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German Business Bulletin Vol.86

German Business Bulletin Vol.86

German Business Bulletin Vol.86では、昨年の連邦議会選挙後の政情に関する最新情報と、関連する税務並びに法務の最新情報を盛り込ませて解説しています。

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I. 連立協定に署名 - 財政計画

Intro
2013年9月22日に第18回ドイツ連邦議会(ドイツ連邦議会の下院)の選挙が行われた。保守政党(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)関係者らは、「大連立」を形成するために努力してきた。2013年11月27日に連立協定が発表された。これは与党の財政計画についての説明が含まれている。

 

At a glance:
連立与党は、ドイツが現在、近代的かつ競争力のある税法を有していることを最初に述べている。したがって、大幅な税制改革は想定されていない。富裕税の導入や税率の増加などこれまで議論されていたいくつかのトピックは、連立協定に含まれていなかった。過大支払利子税制、繰越欠損金の利用と不動産賃借料の営業税再加算などの課税強化策も連立交渉で相談したとおり連立協定に反映されなかった。

税制に関する連立協定の主要なポイントは、下記に例示した通りデータ処理技法を活用した税制の簡素化、課税強化及び課税回避並びに脱税行為の排除である。

 

税制の簡素化及び課税強化

  • 遅くとも2017年までにすべての納税者に対して予定納税申告の導入(退職者や年金受給者は2015年以降より先行導入)
  • 税務当局との電子通信の開発
  • ITを活用したリスク分析の増加
  • 申告納税手続きの促進(法人税より先行導入)

 

課税回避並びに脱税行為の排除

  • OECDのBEPS(税源浸食と利益移転)に対する取り組みの支援。国際的な規制とBEPSに対する取り組みにより網羅されない事象に対する独自の対策
  • ライセンス支出とレターボックスカンパニーへの支払いのための事業経費控除の制限
  • 二重課税防止条約及び国家の規制による二重非課税の防止
  • 税務当局間の国別報告書(CBCレポート)の導入

 

詳細

  • 金融取引税の導入
  • ポートフォリオ投資からのキャピタルゲインに対する課税措置の検討
  • 株式交換及び経済的価値の増加を伴う組織再編を今後実行されやすくするための組織再編税制に関する検討
  • 国際的な競争力を生かしてドイツを魅力的なファンド設立場所とするためにベンチャーキャピタルに対する法律および財政枠組みの変更
  • 中小企業に対して利益の保持条項の検討
  • 不動産取得税の見直し。ただし、税率の決定権限は各自治体に保持される
  • 営業税と相続税は自治体や連邦州の収入源であり続けるものとする

Recommendation

上記政策の実施及び改正に関する今後の動向を注視しておく必要がある。

II. 法人税

1. AIFM 税制調整法

Intro
2013年11月28日にドイツ連邦議会は、AIFM税制調整法の新たな草案を採択した。2013年11月29日に連邦参議院(ドイツ連邦議会の上院)はこの法を承認した。


At a glance:
同法は具体的に次の新しい条項が含まれている

  • 2013年7月より施行された資本投資法に基づき課税(特に投資課税に関する)及び非課税を整理
  • 米国とのFATCA協定(下記を参照)と税務問題における情報の自動交換に関する二国間協定の実施を支援する法定条項の導入
  • オーガンシャフト(連結納税グループ)の要件である損益移転契約が法的要件を充足していない場合の措置が改正された。従来は2014年12月31日より前に終了する事業年度(2013年度)を対象としていたが、2015年1月1日より前に終了する事業年度(2014年度)も対象に含まれることとなった
  • 事業譲渡の場合等、債務の引き受け及び取得に関する法令規則の導入。当規則は事業譲渡に伴い、これまで税務債務として認識されていなかった退職給付引当金のような引当金勘定等が税務計算上、即時認識されるのを妨げるものである

Recommendation

名称から投資ファンド系の会社に関する法令と捉えられるかもしれないが、事業譲渡に関する債務の引き受け及び取得に関する規制については事業譲渡やグループ組織再編等を既に実施ないしは実施を検討されている会社にも適用されるので、今後の対応を検討する必要があると考えられる。

2. FATCA協定

Intro
2013年5月31日に、ドイツと米国は、国際税務コンプライアンスを向上させるためにFATCA契約を締結した。ドイツでは2013年10月にFATCAが施行されている。今、ドイツ連邦財務省(BMF)は、2014年2月にドラフトガイダンスを発行している。


At a glance
ドイツと米国との間の契約は、米国のFATCA規則を通じて追求される目標のための両国間の基礎となる。
FATCA規則の範囲内でドイツの金融機関はIRSとの個別の契約を締結する義務から解放される。その代わりに以下の規定が適用される。

  • ドイツはドイツに拠点を置く金融機関に、米国の口座保有者により保有される口座に関する情報を収集させ、IRSに自動的に情報を開示することを引き受ける。
  • それと引き換えに、米国からはIRSが米国の金融機関から得た利息及び配当金収入に関連するドイツの情報をドイツサイドで利用できるようにした。
  • FATCA規則では、ドイツの金融機関は米国向けのすべての支払いに30%の源泉税を徴収する必要がある。⼀般的には、金融機関がIRSと契約を締結し、自社の米国のアカウント保有者に関する情報をIRSに開示することに同意する場合には、源泉税の徴収を回避することができる。
  • 米国は、日本を含む他の国々と同じような契約を締結している。ドイツも日本を含む他の国々と情報の自動
    交換に関する協定を締結する意向を示している。

Recommendation

各国の税務当局間の連携がより緊密になってきているので、今後の動向を注視しておく必要があると考えられる。

3. 自己株式の取得に関する課税上の取扱い

Intro
BMFによって発行された2013年11月27日付ガイダンスに従って、自己株式の取得に関する税務上の取扱いは、ドイツ商法により知られているサブスタンス・オーバー・フォームコンセプトに従うことになっている。
このコンセプトによると、自己株式の取得や売却は、配当ではなく資本の増加または減少として扱われることとなる。


At a glance
自己株式の取得の場合には、資本の減少は株式額面額で発生する。額面資本の払い戻しを超える額は株式売却株主に対する会社の支払となる。この結果、配当可能利益を超える額について税務上の積立金の減額となる。
株主レベルで当該取引が売却と位置付けられるので、源泉税の徴収及び付託は生じない。自己株式の取得に関連して発生した合理的な費用は、事業費用として控除することができる。

このガイダンスは、原則として株式の買い戻しが過去に争われた配当源泉税に関する個々の税務上の議論を引き起こさないことを確認するものである。企業においては、株式の転売は名目資本増加として扱われるべきであり、このため、課税対象キャピタル・ゲイン(ロス)を生じない。

Recommendation

原則としてガイダンスは、通常2009年12月31日以降に開始した事業年度に適用され、または必要に応じて2008年12月31日に開始した事業年度に適用される。このガイダンスの下で自己株式の売買は名目資本の減資として取り扱われ、この方法は15%の源泉税なしで資本の本国に返還し、配当に代わる選択肢になりうる。
この点に関する不明な点がございましたら、KPMGにご連絡ください。

4. DMCケースにおける欧州司法裁判所(CJEU)決定(C-164/12) - ドイツ出口課税

Intro
2014年1月23日に欧州司法裁判所(CJEU)はEU内の出国課税ルールに実務的に関連を持つ場合の当裁判所としての判断に関する解釈を示した。

 

At a glance
このケースはドイツの再編成に関与して、オーストリアのドイツのリミテッド・パートナーシップのパートナーは、ドイツの会社の株式をと引き換えにした、交換をするというケースであった。ドイツの税務当局は、譲渡時点の帳簿価額より低い、パートナーシップ持分の継続企業価値に基づいて譲渡価額を税金計算に適用した。ドイツ法では、ドイツが未実現利益に課税することができない場合、そのような評価を実施していた。
ドイツ裁判所の指示では、オーストリア・ドイツ租税条約により、オーストリアのみが買収企業が発行した
株式に課税できることとなった。

パートナーがドイツの納税者であり続けた場合、取得会社の株式が処分された場合のみに税金が生じる。ドイツの法律は、有価証券に関しては5年にわたり税金を支払うと言う選択肢を提供する。

CJEUルールは、即時課税が欧州資本移動自由により制約であったが、これは加盟国間の課税権利のバランスを維持するため正当化されていた。この結論は、ナショナル・グリッドケース(C-371/10)における判決に沿ったものであった。裁判所は、ドイツが未実現利益に課税することは実際には不可能であろうと警告を加えたが、この疑問を国家裁判所で決定する余地を残した。CJEUも納税者に即時課税と5年にわたる段階的な課税を選択として与えることを判示した。CJEUは、以前、加盟国が実際の実現とは異なる課金対象イベントを採用する可能性を示唆していたが、特定の期間にわたって段階的な課税のEU法への適合性を具体的な見解を与えたのは今回が初めてである。

Recommendation

CJEUの階的課税期間および保証に関する決定は、EU加盟国が各々の出口課税ルールの設定やその検討をすることへの関連の可能性が高い。組織再編の過程で「出口課税」が問題になるかもしれない場合は、KPMGにお問い合わせください。

5. ドイツ連邦租税裁判所の租税条約オーバーライドの合憲性を照会(I R 4/13)

Intro
2013年12月11日にドイツ連邦租税裁判所(BFH)は、いわゆる条約オーバーライドはドイツ憲法に抵触に該当するか否かを再び判断するようにドイツ憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht)に要求した(つまり、ドイツ居住者に課税する権利を付与する国内法が、⼆重課税回避を担保する条約に矛盾や解釈無効としてしまうことがある。)。この照会はドイツ所得税法第50d条10項の内容に関するものである。


At a glance
本事例では、あるイタリアに居住するパートナーがローン積立から支払いを受けた。このパートナーはイタリアの利子としてこれらの支払いに課税することを意図していた。第50d条10項に従って、ドイツの税務当局はこれらの支払いをドイツで課税し、ドイツのパートナーシップから外国のパートナーへの特別支払(Sondervergutungen)は利益として処理されなければならず、租税条約の適用範囲内で賃金や利子として認められない。これとは対照的に、BFHは、通常、関連する租税条約を適用し、関連する租税条約に基づきこれらの支払いを賃金や利子として分類している。その結果、ドイツではなく、パートナーの住居の自治体(ここではイタリア)は、定期的にこれらの収入に課税する権利を持っている。

Recommendation

BFHは、国内法が憲法上の原則に反するか否かを決定する権限を持っている唯一の機関である憲法裁判所にこのケースを付託した。この裁判所の決定により、このルールが違憲であれば、税務当局が所得税法第50d条10項を適用しているすべてのケースに影響を与えるであろう。関連する納税者は、税務調査をオープンのまま維持し、今後の進展を注視することが望ましい。

III. 移転価格税制

EU 共同移転価格フォーラムは、補償調整適用の一般基準に合意

Intro
2013年11月に、クロスボーダーケースにおけるイントラグループ間取引のためのコストを削減することを目指すEU共同移転価格フォーラムは、税務申告前に遡及的に実施された移転価格の調整をカバーする、二重課税との二重非課税の回避に関するガイダンスを提供する補償調整に関する報告書を最終化した。この報告書は2011年6月に各国税務当局に実施した調査に基づき、補償調整に対して加盟国で異なるプラクティスに関する情報を収集したものである。2013年に激しい議論に続いて、この報告書は最終化され、各国税務当局が持つ実務やアプローチの違いがあるにもかかわらず、補償調整適用で二重課税と二重非課税の回避に関する実践的なガイダンスを提供するものである。


At a glance
このガイダンスは、納税者の帳簿で行われ、納税者の移転価格文書で説明されている補償調整に適用される。価格調整と理論的問題は報告書の範囲外にある。補償調整の様々なアプローチから生じる実際の問題に対処するため、加盟国は以下を同意する:

i. 商業や金融関係の関連会社間の利益は、対称的に計算される必要があり、すなわち、ある取引に関わる企業は個々の取引に対して同じ価格を使用する必要があり、

ii. 納税者によって実施される補償調整は下記の条件が満たされた場合に受け入れられるべきである。条件は以下のとおり

  • 関連取引または⼀連の取引の前に、納税者は独立企業間取引の結果を達成するための合理的な努力をした(事前アプローチ);
  • 納税者は両方の関与した企業の帳簿に対称的調整を行う;
  • 納税者は継続して一貫した同じアプローチを適用する;
  • 納税者は税務申告前に、調整を行う;
  • 納税者は、関与加盟国の少なくとも一方の法制度によって要求された際、予測していた結果に帰着しなかった理由を説明することができる。

再検討中の実際の取引結果が取引時に価格を設定したとき独立企業間取引の結果の範囲外である場合、調整は独立企業間結果の範囲内に最も適切な点である(事後アプローチ)。報告書によると、上限調整と下限調整の両方が受け入れられる。

Recommendation

多国籍企業は、上記のガイダンス、すなわち記載されている条件が満たされるか否かについて、クロスボーダー取引で行われまたは計画された移転価格の調整を見直すべき必要がある。当該報告書に関連する実務的なサポートについては、KPMGの税務アドバイザーにご相談ください。

IV. VAT

1. 継続企業としての事業譲渡

Intro
2013年12月13日のガイダンスで、ドイツ連邦財務省は(VAT免税が可能な)継続企業としての事業譲渡の実在性について、VAT適用法令(UStAE)の条項を改正した。

 

At a glance
UStAE 第1.5項(6)企業構造において独立して管理される事業

2012年12月19日付け連邦税務裁判所の決定(XI R 38/10)を参照すると、譲渡事業が独立した経済的な企業として経営され得る場合、その企業構造において独立して管理される事業が存在することなる。(組織的な)独立事業が譲渡を行う企業に既に存在していたかどうかは、重要ではない。連邦税務裁判所は、この決定において、譲渡⼈と外部の認識に関する状況が重要であるという、税務当局の見解を否定した。
以前のUStAE 1.5(6)第2文に反して、譲渡された企業の一部が独立企業として、企業の他の事業から独立して営業している存続可能な実体を形成していたかどうか、外部に対して独立した自己含有型の経済主体として表現されていたかどうかは重要ではない。


UStAE第1.5項(9)会社保有
2013年5月30日付けのCJEUの決定(C-651/11-X BV)号を参照すると、会社株式が独立した経済活動を可能にする独立した単位であり、購入者がこの活動を続けた場合、(金額に係りなく)会社株式の譲渡は非課税の事業譲渡に相当する。資産の譲渡を伴わない株式の単なる売却の場合は、譲渡人の法的後継者としての購入者は、独立した経済活動を継続することを出来ない。

UStAEの以前のバージョンでは、その金額からは独立した会社株式の単なる売却は、継続企業としての事業譲渡を構成するのに十分ではなかった。購入者が、その保有がビジネス目的で使用される背景を強調した法律関係を締結している場合は、唯一、税務当局は「会社の継続的な活動の全体」を評価した。前支配会社と子会社間の経済統合を仲介する関係を購入者が締結する場合、この要件は、特にVATグループのケースにおいて充足されるべきである。その結果、(VATの観点から)非課税の事業譲渡は、これらのケースで認識されることになる。

Recommendation

2013年12月11日付けのドイツ連邦財務省ガイダンスの原則は、すべての継続事案に適用される。関連事案の評価のための以前のバージョンであるUStAE第1.5項(6)と(9)を参照する場合、2014年4月1日より前に生じた取引は、議論の対象にはならないと考えられる。2013年5月30日付けのCJEU決定(C-651/11 - X BV)も考慮したうえで、改訂版は、税務当局が株式の売却が継続企業としての事業譲渡になり得ると想定することを明確にしている。しかしながら、税務当局によってどのような特定の条件下で、このことが想定されるのか、未だ不明なままです。更なるサポートについては、KPMGの税務アドバイザーにお問い合わせ下さい。

2. チェーン取引における動的供給の特定に関する未解決上訴(連邦税務裁判所:XI R30/13)

Intro
連邦税務裁判所の訴訟は、最終購入者が輸送責任を有する場合のチェーン取引における動的供給の特定に関連する。


At a glance
簡略化すれば、当該訴訟はイギリスの会社Sに新車を販売するカーディーラーに関係する。Sが提供するイギリスのVATID番号は、カーディーラーにとって有効であると認められた(単純な確認要求)。SはイギリスのVATをチャージするW社にその車を再販した。Wは車を受け取り、かつイギリスへ輸送するため、運送会社と契約した。各積荷の受領者はWであり、CMR貨物運送状によって証明された。カーディーラーは、VATについて、ゼロ税率域内供給として処理した。

税務当局は、これら一連の取引は、チェーン取引を表すという見解を有した。Wのための車の出荷に起因して、チェーン取引において定義される「動的供給」は、ドイツのカーディーラーによる以前の供給を課税対象としたうえで、SからWへの関係性において想定された(UStG § 3(6)第5 文第1文,(7)第2文1号を参照)。

逆に、下級税務裁判所は、チェーン取引における動的供給がカーディーラーによる供給に起因するとの意見を有する。下級税務裁判所のこの意見は、仲介の輸送責任に関する2011年8月11日付けVR3/10の連邦税務裁判所決定に基づく。

結局、動的供給のみ、チェーン取引において、ゼロ税率供給とみなされる可能性がある。チェーン取引における最初の供給者または最終購入者が商品を輸送する場合、動的供給の特定は、実務上(紛争の場合は税務当局により)UStG§3(6)第5文第1文の法規定によって決定される。

  • 最初の供給者に輸送の責任がある場合は、最初の供給者による供給が動的供給とみなされる。
  • 他方、チェーン取引の最終購入者に輸送の責任がある場合は、最終購入者が動的供給を取得する。

Recommendation

恐らく、前述の法定の特定基準はCJEUの判例法に沿ったものです(2012年12月16日付けC-430/09 - ユーロタイヤホールディングRz. 24, 25, 27号CJEU判決を参照)。連邦税務裁判所がこれを問題視するかどうかは未だ判然としません。当分の間、チェーン取引を慎重に見直すよう推奨する。そして、取り扱いについて疑問点があれば、KPMGの税務アドバイザーにご相談下さい。

V. 法務

1. 欧州ビジネスユニットの構築と再編 - 拡大されたオプション

Intro
近年、クロスボーダーでのグループの再編や買収の検討を進めている企業が増加している。その結果、ヨーロッパやドイツの法令及び判例法は、クロスボーダーでの法的組織再編や合併が可能となる範囲を拡大している。以下において、グローバル企業が組織再編において考慮すべき最新動向の概要を説明する。

 

At a glance
2012年、欧州司法裁判所は欧州連合(「EU」)加盟国の企業に対し判決(2012年7月12日付判決C-378/10号)をもってクロスボーダーにおける法的形態の変更に対する方法を明確にしました。しかし、当該判決では、実務上どのように適用されるのかという点においていくつか不明確な点が残されており、特に、加盟国のどちらの国の法的条項を適用するのかという点が明らかにされていませんでした。

昨今、ニュルンベルク上級地方裁判所(2013年6月19日付決議12 W 520/13号)は、欧州司法裁判所の判決を支持する形で、残されていた不明確な点を明らかにし、ドイツにおける法的な観点からクロスボーダーにおける法的形態の変更をどのように判断すべきかについてより明確にしました。裁判所は、ルクセンブルクの法律(SARL)に基づいて設立された有限責任会社がその登録をドイツに移すことが可能であるかどうか、また同様に、ドイツ法上の有限会社(GmbH)に変更することが可能であるかどうかという問題を解決する必要がありましたが、下記事項を明確に述べている。

(1)当該企業のクロスボーダーでの登録の移転や法的形態の変更は、ドイツ法上明らかに許容される。

(2)国内における法的形態の変更を規定した法令(Sections 190 et seq. of the German Code on Transformation of Companies)は、クロスボーダーにおける法的形態の変更にも適用されるものとする。

Recommendation

クロスボーダーにおける法的形態の変更が企業における組織再編の追加的なオプションとなったという点において、裁判所の判断は企業にとって前向きなものと考えられる。企業はEU 加盟国内に登録したオフィスを他のEU加盟国へ移転することが可能となり、またその過程では元の法的形態を移転先の国の法律にも適用することが可能となる。ただしこの場合、移転後のオフィスは移転前と同様でなければなりません、すなわち、すべての資産や負債がそのまま移転されることが必要となる。

組織再編の方法を検討する際、クロスボーダーにおける法的形態の変更が、新しくかつ有効なオプションの1つであることを念頭に入れておく必要がある。

2. 株式購入及び譲渡契約書のスイスにおける公証人認証~旅する価値が再び

Intro
かつて、ドイツの有限責任会社(GmbH)の株式購入及び譲渡契約書の公証人による認証は、スイス、特にバーゼルまたはチューリッヒの公証人によってよく行われていました。これは主にスイスの公証人の平均的なサービス料金がドイツの公証人のそれよりも低かったことがその要因でした。しかし、2008年後半のドイツ有限会社法の改正以降、スイスやその他の国の公証人の認証が、ドイツ法上有効であるかどうかについて不明瞭になっていました。これに関して最近、ドイツ連邦裁判所はこのような不明瞭な点を明確にし、それによりスイスへの公証トリップが再び価値を持つことになりました。


At a glance
ドイツ連邦裁判所は2013年12月17日の決議(II ZB 6月13日)で、海外の公証人による認証がドイツ国内の認証に相当するものであれば、海外における公証人認証はドイツ法上も有効であるとみなされることを明確にしました。また、バーゼルの公証人の認証はドイツの公証人の認証に相当するものであると言明しました。(裁判所は過去にチューリッヒの公証人についても同様に相当するものである旨を言明している。)この新しい決議において、裁判所は従来の判例を支持し、いくつかの裁判所の過去の決議によって引き起こされる可能性のあった問題を解決し、2008年のドイツ有限会社法の改正が海外の公証人認証を排除するものではないことを明確にしました。

Recommendation

ドイツ連邦裁判所の決定は、第三者との取引、企業グループ間の取引を問わず、株式の購入及び譲渡契約書の公証人認証に新たな選択肢を与えました。株式譲渡を検討する際は、認証手続においてコスト削減の観点から、バーゼルやチューリッヒの公証人を用いることの有効性を検討する必要があるかも知れません。

ホットトピック・概略

  • EU加盟国の間で共通の取り扱いを達成することを目的として(2013年12月18日に)発行された、勤務地の決定に関するEUガイダンス(改正版)(複数の国で勤務する従業員の税金と社会保障に関する取扱い)が現在有効となっている。

  • 期中に株式を取得した場合の遡及課税措置の要件について定められている株式配当に関する税制(2013年12月2日)に関して、納税者は、OFDフランクフルトがさらなる詳細なガイダンスを示すことを望んでいる。

  • 連邦参議院(上院)は、税制単純化法2013を進めていくことを表明しました。(例えば従業員の非課税枠を1,000ユーロから1,130ユーロに引き上げる案が含まれている)税制単純化法はその議論が2012年からすでに始まっているが、ベルリンの新連立政権のもとで、最終結論に到達できるよう、下院と上院のより単純で効率的な調整プロセスが期待されている。

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