国外転出時課税制度(出国税)(Exit Tax)

国外転出時課税制度(出国税)(Exit Tax)

個人が含み益を有する株式等を保有したまま国外に転出し、キャピタルゲイン非課税国(たとえば、シンガポールや香港等)において売却することにより、キャピタルゲインに対する課税を回避することを防止する観点から、2015年度税制改正において国外転出時課税制度(いわゆる出国税)が創設された。

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国外転出時課税制度の概要

国外転出時課税制度とは、国外転出をする一定の居住者が1億円以上の有価証券等を所有等している場合において、その国外転出の時に有価証券等の譲渡等があったものとみなして、含み益に所得税が課税される制度である。

1.適用対象者

国外転出をする居住者で以下のいずれにも該当する者

1)国外転出時に所有等している対象資産の価額等の合計額が1億円以上であること。

2)国外転出の日前10年以内に、国内に住所又は居所を有していた期間※1の合計が5年超であること。

※1 出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格(技術・人文知識・国際業務、企業内転勤など)により在留していた期間は、国内に住所又は居所を有していた期間から除かれる。また、2015年6月30日までに同法別表第二の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、定住者など)により在留していた期間についても、国内に住所又は居所を有していた期間から除かれる。
なお、国内に住所又は居所を有していない場合であっても、下記3.の納税猶予制度の適用を受けている期間については、国内に住所又は居所を有していた期間に含まれる。

2.対象資産

  • 所得税法に規定する有価証券※2、匿名組合契約の出資の持分
  • 未決済のデリバティブ取引・信用取引・発行日取引

※2 一定の新株予約権等で国内源泉所得を生ずべきものは除かれる。

3.納税猶予制度

国外転出時課税制度の適用を受けた者は、以下のすべての要件を満たす場合に限り、5年(申請により10年)の納税猶予が認められる。

  • 国外転出の日の属する年分の確定申告書に納税猶予を受けようとする旨の記載があり、納税猶予分の所得税額の計算に関する明細等の添付があること。
  • その年分の所得税の確定申告期限までに納税猶予分の所得税額に相当する担保を提供すること。
  • 国外転出時までに納税管理人の届出をすること。

4.減額措置等

国外転出時課税制度には、たとえば以下の減額措置等が設けられている。

1)課税の取消し
国外転出時課税制度の適用を受けた者が、国外転出の日から5年以内(10年間の納税猶予の適用を受けている場合には、10年以内)に帰国等した場合には、帰国等の日から4ヵ月以内に更正の請求をすることにより、帰国等の時まで引き続き有している対象資産に係る課税を取り消すことができる。

2)所得税額の減額
納税猶予制度の適用を受けている者が、以下の場合に該当するときは、それぞれ以下の場合に該当することとなった日から4ヵ月以内に更正の請求をすることにより、所得税額を減額することができる。

  • 納税猶予期限までに対象資産を譲渡等した場合において、譲渡価額等が国外転出時の価額等を下回るとき。
  • 納税猶予期限が到来した場合において、期限到来日における対象資産の価額等が国外転出時の価額等を下回るとき。

5.贈与等により非居住者に対象資産が移転した場合

国外転出時課税制度は、贈与等(贈与、相続又は遺贈)により非居住者に対象資産が移転した場合にも適用される。

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