
IASB Board Meeting Flash - 2013年に公表した公開草案「保険契約」(ED/2013/7)に関するIASB会議の概要が記載されています。
IASBは2016年1月に、2013年に公表した公開草案「保険契約」(ED/2013/7)について、以下の論点の審議を行いました。
2014年5月の会議においてIASBは、CSMの残高について、保険契約により提供されるサービスの移転を最も適切に反映する規則的な方法で、残存カバー期間にわたって当期純利益に認識しなければならないと決定しました。2016年1月の会議では、CSMの当期純利益への配分について、企業が保険契約をグループ化する場合にどのようにこの原則を適用するかに関するガイダンスを検討しました。
IASBは2016年1月の会議期間中に2度にわたり本論点を審議し、IASBスタッフはIASBの1度目の議論を受けて提案を以下の通り修正しました。
IASBは、IASBスタッフの提案に同意しました。
一部の国や地域では、規制により保険料率が影響を受けるため、市場関係者の中には集約のレベルの決定における例外を設けるべきであると提案する者がいました。
IASBスタッフは、たとえ規制要因であったとしても、収益性の差は実際の経済性を反映したものであり、また、例外を設けることで保険契約に関する基準書の複雑性が増すことを懸念し、以下を提案しました。
IASBは、IASBスタッフの提案に同意しました。
2015年11月の会議においてIASBは、有配当契約を保険契約の一般的な測定モデル(ビルディング・ブロック・アプローチ、BBA)で測定する場合に、CSMの調整として認識する裁量によるキャッシュフローの変動を特定する方法について審議しました。この時、IASBスタッフは、BBAに基づいてCSMの調整として認識されるのは、(金利変動により相殺される部分を除く)裁量により変動すると予想されるキャッシュフローの変動でなければならないと提案しました。IASBは、裁量により変動するキャッシュフローを他のキャッシュフローとは区別するという取扱いについては原則として同意したものの、区別する方法については決定に至らず、IASBスタッフに対して追加の調査を指示していました。
2016年1月の会議では、市場変数の変動と裁量による変動の影響を区別するアプローチについて検討が行われ、IASBは以下の事項を決定しました。
IASBは、予定していた技術的な再審議を完了しました。2016年2月の会議において、新しい保険契約に関する基準書の投票作業に着手することの可否について審議する予定です。
新しい保険契約に関する基準書が2016年末ごろ完成するとすれば、その適用日は2020年または2021年1月になると予想されます。