移転価格の事前確認制度(APA)に関するガイドライン | KPMG | JP
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移転価格の事前確認制度(APA)に関するガイドライン

移転価格の事前確認制度(APA)に関するガイドライン

APA(移転価格の事前確認制度)に関して、改訂租税管理法、その法令である2013年7月22日付のDecree83/2013/ND-CP及びCIT法に基づき、2013年12月20日にベトナム財務省はAPA制度に関するガイドライン(Circular201)を発行し、2014年2月5日より発効しています。

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このCircular201は財政省が発行した2012年から2015年の移転価格管理行動計画に基づいています。
APAは、移転価格税制について事前確認し、不確実性を排除できる点で納税者に、効果的かつ効率的に移転価格を管理できる点で税務当局に利益があります。

このニューズレターでは、APAの概要及びCircular201の主な内容を記載します。

APAの概要

Circular201はAPAの定義、原則、期間、手続及び税務当局と納税者の権利と義務を規定しています。
 
APAとは「税務当局と納税者又は税務当局と納税者と関連税務当局(ベトナムと租税条約を締結した国の税務当局)との間で、一定期間の税務計算、移転価格算定方法について事前合意する制度」です。APAはベトナム国内のみから確認を受ける形式、二国間及び多国間の税務当局から確認を受ける形式があり、二国間及び多国間のAPAは租税条約締結国との間で協議されます。
 
APA手続はAPA申請書類の1.提出前の事前相談、2.正式な申請書類の提出、3.申請書類の評価、4.議論・交渉、及び5.結論の5ステップであり、OECDのAPAガイドライン及び国際慣行を基にしています。
 
APA手続の対象期間は最長5年間であり、さらに次の5年間まで延長することができます。このAPA手続に従い、納税者が税務調査前の課税所得を自ら修正申告できるかどうかについては明確ではありません。
 
税務当局はAPA手続期間に使用された全ての情報とデータを機密保持する義務があり、APA手続が撤回された場合においても当該情報を税務調査の証拠として使用することはできません。

Circular201の主な内容

APA申請資格者

Circular201によると企業規模にかかわらず関連者と取引があるベトナムの全てのCIT納税者はAPAを申請できます。したがって、APAは現状の移転価格制度と同様に、国内外の関連者との取引がある会社を対象としています。

適用範囲

取引規模にかかわらず国内外の関連者との全ての取引(販売、購買、リース、サービス、利息等)について適用することが可能です。納税者は申請の際に1種類または数種類の取引をAPAの対象とすることまたは取引を集約するかどうか選択可能です。

APAの原則

APAの原則は以下の通りです:

  1. 納税者の任意申請
  2. 税務当局、納税者及び関連海外税務当局との間の交渉・合意
  3. 事前申請
  4. 移転価格の事前確認のみを対象

APAで適用される移転価格分析方法は独立価格批准法、再販売価格基準法、原価基準法、利益比較法、利益分割法の中で適切と認められる方法です。

APA担当当局

APA手続に関する交渉、締結、修正、拡張、撤回及び廃止の権限は財政省が有します。
税務総局はAPA申請書類の受領、交渉及び締結、改正、更新、廃止、撤回及びAPAの監督、税務調査の権限が委譲されています。また各省の税務当局はAPAの交渉及び締結に関与します。

APA手続

標準的なAPA手続は国内APA、二国間APA及び多国間APAの全ての形式に適用されます。二国間APA及び多国間APAの場合には、海外税務当局との協議手続が追加されます。

APA手続の各ステップは以下のとおりです。

  1. 提出前の事前相談:APAの正式申請の前に納税者は提出前相談の申請を税務当局に行います。税務当局は納税者最終の相談日より30営業日以内に受理又は不受理を理由とともに書面で発行します。匿名申請書類は受理されません。
  2. 正式な申請書類の提出:正式な申請書類は税務当局の上記受理から120日以内に申請する必要があります。合理的な理由がある場合には、30日以内の範囲で延長できます。
  3. 申請書類の評価:税務当局はAPA正式申請書類受領から15日以内に納税者と会議を行い、受領から90日以内に申請書類の評価を行います。延長の場合は60日の範囲内で書面により納税者に通知されます。
  4. 議論・交渉:会議、オンライン会議又はメールによって行われます。
  5. 結論:最終のAPA草案に基づき税務当局と納税者の合意した書類が作成されます。

APAの期間及び更新

APAは申請から5年間有効となります。関連者取引の範囲、前提及び比較分析に用いられる4分位法や売上総利益率、営業利益率に重要な変更が無い場合は、5年間以内で適用の延長が可能です。

納税者の義務

納税者は税務当局の要求時に提出できるようにAPAの交渉、締結、実施プロセスの書類を保管する必要があります。保管書類にはCIT確定申告書に添付するAPA年次報告、提出前の事前相談申請書及びAPAに重要な影響を及ぼす事項についての適時報告書が含まれます。APAの実行については、適切なリスク管理により税務当局が管理しますが、APAの効率性の観点から再評価はされません。

税務当局の機密保持

納税者を保護し、APA制度への納税者の任意参加を促進するように、税務当局はAPA手続期間に使用された全ての情報とデータを機密保持する義務があり、APA手続が撤回された場合においても、当該情報を税務調査の証拠として使用することはできません。

多国間交渉の手続(MAP)

MAPは租税条約に基づいており、また改訂租税管理法により法制化されています。
Circular201におけるMAPの主な内容は以下のとおりです:

  1. 二国間又は多国間のAPA申請を行う納税者はMAPを申請することができます。
  2. 税務総局は30日以内に海外の税務当局に連絡します。
  3. 税務当局は協議の結果について、海外の税務当局からの回答受領から15日以内に納税者に通知し、ガイダンスを提供します。

MAPについてのさらに詳細な内容は、財政省発行の2013年12月24日付Circular205/2013/TT-BTCをご参照ください。

課税所得の修正

APA期間中、納税者はAPA手続で合意した価格又は売上総利益率・営業利益率に応じて自ら課税所得を修正することになります。

しかし、納税者がAPAで合意した期間より前に遡って修正可能かどうか又は税務調査前の課税所得を自ら修正できるかどうかについては明確ではありません。

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