内閣が移転価格税制に関する法案を承認 | KPMG | JP

内閣が移転価格税制に関する法案を承認

内閣が移転価格税制に関する法案を承認

2015年5月7日、移転価格税制(Transfer Pricing)に関する法案が閣議承認されました。本法案は今後、国会での承認を経て法令化されることになります。

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本ニューズレターではその法案の骨子について説明します。

移転価格税制とは、グループ関連会社との取引を通じた所得の移転、課税回避を防止する税制であり、グループ関連会社との資産の譲渡、役務提供その他の取引を行う場合、その取引を独立企業間価格で行うことを求めるものです。
タイで移転価格税制が導入されたのは、2002年に歳入局通達(No. Paw 113)が公表されたとき考えられていますが、この通達は法律ではなく、歳入局内における運営指針という位置づけであるため、今回初めて移転価格税制が歳入法として法令化されることになる見込みです。

1. 法案の骨子

法案の骨子は次のとおりです。

  • 税務当局は、独立企業間価格とは異なる価格で関連会社(直接または間接的に持株関係、実質支配関係を有する会社)との取引を行っている会社に対し、その取引価格の修正を行う権限を有する。
  • 税務調査を受けている会社に過払税金または源泉徴収税過納額がある場合、その会社の還付請求を行う権利を有し、その請求期限は、税務調査の通知された日から60日以内、あるいは対象事業年度の法人税確定申告書提出期限から3年以内である。
  • 当移転価格税制が適用される会社は、関連会社取引について以下の内容を記載した文書を事業年度末日から150日以内に歳入局に提出しなければならない。
    • 関連会社の直接的または間接的な持株関係、支配関係に関する情報
    • 関連会社取引価格における収益と費用の算定方法

上記期限内の提出を怠った場合、40万バーツ以下の罰金が課せられる。

2. KPMGのコメント

上記のとおり、現在首相府より公表されている情報は概要にとどまっており、適用開始時期、適用対象会社の範囲、関連会社の定義等、明らかにされていない点が多く、提出義務となる文書についてもどこまで詳細な情報の提供が求められているのか現時点では不明です。法案の詳細については今後の国会での決議を待つ必要があるものと思われます。

移転価格に関する税務調査の追徴課税リスクは、年々高まっている傾向であり、本法案の施行はその傾向にさらに拍車をかけることになると思われます。今までは一部の会社を除き、親会社からの指示があった場合や税務調査で問い合わせを受け、はじめて移転価格の対応をすることが多かったと思われます。
本法案が施行された場合、ほとんどの日系企業が毎年の法人税申告の都度、税務当局に移転価格に関する情報を提供する必要があります。

したがって、親会社等の関連会社との取引(購入・販売・ロイヤルティやマネジメントフィーの支払等)がある会社については、関連会社取引に関する価格設定ポリシーとリスクの整理や見直し、税務調査が実現した場合の対応策の検討等の準備を開始することをお奨めします。

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