IAISがHLAのコンサルテーション・ペーパーを公表

IAISがHLAのコンサルテーション・ペーパーを公表

2015年6月25日、保険監督者国際機構(IAIS)は、グローバルにシステム上重要な保険会社(G-SIIs)に対するより高い損失吸収(HLA)要件に関するコンサルテーション・ペーパーを公表しました。

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意見募集の締切は2015年8月21日となっています。

HLAは、2013年7月にIAISが公表したG-SIIsに適用される3つの政策措置の1つであり、BCRと同様にG-SIIsの全ての活動を対象とした連結グループベースの資本要件です。HLAは、2015年11月のG20で承認された後、2019年より適用されます。

HLAの基礎を成すものとして、IAISは2014年10月に基礎的資本要件(BCR)を開発しており、2019年からG-SIIsはBCR+HLA以上の資本を保持することが求められます。また、並行して開発が進められているリスクベースでグローバルな保険資本基準(ICS)の開発後は、HLAの基礎はICSへ変更されることとされています。

HLAの構成要素とUplift

HLAは、保険業務に対するHLA(HLA Insurance)と非保険業務に対するHLA(HLA Non Insurance; HLA NI)に区分されます。これは、HLAに既存の非保険セクターにおける資本規制を反映させる可能性があるためです。また、既に開発済のBCRも同様に保険業務に対するBCR(BCR Insurance)と非保険業務に対するBCR(BCR Non Insurance; BCR NI)に区分されます。

今回のコンサルテーション・ペーパーでは新たに、Upliftと呼ばれる資本要件が追加されています。これは将来的にHLAの基礎がBCRからICSに置き換わることを見据えて、そのギャップを調整するためにBCRをPCR(監督機関の介入レベルとしての規定資本要件; Prescribed Capital Requirement)の水準まで引き上げることを目的として追加されるもので、BCR+Uplift(Uplifted BCR)が新たなBCRの水準となります。Upliftも同様に保険業務に対するUplift(Uplift Insurance)と非保険業務に対するUplift(Uplift Non Insurance; Uplift NI)に区分されます。

Upliftの水準は、BCRの33%という水準が示されています。これは2014年のBCRのフィールドテストにおいてG-SIIs各社の現行のPCRがBCRの133%の水準であったことに由来していますが、今後のフィールドテスト等を通じて見直される見込みです。

HLAの水準は、G-SIIsの平均でBCR+Upliftの20%以内となる見込みです。HLAは、ファクターベース(エクスポージャ×ファクター)で計算されますが、リスク感応度、堅固性、簡明さのバランスを保つように構成されます。今回のコンサルテーション・ペーパーでは、次の3点が主な検討事項として示されています。

  • バケッティング(Bucketing)(注1)
  • 計算に使用するエクスポージャの選択
  • 結果のキャリブレーション(較正)

(注1)G-SIIsをシステミックリスクの程度に応じて複数のバケット(Bucket)に区分し、そのBucket毎に適用される係数を変えることが提案されており、コンサルテーション・ペーパーでは2つまたは3つのバケットに区分することが提案されています。

HLAの計算方法

HLAは以下の算式で計算することが提案されています。

HLA=HLA Insurance+HLA NI
HLA Insurance=スケールファクター×βi×{(1-γ)×Uplifted BCR+γ×Uplifted BCR NT }
HLA NI=スケールファクター×βi×γ×Uplifted BCR NI(注2)

(注2)銀行規制におけるHLAが限度となります。
上記の算式で使用される、各要素は以下のとおりです。
スケールファクター:γの選択によるHLAの増減を防ぐ調整係数で、以下で計算されます。

スケールファクター=Uplifted BCR/(所定のγで計算した{ }+γ×Uplifted BCR NI)

βi:バケットに応じたファクター
γ:非伝統的保険業務への寄与度を表すファクター
Uplifted BCR NT:非伝統的保険業務に対するUplifted BCR

HLA開発のタイムライン

時期 マイルストーン
2015年6月25日
  • HLAのコンサルテーションの公表
2015年7月
  • HLAの開発に係るフィールドテストのデータ提出締切
2015年8月21日
  • HLAのコンサルテーションの締切
2015年10月まで
  • 可能な範囲で2015年のフィールドテストによるインプットを分析
  • HLAのコンサルテーションへの意見のレビューと分析
  • IAIS内部でのHLAの完成と承認
  • FSBによるHLAのレビューと承認
  • G20への提出
2015年11月
  • G20によるHLAの承認
2016年~2018年
  • 2016年よりHLAの非公表の報告を開始(BCRも同様に2015年より開始されている)
  • BCRとHLAの継続的な修正
  • 2016年~2018年に実施するICSを含むComFrameのフィールドテストを通じたデータ収集
2019年1月より
  • 2017年11月に指定された全てのG-SIIsに対し、BCRとHLAを適用開始(G-SIIsは毎年更新される)
2019年後半
  • IAISがICSを含むComFrameを採択
2019年以降
  • ICSを含むComFrameの導入開始
  • ICSの完成後、HLAは見直され、HLAの基礎がICSへ変更

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