に関する複数の質問が寄せられたが、一部のケースでは結論に至らなかった。IFRS解釈指針委員会は、それらのいくつかについてはIFRSの基礎的な概念の検討を要するため、IASBに議論を委ねた。

IASBは2008年にディスカッション・ペーパー(DP)「資本の特徴を有する金融商品」を公表した。しかし、リソースの問題により、IASBはこのトピックに関する公開草案を公表することができず、プロジェクトは中断した。その後、IASBは「財務報告に関する概念フレームワーク」※2プロジェクトの一環で一部の課題について審議した。

2014年10月、IASBは資本の特徴を有する金融商品に関するプロジェクトを再開し、プロジェクトを2つ(分類、並びに表示及び開示)に分けることを決定した。IASBは、このプロジェクトにより、概念フレームワークの負債と資本の定義が修正される可能性があると述べた。2015年5月に負債と資本を区別する概念上及び適用上の課題について審議するまで、IASBは公式にはこのプロジェクトの再検討を行わなかった。

2015年6月、IASBは、請求権の測定及び資本と負債の区別に関連する特性を特定した。

2015年7月、IASBは、財務諸表利用者が財政状態計算書及び業績における情報を用いて行う可能性のある評価における、これらの特性の関連性を分析した。

2015年9月、IASBは、デリバティブ以外の金融商品の分類に注目した。IASBは、IAS第32号の規定が、財務諸表利用者の評価に必要な特性をどの程度補足しているかについて審議した。また、3つの取りうる分類のアプローチ(アルファ、ベータ、ガンマ)についても検討した。

2015年10月、IASBは、「企業自身の資本」に関するデリバティブの分類及び会計処理の課題、並びにIAS第32号がこれらの課題にどのように対処しているかについて審議した。

2016年2月、IASBは金融負債の内訳分類を用いて財務成績及び財政状態を評価するための追加的情報を提供すること、及び資本の部の内訳分類を用いて関連する特性についての追加的情報を提供することについて審議した。また、条件付きの代替的な決済の結果を伴う請求権についても審議を行った。

2016年4月、IASBは残余の金額に依存する負債の別個の表示に関する規定の適用範囲を検討した。IASBはまた、普通株式以外の資本に対する請求権(非デリバティブ及びデリバティブの両方を含む)に純損益及びOCIを割り当てる方法について審議した。

2016年5月、IASBは割当てのアプローチに関する4月の審議を継続し、純損益及びOCIをデリバティブに該当する資本に対する請求権に割り当てるために取りうる別の方法について検討した。

※2 IASBは、2015年5月にED「財務報告に関する概念フレームワーク(ED/2015/3)」を公表した。本ニューズレターにおける概念フレームワークは、別途記載のない限り、現行の財務報告に関する概念フレームワークを参照している。

企業自身の資本に係るデリバティブへのガンマ・アプローチの適用に関する課題

“IASBは、企業自身の資本に係るデリバティブの分類に関する会計単位について審議した”


問題の所在
デリバティブは他の当事者と原金融商品を交換する契約上の権利及び義務を含んでいる。企業自身の資本に係るデリバティブの際立った特徴は、交換の対象となる原金融商品のうちの1つが資本の定義を満たすことである。企業自身の資本に係るデリバティブには、以下の2つの基本的な交換の種類がある(いずれも2つの「部分」から構成される)。

  • 資産と資本の交換 - いずれも企業の既存の金融商品ではない場合に、企業自身の資本の引渡しと交換に金融資産を受け取る。
  • 負債と資本の交換 - 企業自身の資本または金融負債の引渡しと交換に既存の金融負債または資本性金融商品が消却される。

ガンマ・アプローチでは、契約の引渡しの部分は以下の両方に該当する義務を含んでいる場合に資本の定義を満たす。

  • 清算日以外の日には経済的資源の移転を要求しない。
  • 企業の経済的資源とは独立したリターンを約束しない。

ただし、ガンマ・アプローチは分類の会計単位が契約全体なのか、あるいはデリバティブ契約の基礎となる部分なのかについて言及していない。以下の3つの代替的なアプローチがある。

  • デリバティブを複数の要素に分解する(componentisation)- すべての資本部分を資本として分類する結果となる。
  • すべてのデリバティブを資産または負債に分類する - 資本部分を有するすべてのデリバティブを資産または負債として分類する結果となる。
  • 単独のデリバティブ契約の全体を両方の部分に基づいて資本、または資本以外に分類する。

 

IASBの審議
何名かのボードメンバーは、構成要素が資産、負債及び資本の定義を満たすか否かに関する概念上の論点、及び適用の複雑さを理由として、複数の要素への分解のアプローチに賛成しなかった。また、これらのボードメンバーは、企業自身の資本に係るすべてのデリバティブを負債または資産として分類すべきだとは考えなかった。そうすることによって企業の財政状態及び業績を評価するうえで最も目的適合性のある情報が提供されることはないからである。

IAS第32号の現行のアプローチと整合的に、IASBは企業がデリバティブの全体を資本あるいは、資産または負債として分類すべきだという点で暫定的に合意した。IAS第32号(及び一般にIFRS第9号に基づく金融商品)においては、会計単位はデリバティブ契約の全体である。

IASBは、負債として分類された特定の種類の義務に関して別個に表示する規定について、以前に審議を行っている(例:支払義務が残余金額に基づく商品)。これらの表示規定は、識別された課題の一部に対処するうえで役立つと考えられる。

ただし、為替要素の取り扱いに関して懸念が生じているため、あるボードメンバーは、デリバティブを全体として分類することを念頭に置いて、この論点をより深く検討すべきであると提案した。

 

KPMGの見解
スタッフの見解によると、単一の分類方法によってすべての課題を解決することはできない。分類方法を選択するうえで、IASBは、目的適合性、忠実な表示及び適用コストについて検討することが要求される。ガンマ・アプローチの目的は、以下について評価するための情報を提供することである。

  • 期限が到来したときに、企業がその義務を満たすために経済的資源をどの程度有しているか
  • 請求権に対する約束されたリターンを満たすために、企業がその経済的資源に関する十分なリターンをどの程度生み出しているか

資産と資本を交換するデリバティブへのガンマ・アプローチの適用

“IASBは、ガンマ・アプローチを資産と資本を交換するデリバティブへどのように適用することができるかについて審議した”


問題の所在
ガンマ・アプローチをデリバティブの全体に適用する際に、全体として以下の条件を満たす場合にはデリバティブは資本として分類される。

  • 清算前に経済的資源の移転を要求しない。
  • 残余金額に応じて決まる金額を支払う義務である。

IAS第32号では、固定対固定の条件を満たす場合(すなわち、企業の機能通貨での固定額の現金(またはその他の金融資産)を企業自身の固定数の資本性金融商品と交換することによって現物決済される場合)、デリバティブは資本として分類される。したがって、デリバティブが現金または株式により純額決済されること、あるいは交換のいずれか一方の部分が変動することによって、要求事項は満たさない。

ただし、外貨建ての株主割当発行に係る固定対固定の条件には1つの例外がある。権利、オプションまたは新株予約権は、固定数の資本性金融商品の引渡しと交換に受け取る現金の額があらゆる通貨で固定され、当該デリバティブがすべての同一クラスの企業自身の資本性金融商品の既存の保有者に比例的に発行されている場合には、資本として分類される。

ガンマ・アプローチがIAS第32号における固定対固定の条件と整合しているか否かについては、疑問が呈されている。

 

IASBの審議
下表はガンマ・アプローチに基づく資産と資本を交換するデリバティブの分類をIAS第32号との比較によってスタッフが分析したものである。

商品 ガンマ・アプローチに
基づく分類
IAS第32号に
基づく分類

現物決済を伴う固定対固定の先渡契約

  • 固定数の普通株式の引渡しと交換に固定額の現金を受け取る契約

資本

  • 清算時以外には現金またはその他の金融資産の移転を要求しない。
  • 資産部分は固定され、デリバティブの価値の変動は資本部分の変動からのみ生じていることから、金額は残余金額に応じて決まる。
資本(固定対固定の条件が満たされている)

株式による純額決済
を伴う固定対固定の先渡契約

  • 固定数の普通株式の引渡しと交換に固定額と同等の変動数の株式を受け取る契約

資本

  • 清算時以外には現金またはその他の金融資産の移転を要求しない。
  • 資産部分は固定され、デリバティブの価値の変動は資本部分の変動からのみ生じていることから、金額は残余金額に応じて決まる。
株式による純額決済のため
資本として分類されない(固定対固定の条件が満たされていない)
純額で現金決済されるデリバティブ 契約は清算前に経済的資源を移転することを要求する可能性があるため、資本として分類されない。 資産または負債(固定対固定の条件が満たされていない)
企業の経済的資源とは独立した金額と同等の変動数の株式の引渡しを要求する契約 契約の全体が企業の経済的資源とは完全に独立した金額であるため、資本として分類されない。 資産または負債(固定対固定の条件が満たされていない)
変動対固定のデリバティブ(例:資産部分が変数であり固定数の普通株式の引渡しと交換に受け取る通貨先物契約または物価連動先渡契約) 義務の金額は企業の経済的資源とは完全に独立したものでも、残余金額のみに応じて決まるものでもないため、明確な回答はない。 資産または負債(固定対固定の条件が満たされていない)。ただし、外貨建ての株主割当発行の例外に該当する契約は除く

これらを踏まえて、ガンマ・アプローチは、以下の分類を除いてIAS第32号の固定対固定の条件と整合すると考えられる。

  • 固定対固定の株式で純額決済される契約
  • IAS第32号の例外に該当する外貨建ての株主割当発行

スタッフは、デリバティブの全体を分類する際に厳格な固定対固定の条件を適用することは実用的であり、デリバティブの複数の要素への分解の必要性を回避すると考えている。固定対固定の条件を満たさない項目であっても、収益または費用として認識される資本部分の変動を生じさせる場合があり、スタッフはこれらの課題が区分表示に関する規定を通じて解決される可能性があると考えている。

IASBは、固定数の資本性金融商品の引渡しと交換に変動額の現金またはその他の金融資産を受け取るすべてのデリバティブをガンマ・アプローチでは負債として分類することを含む、上表でまとめたガンマ・アプローチの適用に関するスタッフの分析に暫定的に同意した。

あるボードメンバーは、固定対固定の条件の論理的根拠、及び純額または総額の決済がIAS第32号に基づく負債または資本の分類に影響を及ぼしうる理由について、さらなる調査を実施するようにスタッフに求めた。これにより、ディスカッション・ペーパーの作成に向けて、すべての関連する原則が検討されたことが確認できる。

 

KPMGの見解
固定対固定の条件をすべての変動対固定のデリバティブの分類に厳格に適用することは、そのようなデリバティブが資産または負債として分類されることを意味する。これはまた、IASBが具体的な例外規定を維持することを決定しない限り、外貨建ての権利が負債として分類されることも意味する。

負債と資本を交換するデリバティブへのガンマ・アプローチの適用

“IASBは、ガンマ・アプローチを負債と資本を交換するデリバティブへどのように適用することができるかについて審議した”


問題の所在
負債と資本を交換するデリバティブには以下の2つの種類がある。

  • 資本の発行と交換に負債を償還する、または買い戻すデリバティブ(例:転換社債に組み込まれた転換オプション)
  • 負債と交換に資本を償還する、または買い戻すデリバティブ(例:企業自身の資本に係る売建プットオプション)

資産と資本を交換するデリバティブに関するセクションで説明した固定対固定の条件に加えて、IAS第32号はまた、企業自身の資本を買い戻す義務を、償還金額の現在価値に対する金融負債として分類することも要求している。これには、取引相手の償還権行使を条件とする義務、または固定対固定の条件を満たす単独のデリバティブの一部である義務が含まれる。

唯一の例外は、プッタブル金融商品または一定の条件を満たす場合に資本として分類される清算時に生じる義務である。また、IAS第32号は、複合金融商品の会計処理にも言及しており、デリバティブ以外の金融商品の負債要素と資本要素を別個に分類することを企業に求めている。

これらのデリバティブをガンマ・アプローチにおいてどのように分類するか、また、IAS第32号の償還義務に関する現行の規定と同様の規定を適用すべきか否かについては、疑問が呈されている。

 

IASBの審議
資本と交換に負債を償還する、または買い戻す商品
下表はガンマ・アプローチに基づく負債と資本を交換するデリバティブの分類をIAS第32号との比較によってスタッフが分析したものである。分類の根拠は、ガンマ・アプローチに基づく資産と資本を交換するデリバティブと同様である。

商品 ガンマ・アプローチに
基づく分類
IAS第32号に
基づく分類
固定数の資本性金融商品の引渡しと交換に固定額の負債を受け取る(すなわち、現物決済が行われ、デリバティブの価値は資本部分のみによって決定される) 資本 資本
現金で純額決済されるか、企業の経済的資源とは独立した金額と同等の変動数の資本性金融商品の引渡しを要求するデリバティブ 負債 負債
変動対固定のデリバティブ(すなわち、固定数の資本性金融商品の引渡しと交換に変動額の負債の償還または買戻しを行う契約) 義務の金額は企業の経済的資源とは完全に独立したものでも、残余金額のみに応じて決まるものでもないため、明確な回答はない。 議論されなかった。

 

IASBは、負債と資本性金融商品との交換を生じさせる固定対固定のデリバティブを資本として分類すべきであることを暫定的に決定した。このようなデリバティブは、残余金額のみに応じて決まる金額に対する請求権となるからである。その結果、負債と資本の交換に関するガンマ・アプローチは、資産と資本の交換に関するガンマ・アプローチと整合する。

 

負債と交換に資本を償還する、または買い戻す商品
IASBは以前の会議において、組み込まれた償還義務について審議を行った(例:ガンマ・アプローチでは、公正価値により償還可能な株式は負債として分類される)。別個の商品における償還条項を分離しても取決めの結果は変わらないため、スタッフは、償還条項が商品に組み込まれているか、または単独のデリバティブであるかに関係なく、同一の義務を同様に取り扱うべきであると考えた。

自己株式に係る売建プットオプションの概念上の課題は、償還価格が基礎となる株式の価値と同等であるか、または当該売建プットオプションが変動数の株式で決済される場合に、移転部分が負債の定義を満たすか否かに関連していた。しかし、ガンマ・アプローチでは、これらの種類のオプションはいずれも負債として分類する。これは、これらのオプションが清算時以外に経済的資源の移転を要求するか、または企業の経済的資源とは独立した金額の義務であるためである。

ガンマ・アプローチにおける償還義務の規定を企業自身の資本に係る売建プットオプションに適用することによって、IAS第32号の場合と同様に、企業の経済的資源とは独立した金額の現金を支払う義務を負債として認識する結果となる。通常は、残余の価値に対する資本要素がある。プットオプションの資本要素は、転換社債における転換オプションと似ている。ガンマ・アプローチでは、単純な転換社債は負債と資本の両方の要素を有していることになる。

したがって、IASBは、IAS第32号の償還義務に関する現行の規定と同様の規定をガンマ・アプローチにおいて適用することで合意した。これは、負債と資本への分類結果が同じとなる取決めについては、それらがどのように構築されたかに関わらず、整合的に分類することを意図している。

 

企業自身の資本に係るデリバティブに関する規定の相互関係
スタッフは、IAS第32号に基づく外貨建ての転換社債及び外貨建ての売建プットオプションの現行の取り扱いについて検討した。

外貨建ての転換社債は以下のとおり会計処理される。

  • 全体として負債に分類される(転換オプションは固定対固定の条件を満たさない)。
  • 為替差損益は主契約である負債の換算に係る純損益に認識される。
  • 組込転換オプション負債は純損益を通じて公正価値で測定される(基礎となる株価の変動及び為替レートの変動の両方を反映させる)。

外貨建ての売建プットオプションは以下のとおり会計処理される。

  • 償還金額の現在価値に対する負債が認識される。
  • オプションの特性は通常、資本に計上される。
  • 為替差損益は負債の換算に係る純損益に認識される。

構造は異なるものの、これらの商品は同様の特性を有しておりスタッフはこれらが同じように会計処理されるべきであると考えている。しかし、IAS第32号のもとでは、プットオプションは固定対固定の条件を満たさないものの、プットオプションの償還義務のみ(オプションの公正価値は含まない)が負債として認識される。

したがって、スタッフは、固定対固定の条件をガンマ・アプローチにおける償還義務にも適用すべきであると考えている。ガンマ・アプローチのもとでは、外貨建ての売建プットオプションは、償還金額の現在価値に対する金融負債及び行使日に外貨建て負債を固定数の普通株式に転換するオプションに対する組込デリバティブ負債を含んでいる。ただし、ガンマ・アプローチにおける区分表示の規定は、このアプローチによる影響の一部を軽減する可能性がある。

IASBはスタッフの分析に概ね同意し、償還義務の規定と、負債と資本性金融商品の交換を生じさせる固定対固定のデリバティブのみを資本に分類する規定との相互関係を企業は調整すべきであることを暫定的に決定した。

 

KPMGの見解
償還義務に対して固定対固定の条件を適用することは、外貨建ての売建プットオプションの現行の会計処理を変更することになる。ただし、これにより経済的に同様の義務を有するが、取引の構造が異なっている企業間の比較可能性は向上すると考えられる。

このページに関連する会計トピック

会計トピック別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

IFRS - Financial Instruments Newsletter

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信