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IFRSオンライン基礎講座 公正価値測定

IFRSオンライン基礎講座 公正価値測定

IFRS第13号「公正価値測定」について音声解説付きスライドで分かりやすく解説します。

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公正価値とは?

IFRSでは、公正価値は、測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格、または、負債を移転するために支払うであろう価格であると定義されています。
公正価値は、さまざまな他の基準書に共通して用いられています。
例えば、一定の金融資産は、公正価値で事後測定することが求められます。
また、一定の資産について減損の兆候が存在する場合、回収可能価額として処分コスト控除後の公正価値を算定することが求められます。
さらに、初度適用企業は、一定の場合、IFRS移行日のみなし原価として公正価値を採用することが認められています。

公正価値の特徴

公正価値は、主に3つの特徴を有しています。
まず、公正価値は、市場参加者の視点から測定するものであって、企業の意図や能力等の企業固有の視点は反映されません。
また、公正価値は、出口価格であって、入口価格ではありません。ここで言う出口価格とは、例えば資産を売却するための価格のことであり、一方、入口価格とは、例えば資産を購入するための価格のことを言います。
さらに、公正価値は、秩序ある取引を前提として成立する価格であって、強制売買や投売りによって成立する価格ではありません。

公正価値の測定方法

公正価値は、評価技法を用いて測定します。
公正価値を測定するにあたっては、状況に適合し、十分なデータが利用可能な評価技法を選択する必要があります。
公正価値を測定するにあたっては、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチという、3つの評価技法が広く用いられています。
マーケット・アプローチとは、同一または類似の資産または負債の市場取引から生み出される価格と、その他の関連する情報を用いて評価する方法をいいます。
具体的には、同一資産の取引所の公表価格を用いて評価する方法や、類似企業の取引所の公表価格を参照して評価する類似企業比較法などが例として挙げられます。

インカム・アプローチとは、将来の金額を単一の現在価値に割り引いて評価する方法をいいます。
例えば、割引キャッシュ・フロー法やオプション価格算定モデルが、これに該当します。
コスト・アプローチとは、資産の用役能力を再調達するために現時点で必要となる金額を反映する方法をいいます。
これには、現在再調達原価法が該当します。

インプット

評価技法を適用するにあたっては、適切なインプットを選択する必要があります。

また、インプットの選択にあたっては、関連性のある観察可能なインプットの使用を最大限にし、観察可能でないインプットの使用を最小限にする必要があります。
観察可能なインプットとは、実際の事象または取引に関して公開されているような入手可能な市場データを基礎として設定されたインプットで、市場参加者が資産または負債の価格付けを行う際に用いるであろう仮定を反映するものを言います。
また、観察可能でないインプットとは、インプットのうち、市場データが入手可能ではないが、市場参加者が当該資産または負債の価格付けを行う際に用いるであろう仮定に関して、利用可能な最善の情報を用いて作成されるものを言います。

公正価値ヒエラルキーとは

IFRSでは、観察可能性に応じてインプットを3つのレベルに区分し、観察可能性の最も高いインプットから優先して評価技法に用いることを要求しています。
このように、インプットそれ自体や、それに基づき測定された公正価値を階層化する仕組みを「公正価値ヒエラルキー」と言います。

インプットのレベル区分(公正価値ヒエラルキー)

公正価値を測定するために用いる評価技法へのインプットは、3つのレベルに区分されます。
活発な市場における上場株式の相場価格などのように、企業が測定日現在でアクセスできる同一の資産または負債に関する、活発な市場における(無調整の)相場価格は、レベル1に区分されます。
活発な市場における類似の資産の相場価格などのように、資産または負債について、直接または間接に観察可能なインプットのうち、レベル1に含まれる相場価格以外のものは、レベル2に区分されます。
将来キャッシュ・フローについての、企業自身のデータを用いた見積りなどのように、資産または負債についての観察可能でないインプットは、レベル3に区分されます。

公正価値測定全体の公正価値ヒエラルキー区分

公正価値測定にあたって、その測定全体がどのレベルに区分されるかは、フローチャートによって判断することが可能です。

例えば、活発な市場での 同一項目の相場価格があり、その価格が調整されていない公正価値測定は、レベル1に区分されます。
レベル1に区分されなかった公正価値測定については、重要な観察不能なインプットが存在しない場合、レベル2に区分されます。
重要な観察不能なインプットが存在する場合、レベル3に区分されます。
なお、「価格が調整されているか」の箇所については、原則として価格調整は認められませんが、活発な市場における市場価格が測定日現在の公正価値を表していない場合等は、調整が認められています。

経常的な公正価値測定と非経常的な公正価値測定

IFRSでは、報告期間末時点の公正価値等について開示が求められますが、その内容は、財政状態計算書において経常的に行われる公正価値測定なのか、非経常的に行われる公正価値測定なのかによって異なります。
経常的な公正価値測定とは、例えばデリバティブ負債のように、各報告期間の末日時点で資産および負債が公正価値で測定されることを言います。
一方、非経常的な公正価値測定とは、例えば、売却不動産について、売却コスト控除後の公正価値と帳簿価額のいずれか低い方を選択する測定方法のように、特定の状況がトリガーとなる公正価値測定のことを言います。

公正価値測定についての開示

IFRSでは、公正価値測定について、報告期間末日時点の公正価値、公正価値ヒエラルキーのレベル、適用した評価技法などについて開示することが求められます。
開示する内容は、財政状態計算書において経常的に行われる公正価値測定なのか、非経常的に行われる公正価値測定なのか、あるいは、開示のみが公正価値で行われるものなのかによって、さらには、それらがどのヒエラルキーレベルに属するのかによって異なります。
例えば、「非経常的な公正価値測定」に該当し、かつ、その際利用される公正価値測定が、レベル1ヒエラルキーに属する場合、「報告期間末日時点の公正価値」「公正価値測定の理由」「ヒエラルキーのレベル」を開示する必要があります。

レベル3に区分される公正価値測定についての他の開示

公正価値ヒエラルキーの低いレベルのインプットを用いる公正価値測定には、主観性がより強く反映されることを踏まえ、多くの開示が要求されています。
そのため、全体としてレベル3に区分される公正価値測定については、他に、重大なインプットの定量的情報、期首残高から期末残高への調整表、感応度に関する説明などを追加して開示することが求められます。
ここで、感応度とは、観察不能なインプットが合理的に考えられる範囲で変動した場合に、算定された公正価値に与える影響のことをいいます。

開示項目の例

非上場株式を財政状態計算書で経常的に公正価値で測定している場合を例に、開示される項目について確認していきましょう。

非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法に基づいて算定されているとします。
この場合、公正価値、区分された公正価値ヒエラルキーのレベルの他に、適用した評価技法、インプットなどを開示します。
具体的には、評価技法として割引キャッシュ・フロー法を適用した旨、使用したインプットとして、加重平均資本コスト、長期収益成長率、長期税引前営業利益、非流動性ディスカウント、コントロール・プレミアムなどを開示します。
この公正価値測定は、全体として、レベル3に区分されることから、さらに、これらのインプットの定量的情報、期首残高から期末残高への調整表、感応度に関する説明などを開示します。

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