IASB、公開草案「制度改訂、縮小または清算が生じた場合の再測定/確定給付制度からの返還の利用可能性(IAS第19号及びIFRIC解釈指針第14号の改訂案)」を公表

IASB、公開草案「制度改訂、縮小または清算が生じた場合の再測定/確定給付制度からの返還の利用可能性」を公表

IFRSニュースフラッシュ - IASBは2015年6月18日、公開草案「制度改訂、縮小または清算が生じた場合の再測定/確定給付制度からの返還の利用可能性(IAS第19号及びIFRIC解釈指針第14号の改訂案)」を公表しました。本公開草案に対するコメント期限は2015年10月19日です。

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国際会計基準審議会(IASB)は2015年6月18日、公開草案(ED/2015/5)「制度改訂、縮小または清算が生じた場合の再測定/確定給付制度からの返還の利用可能性(IAS第19号及びIFRIC解釈指針第14号の改訂案)」を公表した。

本公開草案は、報告期間の途中で制度改訂、縮小または清算が生じ、再測定を行った場合の会計処理及び特定の場合における確定給付制度からの返還の利用可能性の判断について提案している。

本公開草案に対するコメント期限は、2015年10月19日である。

制度改訂、縮小または清算が生じた場合の再測定

提案の背景

現行のIAS第19号は、制度改訂、縮小または清算が生じた場合、その時点における制度資産の公正価値及び数理計算上の仮定に基づいて確定給付負債(資産)の純額を再測定した後に、過去勤務費用または清算損益を算定することを求めている(IAS第19号第99項)。IAS第19号が2011年に改訂された際、報告期間の途中で再測定を行った場合に、年次報告期間の残りの期間における会計処理を行うにあたり、数理計算上の仮定を更新すべきではない(期首のものを継続して使用する)ことを示唆する記載がなされた(IAS第19号第123項及びBC64項)。IASBは、この点について検討することを要請された。

IASBは検討の結果、制度改訂、縮小または清算が生じる前の数理計算上の仮定に基づいて、それらの事象が生じた後の年次報告期間の残りの期間における当期勤務費用と利息純額を計算しても、有用な情報を示すことにはならないことを懸念した。


提案の概要

本公開草案は、年次報告期間の途中で制度改訂、縮小または清算が生じ、過去勤務費用または清算損益を算定する前に、制度資産の現在の公正価値及び現在の数理計算上の仮定に基づいて確定給付負債(資産)の純額を再測定した場合、次のように会計処理することを提案している。

・再測定後の当期勤務費用及び利息純額は、制度改訂、縮小または清算後の確定給付負債(資産)の純額の再測定に際して適用した仮定を用いて決定する。
・再測定後の利息純額は、制度改訂、縮小または清算を反映した再測定後の確定給付負債(資産)の純額に基づいて決定する。

本公開草案は、このような確定給付負債(資産)の純額の再測定は、再測定が行われる前の期間の当期勤務費用及び利息純額には影響を与えないとすることを提案している。


移行措置及び適用日

適用時期は、本公開草案に寄せられたコメントを踏まえて決定する予定である。適用に際しては、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従い、遡及適用することが提案されている。ただし、企業は、IAS第19号の適用範囲に含まれない棚卸資産、有形固定資産などの資産の帳簿価額を、適用を開始した財務諸表の最も古い比較期間の開始日前に算入された従業員給付費用の変動について、調整する必要はない。

本公開草案は、早期適用を認めることを提案している。また、早期適用する場合はその旨を開示することが提案されている。

確定給付制度からの返還の利用可能性

提案の背景

IFRIC解釈指針第14号「IAS第19号 - 確定給付資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」は、制度資産が確定給付制度債務を上回る場合に、その超過額を確定給付資産の純額として資産計上するにあたり、第11項に定める3つのシナリオのいずれかにおいて、超過額を返還させる「無条件の権利」を有すること、または、その超過額を将来掛金の減額の形で利用することが可能であることを求めている(アセット・シーリング)。IASBは、(信託管理人などの)独立した受託者に管理されている確定給付制度における返還の形での利用可能性の考え方について、明確化の要請を受けた。

IASBは、次のような状況において、積立超過の返還に対して企業が無条件の権利を有しているか否かを議論した。

  • 受託者が事業主から独立しており、制度加入者のために行動している
  • 受託者が加入者への給付の引上げや制度の終了、またはその双方に関する決定権を有している
  • 受託者が企業の同意または意図に関係なく、いつでもこれらの権利を行使できるが、報告期間の末日においては、まだその権利を行使していない


提案の概要

他の当事者が、企業の同意なしに制度を終了できるか、または制度加入者への給付額に影響を与えることができる場合の会計処理

本公開草案は、企業が確定給付制度からの返還の形での利用可能性を決定する場合、次の事項を求めるようIFRIC解釈指針第14号を改訂することを提案している。

  • (信託管理人などの)他の当事者が企業の同意なしに制度を終了させることができる場合、IFRIC解釈指針第14号第11項の3つのシナリオのうちの「制度が徐々に清算されるケース」においては、企業は無条件の権利を有しない。
  • 返還の形で利用可能であることを根拠に資産計上する場合で、企業の同意なく(信託管理人などの)他の当事者が制度加入者への給付額を変更できる(例えば、企業の同意なしに給付額を増額させる)場合には、変更可能額をその資産の額に含めない。
  • 年金保険証券などの年金資産としての購入、または(制度加入者への給付額に影響を与えない)その他の投資の意思決定(アセット・ミックスの変更など)を行う他の当事者の権利は、返還という形での利用可能性に影響しない。

経済的便益が利用可能であると決定するために企業が考慮すべき法的要求

本公開草案は、企業が返還または将来掛金の減額の形での利用可能な額(すなわち、資産計上額)を決定する際、報告期間の末日において合意された規約等の内容、推定的債務に加え、実質的に制定されている法的要求を企業が考慮することを求める提案を行っている。

アセット・シーリングと制度改訂、縮小または清算の相互関係

アセット・シーリングの影響額を認識している状況下で、制度改訂、縮小または清算が生じた場合、過去勤務費用または清算損益の額を算定する際には、アセット・シーリングの影響額を考慮しない(あたかもアセット・シーリングの影響がなかったかのように算定する)ことが提案されている。この提案の下では、例えば、制度資産が100、確定給付制度債務が80、アセット・シーリングの影響額が20であり、確定給付資産の純額が計上されていなかった制度を清算した場合(現金の受払いはないものとする)、清算損失20が純損益に含めて認識され、アセット・シーリングの影響の戻入益20がその他の包括利益に含めて認識されることとなる。


移行措置及び適用日

適用時期は、本公開草案に寄せられたコメントを踏まえて決定する予定である。適用に際しては、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従って、遡及適用することが提案されている。ただし、企業は、適用を開始した財務諸表の最も古い比較期間の開始日前にIAS第19号の適用範囲に含まれない棚卸資産、有形固定資産などの資産の帳簿価額に算入された従業員給付費用の変動について、調整する必要はない。

本公開草案は、早期適用を認めることを提案している。また、早期適用する場合は、その旨を開示することが提案されている。

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