Frontiers in Finance

FRBのボルカー元議長は、金融業界の歴史の中で「金融イノベーションといえるのは、ATMだけだ。」と喝破しました。それは、2008年のグローバル金融危機後のことだったと記憶しています。

10年以上が経過し、金融業界は新たな競争環境に身を置くようになりました。その新しい競争環境を勝ち抜くための最も重要なキーワードが、「デジタル」です。

従前の金融業界は、顧客満足度をどこかに置き忘れ、自分たちの流儀に顧客行動を合わせてもらうことを習い性としていたのかも知れません。例えば、「システムとは銀行そのものである」と唱え、顧客ニーズよりも自行の業務プロセスの都合を優先していた可能性はないでしょうか。

金融危機を経て、金融サービスの新たな提供者としてディスラプターと呼ばれるフィンテック企業が参入してくることになりました。彼らは、顧客目線からは不合理と考えられたり、コストがベネフィットと比較して高いと思われる金融サービス分野に続々と参入してきました。手数料が安くて処理が早い海外送金サービス、タイムリーで各顧客のプロファイルに合わせた資産運用アドバイスサービス、データ活用と顧客ニーズを組み合わせた保険料の算定と新しい保険サービスなどです。

これらに共通することは、システム的に対応できない、対応すると利益にネガティブインパクトがあるなどの理由で、既存の金融機関が敬遠してきたであろう分野だということです。

繰り返しますが、競争環境はデジタルによって大きく変わりました。

KPMGは変化を的確に掴み、変化への対応策とともにその情報をクライアントに提供していくことを自らに課された使命であると考えています。今回ご紹介する “Frontiers in Finance” は、新しい未来を切り開く皆様が進む道を明るく照らすものであると確信しています。

 

Frontiers in finance （英語）

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