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国税庁 - 国際課税原則の見直し(AOA)及び移転価格税制に関する事務運営指針を公表

国税庁 - 国際課税原則の見直し(AOA)及び移転価格税制に関する事務運営指針を公表

国税庁は7月5日、国際課税原則の見直し(AOA)に関する事務運営指針及び移転価格税制に関する事務運営指針の改正を公表しました。

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1. 国際課税原則の見直し(AOA)に関する事務運営指針

2016年4月1日以後に開始する事業年度より、法人に係る国際課税原則について、以下の見直しが行われることになりました。

  • 外国法人の課税原則について、従来の「総合主義」に代わり、「帰属主義」が採用されることになりました。
  • 外国法人の恒久的施設帰属所得(日本支店等に帰属する所得)の算定方法に、OECD承認アプローチ(Authorised OECD Approach: AOA)が導入されることになりました。

AOAの導入により、(1)恒久的施設の果たす機能及び事実関係に基づいて、外部取引、資産、リスク、資本を恒久的施設に帰属させ、(2)内部取引を認識するとともに、(3)内部取引が独立企業間価格で行われたものとして、恒久的施設帰属所得が算定されることになります。

  • 内国法人の外国税額控除額の計算において、国外事業所等帰属所得(外国支店等に帰属する所得)が国外源泉所得を構成する1項目とされ、その算定方法にAOAが導入されることになりました。

これらの改正を受けて、7月5日、6月28日付で発遣された「恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領」の制定について(事務運営指針)が、国税庁より公表されました。

新しい国際課税原則を適正に執行するため、以下の項目に関する事務運営の指針が整備されました。

A. 外国法人

  • 恒久的施設帰属所得に関する項目(第2章)
    (機能及び事実の分析、恒久的施設に帰せられるリスク・無形資産・金融資産、内部取引の特定等)
  • 恒久的施設帰属資本相当額に関する項目(第3章)
    (外国保険会社等、外国銀行及び金融商品取引業者である外国法人に係るもの)
  • 国別報告事項等及び外国法人の内部取引に係る独立企業間価格の算定(第4章)
  • 恒久的施設帰属所得に係る所得の金額に関する事前確認(第6章)

B. 内国法人

  • 国外事業所等帰属所得に関する項目(第2章を準用)
  • 国外事業所等帰属資本相当額に関する項目(第5章)
    (保険会社・銀行・金融商品取引業者である内国法人に係るもの)
  • 国別報告事項等及び内国法人の内部取引に係る独立企業間価格の算定(第4章を準用)
  • 国外事業所等帰属所得に係る所得の金額に関する事前確認(第7章)

なお、「連結法人の国外事業所等帰属所得に係る連結所得に関する調査等に係る事務運営要領」の制定について(事務運営指針)も、同様に発遣されています。

2. 移転価格税制に関する事務運営指針

経済協力開発機構(OECD)の税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクトにおけるAction 13「多国籍企業情報の文書化」の最終報告書を踏まえ、2016年度税制改正では、移転価格税制に係る文書化制度について以下の見直しが行われました。

  • 特定多国籍企業グループ(連結総収入金額が1,000億円以上である多国籍企業グループ)に対して、国別報告書、マスターファイル及びローカルファイルにより構成される三層構造アプローチが適用されることになりました。
  • ローカルファイルが原則として同時文書化の対象とされたほか、その記載項目及び推定規定・同業者に対する質問検査規定が整備されました。(特定多国籍企業グループに属さない法人であっても、国外関連取引を行う法人であれば、この改正は適用されます。)

これを受けて、7月5日、6月28日付で「移転価格事務運営要領」の一部改正について(事務運営指針)が国税庁より公表されました。「移転価格事務運営要領」の主な改正点は以下のとおりです。

  • 新たに「第2章国別報告事項、事業概況報告事項及びローカルファイル」が設けられました。「2-1(国別報告事項の適切な使用)」では、“国別報告書は、課税上の問題の把握及び統計のために使用し、国別報告書のみに基づいて、独立企業間価格の算定を当局が行うことはできないこと”が明示されました。
  • 「第3章調査」(第2章より繰下げ)の推定規定・同業者に対する質問検査規定に関する項目が見直されました。
  • 「第6章事前確認」(第5章より繰下げ)の「6-3(資料の添付)」に定められている、事前確認申出書に添付すべき資料の内容が見直されました。

この「移転価格事務運営要領」の改正に伴い、「別冊移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」も改正されています。

なお、「連結法人に係る移転価格事務運営要領」及び「別冊連結法人に係る移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」についても、同様の改正が行われています(「連結法人に係る移転価格事務運営要領」の一部改正について(事務運営指針))。

KPMG Japan e-Tax News No.112 掲載

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