アジア地域ファンド・パスポートへの日本の参加と資産運用ビジネスへの影響 | KPMG | JP

アジア地域ファンド・パスポートへの日本の参加と資産運用ビジネスへの影響

アジア地域ファンド・パスポートへの日本の参加と資産運用ビジネスへの影響

2016年4月28日、日本は、オーストラリア、韓国、ニュージーランドとともにアジア地域ファンド・パスポート(ARFP)の協力覚書に署名しました。協力覚書への署名は2016年6月30日まで受付けられ、その後2017年末までに署名国は国内における所要の制度整備を図り、導入を終えた国からARFPが開始されることになります。

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ARFPとは、この枠組みに参加するいずれかの国において一定の要件を満たすパスポート・ファンドとして承認・登録を受けたファンドは、他のパスポート参加国で改めて複雑な承認手続きを経ることなく当該パスポート参加国のリテール投資家への販売を可能とする仕組みです。
ARFPには、日本の現行制度にはない規定がいくつか含まれており、実際に日本の資産運用会社がパスポート・ファンドを輸出するためには、いくつもの課題を克服する必要があります。しかしながら、日本のARFPへの参加表明以降、国内の関係者によるパスポート制度の活用に向けた議論は活発化し、課題の解決策模索を通じて、国内の資産運用市場が国際化していく兆しが見えます。
国内の資産運用会社は、ARFPだけでなく、こうした国内市場の変化についても的確に捉えて、戦略的に対応していくことが求められます。

なお、本稿の内容は執筆時(2016年6月15日)における情報に基づいています。

ポイント

  • 日本は、アジア地域ファンド・パスポート(ARFP)に係る協力覚書に署名したことから、2017年末までに所要の制度整備が図られ、ARFPを実際に活用することが可能になる。ただし、ARFPの規定には日本の現行制度にはないいくつかの規定があり、実際の活用に向けては、会社レベルおよび業界レベルでの課題克服を進める必要がある。
  • ARFP参加という事実を背景とした議論が重ねられる中、閉ざされた国内市場を国際的な視点で見直す機会となって当初の消極的な反応が大きく変化し、所要の変革を実行することを前提とした活発な議論を呼び起こしつつあるなど、関係者の意識にも変化が見られる。
  • 国内の資産運用会社はARFPへの対応だけでなく、国内資産運用市場のこうした変化についても戦略的に対応していく必要がある。

内容

  1. アジア地域ファンド・パスポートの概要
    1. 協力覚書の概要
    2. Joint Committeeの設置
    3. 協力覚書と各国規制の範囲
    4. 他のパスポート構想
  2. 課題となる主なARFP規則
    1. ビジネス主拠点
    2. 母国公募
    3. 独立監視機関
    4. 年次実施状況評価
    5. 運用制限規定
  3. 国内における影響

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
金融事業部
シニアマネジャー 保木 健次

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