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BEPSに関する第1次提言 - 国別報告書と無形資産

BEPSに関する第1次提言 - 国別報告書と無形資産

KPMG Tax メールマガジンNo.78※では、9月16日に公表された、G20・OECD共同プロジェクトであるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)に関する第1次提言(7つのレポート)の概要をお知らせしました。

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KPMG Tax メールマガジンNo.78

今回のメールマガジンでは、このうち、国別損益情報等の報告(移転価格関連の文書化再検討)(Action 13)及び無形資産取引に係る移転価格ガイドライン改訂(Action 8)にフォーカスしてお知らせします。

1. 報告書の内容

(1)国別損益情報等の報告(移転価格関連の文書化再検討)(Action 13)

多国籍企業グループ全体の共通情報としてのマスターファイル、各国の関連会社の取引情報としてのローカルファイル及び国別損益情報等の報告としてのCountry by Country(CbC)レポートが求められています。

マスターファイルとCbCレポートに係る税務当局の入手方法について、各国税務当局が自国のグループ企業から直接入手する方法と親会社が自国の税務当局へ提出し租税条約等に基づく情報交換により各国税務当局が共有する方法のどちらを採用するかでコンセンサスが得られない状況となっています。

多国籍企業の情報漏洩に対する懸念を払拭する観点から、租税条約の守秘義務による制約をかけることが必要ですが、各国の税務当局が、マスターファイルとCbCレポートの存在を前提に、国内法令により情報提出を求める場合には、各国への提出は避けられないと考えられます。

(2)無形資産取引に係る移転価格ガイドライン改訂(Action 8)

無形資産の特定において隙間をなくすため、広範かつ明確な定義を採用しており、「有形資産、金融資産でなく、所有・支配することができ、同様の状況の非関連者間取引において、その使用又は移転により報酬が生ずる資産」としています。

また、無形資産に係る独立企業間価格の算定において、信頼できる比較対象が存在しない状況において、DCF(Discount Cash flow)法の使用を認めています。

2. 日本企業への影響

(1)国別損益情報等の報告(移転価格関連の文書化再検討)

多国籍企業グループの各国関連会社の損益状況等が、各国の税務当局に共有されることになると、これまで現地毎に区々な対応を行ってきた移転価格対応に整合性が求められることになり、機能・リスク等による損益水準の収斂が求められる可能性があります。そのため、グローバルでの損益管理システムの整備、本社による損益配分のコントロールが一層求められることになると考えられます。

(2)無形資産取引に係る移転価格ガイドライン改訂

広範な無形資産の定義を前提に、機能・リスク等の分析に基づく帰属利益の認定が各国税務当局により積極的に行われることにより、無形資産の開発・所有・使用等による価値の帰属を巡り、各国税務当局によるValue Driverへの課税権争奪が活発化することになると考えられます。

特に、中国等新興国による無形資産の経済的所有権の主張等により、先進国・新興国間で、無形資産による超過収益の帰属に係る見解が分かれ、双方による課税権の主張による二重課税問題が一層引き起こされる可能性があります。

(3)税務上のリスク・マネージメントの必要性

国別損益情報等の報告及び無形資産取引への課税強化等により、連結ベースでの実質租税負担率が最も高いとされる日本の多国籍企業においても、二重課税等による更なる負担増へのリスク・マネージメントとしての税務対策が求められていくものと考えられます。

特に、各国税務当局による国別損益情報等の共有化は、グローバルな損益情報を有する多国籍企業と自国内の情報しか有していなかった各国税務当局との間の情報ギャップが埋められることを意味しており、各国税務当局による情報交換を通じた連携調査等が現実化される可能性があるものと考えられます。

こうした中、日本企業には、税務上のリスク・マネージメントをグローバルな視点から構築していくシステムを開発していく必要があるものと考えられます。

KPMG TaxメールマガジンNo.80 掲載

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