海外に関連した資産税課税制度の変遷、課税強化の動き | KPMG | JP
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海外に関連した資産税課税制度の変遷、課税強化の動き-相続税・贈与税の納税義務の範囲拡大の経緯と出国税導入に至るまでの動き-

海外に関連した資産税課税制度の変遷、課税強化の動き

2015年1月1日以降の相続より相続税の基礎控除額が4割減額され、相続税の課税ベースが拡大されたほか、税率も引き上げられました。他方、企業の国際化、人材の国際化といった国際化の波に乗って、親世代、子世代ともに国境を越えてグローバルに活動する時代となり、企業オーナーや富裕層を中心に国外財産に関する相続(税)・贈与(税)についての相談も多く寄せられてくるようになりました。

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国内に住む日本人が同じく国内に住む子に相続すれば、国内財産・国外財産のすべてが相続税の課税対象となります。海外に住む外国人が同じく海外に住む子に相続すれば、日本に所在する財産のみが日本の相続税の課税対象となります。では日本国内に住む子が海外に移住した場合、あるいは日本国内に住む親子ともに海外に移住した場合の相続税・贈与税の課税関係はどうなるのでしょうか。

本稿では、相続税・贈与税の納税義務の範囲拡大の経緯を紹介するとともに、2012年度税制改正によって導入された国外財産調書制度、そして2015年度税制改正において導入された出国税の概要や注意点等を中心に、海外に関連した資産税課税制度の変遷、課税強化の動きについて述べていきます。

ポイント

  • 国税当局は近年、海外に関連した相続税、贈与税、譲渡所得税といったいわゆる資産税課税を強化している。
  • 国税当局は海外資産関連事案について積極的に調査を実施している。
  • 2013年度税制改正において相続税・贈与税の納税義務の範囲が拡大された。これにより、たとえ日本国籍を捨てたとしても、国外財産に対し日本で相続税・贈与税が課されることになった。
  • 2012年度税制改正において国外財産調書制度が創設された。2015年1月1日以後に提出すべき国外財産調書からは、故意の調書不提出や虚偽記載について、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる。本来提出義務があるにもかかわらず未提出の場合には、今からでも過年度分の国外財産調書の提出を検討すべきである。
  • 2015年度税制改正において出国税が導入された。これは相続や贈与の局面においても適用される制度であるという点に注意が必要である。

内容

  1. 相続税・贈与税の納税義務の範囲の拡大
    1. 2000年度税制改正前の相続税・贈与税の納税義務の範囲
    2. 2000年度税制改正後の相続税・贈与税の納税義務の範囲
    3. 2013年度税制改正後の相続税・贈与税の納税義務の範囲(現行)
  2. 国外財産調書の提出制度
    1. 国外財産調書の提出義務者
    2. 国外財産調書の提出先・提出期限
    3. 国外財産の意義
    4. 国外財産の価額
    5. 国外財産の邦貨換算
    6. 過少申告加算税・無申告加算税の特例
    7. 罰則
  3. 出国税の導入
    1. 所得税(出国税)と相続税・贈与税の二重課税
    2. 相続税・贈与税に与える影響等
  4. まとめ

執筆者

KPMG税理士法人
AMSグループ
パートナー 正路 晃
シニアマネジャー 出口 勝

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