IAISがHLAの最終文書を公表 | KPMG | JP

IAISがHLAの最終文書を公表

IAISがHLAの最終文書を公表

2015年10月5日、保険監督者国際機構(IAIS)は、グローバルにシステム上重要な保険会社(G-SIIs)に対するより高い損失吸収(HLA)要件の当初の開発を終了したと発表しました。また、HLAは金融安定理事会(FSB)によって承認されました。

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HLAは、2013年7月にIAISが公表したG-SIIsに適用される3つの政策措置の1つであり、G-SIIsの破綻の可能性やその金融システムに対する影響を軽減することを第一の目的としています。HLAは2019年1月より適用されます。

HLA要件の基礎として、IAISは2014年10月にG-SIIsの全てのグループ活動(非保険活動を含む)に適用するBCRを開発しました。2019年からG-SIIsはBCR+HLA以上の資本を保持することが求められます。

BCR+HLA比率

BCR+HLA比率は以下の算式で計算されます。
BCR+HLA比率=(BCR及びHLAに対する適格資本量)/(BCR2015+HLA)

BCRとHLAの構成要素

BCRとHLAの総必要資本は、6つの要素の合計として求められます。この要素とは、2014年に承認されたBCR(BCR2014)、BCR2014に対するUplift(BCRUplift)及びHLAであり、それぞれ保険業務と非保険業務に分けられることから6つの要素が存在することになります。

BCRとBCRUplift

BCRUpliftは2015年6月25日のパブリック・コンサルテーションで追加されたもので、将来的にHLAの基礎がICSに置き換わることを見据えて、そのギャップを調整するためBCRを所定の資本要件(PCR)と同水準まで引き上げることを目的として追加されたものです。

Upliftの水準はパブリック・コンサルテーションで示されたBCR2014の33%が、規制対象の銀行業務以外の全ての保険・非保険業務に適用されます。Upliftは2016年から11%ずつ段階的に適用され、最終文書ではBCR2015=BCR2014+BCRUpliftとされています。

HLA

HLAはBCRと同様にファクターベースで計算され、BCR2015の各要素(例:伝統的生命保険(TLBCR 2015)、伝統的損害保険(TNLBCR 2015)、非伝統的保険(NTBCR 2015)等)に所定のファクターを乗じることで計算されます。また、システム上のリスク感応度を反映するため、バケッティング・アプローチを採用しています。

バケッティング・アプローチではG-SIIsをシステム上の重要性に応じてLow、Mid、Highのバケットに割り当て、Low→Mid→Highと一段階高いバケットになるにつれ、50%高いファクターが適用されます。

例:TLBCR 2015の場合のファクター:Low 6%、Mid 9%、High 13.5%

当初Highのバケットに該当するG-SIIsは無く、これによりG-SIIsがシステム上の重要性を上げることの阻害要因となることが期待されています。

適格資本量

適格資本量は全ての金融業務及び主要な非金融業務を含む連結グループベースで計算され、コア資本と追加資本の2つに区分されます。なお、追加資本はBCR2015の50%が限度とされています。

報告と改善

2016年からHLAはグループの監督当局に非公開で報告され、HLAの改善のためIAISに共有されます。IAISはHLAとBCRのキャリブレーション(較正)を毎年レビューし、改善を進める予定です。また、G-SIIsの評価手法と非伝統的・非保険事業の定義に関するパブリック・コンサルテーションが2015年後半に予定されており、これらの変更の影響がHLAに反映される見込みです。

今後の課題・検討事項

HLAと保険資本基準(ICS)は今後数年間にわたり開発・改善が続きますが、次のような課題・や検討事項があると考えられます。

  • ソルベンシー要件や資本要件の報告の重複を減らすため、各国/地域のグループ資本要件との関係を検討する必要がある。
  • 提案されたHLAの計算手法が、その簡便さゆえに適切にリスク感応度を反映したものであるか不明確である。
  • HLAのカリブレーション(較正)やソルベンシーの目標水準が不明確であり、国/地域の資本要件と一致させることは難しい可能性がある。
  • 資本要件の計算に用いるG-SIIの評価スコアは、リスクの絶対評価ではなく保険会社間のシステミックリスクの相対評価であり、その評価の適切性について検討を要する。
  • 地域マーケットでの競争上の観点から、G-SIIsは過度にハンデを負わされるべきではない。
  • HLAの資本チャージのボラティリティの大きさ。

今後のタイムライン

時期 マイルストーン
2015年11月
  • IAIS総会にて公式にHLAを採択
  • G20によるHLAの承認
2016年半ば
  • ICSとComFrameの2ndコンサルテーション
2017年半ば
  • 非公開の報告のためICS Version 1.0の承認
2018年半ば
  • ICS Version 2.0とComFrameのコンサルテーション
2019年IAIS総会
  • ICS Version 2.0を含むComFrameの採択
2019年以降
  • ICSを含むComFrameの導入開始
  • ICSの完成後、HLAは見直され、HLAの基礎がICSへ変更

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