ASBJ、企業会計基準適用指針公開草案 「税効果会計に適用する税率に関する 適用指針(案)」を公表 | KPMG | JP

ASBJ、企業会計基準適用指針公開草案 「税効果会計に適用する税率に関する 適用指針(案)」を公表

ASBJ、企業会計基準適用指針公開草案 「税効果会計に適用する税率に関する 適用指針(案)」を公表

会計・監査ニュースフラッシュ - 企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という)は、平成27年12月10日、企業会計基準適用指針公開草案第55号「税効果会計に適用する税率に関する適用指針(案)」(以下「本公開草案」という)を公表した(コメント期限:平成28年2月10日)。

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ASBJでは、平成27年5月に企業会計基準適用指針公開草案第54号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」(以下「回収可能性適用指針案」という)を公表後、日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針のうち回収可能性適用指針案に含まれないものについて、ASBJに移管するための審議を行っている。

このうち、税効果会計に適用する税率の取扱いについては、実務上の課題があるため、他に先行して適用指針の開発が行われた。

ポイント

本公開草案では、税効果会計に適用する税率について、以下の提案がなされている。

  • 法人税、地方法人税及び地方法人特別税に関する税率
    決算日において国会で成立している税法(法人税、地方法人税及び地方法人特別税の税率が規定されているもの)に規定されている税率
  • 住民税(法人税割)及び事業税(所得割)に関する税率
    決算日において国会で成立している税法(住民税等の税率が規定されているもの(以下「地方税法等」という))に基づく税率(※)
    ※決算日において国会で成立している地方税法等に基づく税率

1)当事業年度において地方税法等を改正するための法律が成立していない場合(地方税法等を改正するための法案が国会に提出されていない場合を含む)

決算日において国会で成立している地方税法等を受けた条例に規定されている税率(標準税率※1又は超過課税による税率※2)

2)当事業年度において地方税法等を改正するための法律が成立している場合

1.改正された地方税法等(以下「改正地方税法等」という)を受けて改正された条例(以下「改正条例」という)が決算日以前に各地方公共団体の議会等で成立している場合

決算日において成立している条例に規定されている税率(標準税率又は超過課税による税率)

2.改正地方税法等を受けた改正条例が決算日以前に各地方公共団体の議会等で成立していない場合

決算日において成立している条例に標準税率で課税することが規定されているとき

・改正地方税法等に規定されている標準税率

決算日において成立している条例に超過課税による税率で課税することが規定されているとき

・改正地方税法等に規定されている標準税率に、決算日において成立している条例に規定されている超過課税による税率が改正直前の地方税法等の標準税率を超える差分を考慮する税率

※1 地方公共団体が課税する場合に地方税法で通常よるべきとされている税率。
※2 標準税率を超える税率で、地方公共団体が課税することが地方税法で認められているもの。

公開草案の概要

1.繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税率

1)法人税、地方法人税及び地方法人特別税に関する税率
現状の取扱い

税効果会計に係る会計基準(以下「税効果会計基準」という)及び同注解では、「繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払が行われると見込まれる期の税率に基づいて計算するものとする」(税効果会計基準 第二 二 2)と定められており、当該税率の変更があった場合の取扱いについては、「法人税等について税率の変更があった場合には、過年度に計上された繰延税金資産及び繰延税金負債を新たな税率に基づき再計算するものとする」(税効果会計基準 注解(注6))とされている。
また、この具体的な取扱いとして、個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針(以下「個別税効果実務指針」という)第18項においては、「税効果会計上で適用する税率は決算日現在における税法規定に基づく税率による。したがって、改正税法が当該決算日までに公布されており、将来の適用税率が確定している場合は改正後の税率を適用する」と記載されている。すなわち、現行の税効果会計に適
用する税率は、決算日において公布されている税法に規定されている税率によることとされている。

現状の取扱いに対する課題
公布日を基準とする取扱いについては、以下が課題として認識されている。

  • 3月末日を決算日とする企業において、当事業年度に税法を改正するための法律が決算日前までに国会で成立していても、官報による公布が決算日間際までなされないことが多く、決算手続や業績予測等の実務的な対応に困難を伴う。
  • 決算日以前に税法を改正するための法律が国会で成立していても、公布が決算日以前になされていない場合、改正直前の税率により計算される繰延税金資産及び繰延税金負債の額は有用な情報とはいえない。

公開草案における提案
本公開草案では、実務を安定的に行うことができるようにする観点から、法人税、地方法人税及び地方法人特別税について、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税率は、決算日において公布されている法人税法等に規定されている税率に代えて、決算日において国会で成立している法人税法等に規定されている税率によることが提案されている。

2)住民税等に関する税率
現状の取扱いに対する課題

住民税等の税率は、国会で成立した改正地方税法等に規定された標準税率及び制限税率※3を基に、法人に適用する税率、すなわち住民税等の標準税率又は超過課税による税率を規定した改正条例が地方公共団体の議会等で成立することにより変更される。
住民税等の税率については、当事業年度において地方税法等を改正するための法律が決算日以前に成立し、かつ、当該法律を含む改正地方税法等を受けた改正条例が当該決算日以前に各地方公共団体の議会等で成立していない場合の取扱いが明確化されていない。

公開草案における提案

  • 決算日以前に改正地方税法等が国会で成立し、当該改正地方税法等を受けた改正条例が、当該決算日以前に各地方公共団体の議会等で成立している場合
    当該決算日において各地方公共団体の議会等で成立している条例に規定されている税率(標準税率又は超過課税による税率)による。
  • 決算日以前に改正地方税法等が国会で成立し、かつ、当該改正地方税法等を受けた改正条例が、当該決算日以前に各地方公共団体の議会等で成立していない場合
    決算日において成立している条例に規定されている税率(標準税率又は超過課税による税率)では、地方税法等が改正されているにもかかわらず、改正直前の地方税法等に規定されていた標準税率及び制限税率に基づいて決定された税率を用いることになり、税制改正の内容の一部しか繰延税金資産又は繰延税金負債の額に反映されず、結果として税制改正の趣旨が反映されない可能性がある。
    したがって、以下の取扱いが提案されている。

決算日において成立している条例に標準税率で課税することが規定されている場合
税制改正の趣旨を反映させる観点から、改正地方税法等に規定されている標準税率による。

決算日において成立している条例に超過課税による税率で課税することが規定されている場合
従来から行われている実務を踏まえ、改正地方税法等に規定されている標準税率に、当該決算日において成立している条例に規定されている超過課税による税率が改正直前の地方税法等の標準税率を超える差分を考慮する税率(※)による。
※差分を考慮する税率を算定するにあたっては、原則として、次のいずれかの方法による。

  • 改正地方税法等に規定されている標準税率に、決算日において成立している条例に規定されている超過課税による税率が改正直前の地方税法等の標準税率を超える数値を加えて算定する。なお、この結果として得られた税率が、改正地方税法等に規定されている制限税率を超える場合は、当該制限税率とする。
  • 改正地方税法等に規定されている標準税率に、決算日において成立している条例に規定されている超過課税による税率における改正直前の地方税法等の標準税率に対する割合を乗じて算定する。なお、この結果として得られた税率が、改正地方税法等に規定されている制限税率を超える場合は、当該制限税率とする。

3)決算日後に税率が変更された場合の取扱い
税効果会計基準では、「決算日後に税率の変更があった場合には、その内容及びその影響」を注記する(税効果会計基準 第四 4)とされており、決算日後に税率が変更された場合、当該変更された税率により計算した繰延税金資産及び繰延税金負債の額を当該決算日における財務諸表に反映しないこととされている。
本公開草案では、決算日後に当該税率の変更を伴う法律又は条例が成立した場合には、その内容及び影響を注記することとし、繰延税金資産及び繰延税金負債の額は見直さないとする現行の取扱いを踏襲することが提案されている。

※3 地方公共団体が超過課税による税率で課税する場合においても超えることのできない税率で、地方税法に規定されているもの。

2.適用時期(予定)

平成28年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用する。

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