2016年上期IPOレポート(総括) | KPMG | JP
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2016年上半期のIPO動向について

2016年上半期のIPO動向について

2016年上半期の新規上場会社数は、前年同期比約7%減(▲3社)の40社となりました。引き続き四半期ベースの新規上場会社数は約20社のペースを保っていますが、年始に期待された水準には至らず、上半期の同期比較としては、2009年以来、7年ぶりに前年を下回りました。

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概況

株式市場では、世界各国の政権交代による混乱に加えて、新興国経済の悪化が明らかになり、原油の需要後退の影響から原油価格が下落したことで投資のリスク許容度が低下しました。2月には日銀によるマイナス金利が初めて導入されるも、本格的な反発のきっかけには至らず、円高基調の長期化による企業業績への影響が不安視される展開が続きました。6月には消費税の引き上げを2年半再延期する閣議決定がなされると、日本の財政健全化への不信感が強まる場面もありました。加えて、英国の国民投票の結果、EUからの離脱が決定したことで、世界経済の先行き不透明感が高まりました。

新規上場の審査においては、近年、不適正開示件数が増加していることや、上場直後の業績下方修正や会計不祥事が頻発していることを受けて、上場申請期の業績の進捗や関連当事者等との取引の必然性等について、より慎重な判断が行われています。

市場別の新規上場会社数は、東証マザーズが6社減の25社となるも、約6割を占めました。他方で、地方大都市圏に本社を置く会社の上場も目立ったこともあり、東証本則市場ならびにジャスダックも堅調に推移しました。

また、新規上場会社の業種別では、上位3業種は、引き続き、サービス業、情報・通信業、小売業となり、約3分の2を占めました。なかでも、人材支援やBtoB向けのサービスが目立ちました。

最近5年間の市場別の新規上場会社数ならびに業種別分布については以下の通りとなっています。

 

最近5年間の市場別新規上場会社数(上半期比較)(単位:社)

  2012年
1~6月
2013年
1~6月
2014年
1~6月
2015年
1~6月
2016年
1~6月
前年同期比
増減
上半期IPO社数 17 20 26 43 40 -3
年間IPO社数 (46) (54) (77) (92) (-)  
東証1部 -
3 5 1 3 +2
東証2部 -
3 3 3 4 +1
マザーズ 7 8 10 31 25 -6
ジャスダック 9 6 7 7 7 ±0
名証2部 - - 1 - 1 +1
アンビシャス 1 - - 1 - -1

 

新規上場会社の業種別内訳(単位:社)

業種 社数 シェア 業種 社数 シェア
サービス業 13 32.5% 機械 1 2.5%
情報・通信業 10 25.0% 電気機器 1 2.5%
小売業 3 7.5% その他製品 1 2.5%
卸売業 3 7.5% 銀行業 1 2.5%
食料品 2 5.0% 証券、商品先物取引業 1 2.5%
建設業 1 2.5% その他金融業 1 2.5%
繊維製品 1 2.5% 不動産業 1 2.5%

 

2016年上半期に新規上場した会社のテーマとその事例としては、以下の点が挙げられます。

 

1. 国内の労働力不足を背景とするタレントマネジメント関連サービス

  • LITALICO(M)
    (就労支援事業、児童発達支援事業、学習教室および幼児教室の運営等)
  • アトラエ(M)
    (成功報酬型求人メディア「Green」、タレントマイニングサービス等の企画・運営)
  • キャリア(M)
    (シニア人材の活用コンサルティング・派遣・紹介および看護師や介護士の派遣・紹介)
  • グローバルグループ(M)
    (保育所等の運営を通じて次世代を担う子ども達を育成する子育て支援事業)

2. ニッチな領域におけるBtoBサービスの広がり

  • 農業総合研究所(M)
    (農家の直売所事業、農産物直売所で委託販売を行うためのプラットフォームの提供)
  • ホープ(M)
    (自治体向け財源確保支援サービス)
  • ストライク(M)
    (インターネットを活用した全国の中堅・中小企業を対象とするM&A仲介業務等)

3. 豊かな生活を演出(エンリッチ・ライフ)する内需関連の復調

  • ブラス(M)
    (完全貸切のゲストハウスにおける、挙式・披露宴に関する企画・運営等)
  • ウイルプラスホールディングス(JQ)
    (海外自動車8ブランドを展開する輸入車販売関連事業)
  • バリューゴルフ(M)
    (「1人予約ランド」のASPサービス、ゴルフ情報誌「月刊バリューゴルフ」の発行等)

4. 投資ファンド等によるEXIT(出口戦略)や資本上位会社を有する企業のIPO案件

  • コメダホールディングス(東1)〔※MBKパートナーズの投資ファンド【94.55%】〕
    (コメダ珈琲店チェーン等を運営およびそれに付帯又は関連する業務等)
  • ソラスト(東1)〔※カーライル・グループの投資ファンド【44.57%】〕
    (医療機関を対象とする医療関連受託事業、介護・保育事業等)
  • PR TIMES(M)〔※ベクトル【77.90%】〕
    (プレスリリース配信サイト「PR TIMES」の運営等)
  • 富士ソフトサービスビューロ(JQ)〔※富士ソフト【90.04%】〕
    (コールセンターおよび事務センター等のBPO事業)
    ※上場申請時の筆頭株主ならびに所有株式比率を記載しています。


(注)東1は東証一部、Mはマザーズを、JQはジャスダックを、事業内容は、上場時における中心となる事業を抜粋して記載しています。また、プロ投資家向け市場のTOKYO PRO Marketについては記載の対象外としています。

目次

  1. 新規上場会社の分析
  2. 新規上場時の初値状況について(2016/1月~6月)
  3. 主幹事証券会社状況(2016/1月~6月)
  4. 監査法人状況(2016/1月~6月)
  5. 地域別状況(2016/1月~6月)
  6. 上場までの会社設立後経過年数について(2016/1月~6月)

新規上場会社一覧(2016/1月~6月)

株式上場(IPO)に関するトピック解説

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