IASB、「減価償却及び償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及びIAS第38号の改訂)」を公表

IASB、「減価償却及び償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及びIAS第38号の改訂)」を公表

IFRSニュースフラッシュ - 国際会計基準審議会(IASB)は2014年5月12日、「減価償却及び償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及びIAS第38号の改訂)」を公表しました。本改訂は、有形固定資産の減価償却方法及び無形資産の償却方法のうち、収益に基づく方法の取扱いを明確化しています。本改訂は、2016年1月1日以降に開始する会計年度から適用されます。

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要約

  • 収益に基づく減価償却方法は、通常、資産の消費以外の要因も反映するため、有形固定資産の減価償却方法として適切ではない。
  • 収益に基づく償却方法は、無形資産の償却方法として適切ではないと推定される。ただし、以下のいずれかの限られた場合においては、この推定を覆すことができる。
    • 無形資産が収益の測定値として表現される場合
    • 収益が無形資産の経済的便益の消費と強い相関があることを証明できる場合
  • 無形資産に固有の主要な制約要因(期間、生産量、収益等)に着目して償却方法を決定する考え方が示されている。

改訂の背景

IAS第16号「有形固定資産」及びIAS第38号「無形資産」では、有形固定資産または無形資産の予想される将来の経済的便益の消費パターンを反映する減価償却方法または償却方法を用いることが求められている。また、IAS第16号及びIAS第38号では次の減価償却方法または償却方法が例示されているものの、資産の予想される将来の経済的便益の消費パターンを反映する減価償却方法または償却方法として、収益に基づく方法が認められるかどうかが明確ではなかった。

  • 定額法:耐用年数にわたり一定額の費用を計上する方法
  • 定率法:耐用年数にわたり逓減的な費用を計上する方法
  • 生産高比例法:予想される使用または生産高に応じて費用を計上する方法

2012年12月4日に、公開草案「減価償却および償却の許容される方法の明確化(IAS第16号及びIAS第38号の改訂案)」が公表された。本公開草案において、収益に基づく減価償却方法または償却方法は、有形固定資産または無形資産の予想される将来の経済的便益の消費パターンではなく、その資産から生じる経済的便益の生成パターンを反映するものであるため、減価償却方法または償却方法として認めないことが提案されていた。また、定率法を減価償却方法または償却方法として決定するに際して、予想される将来の販売価格の下落が技術的または経済的な陳腐化を示唆し得ることも提案されていた。

本公開草案に対して寄せられたコメントに基づく再審議の結果、無形資産について特定の場合において収益に基づく償却方法を認めた本改訂が公表された。

改訂の内容

本改訂は、IAS第16号及びIAS第38号を改訂し、収益に基づく減価償却方法または償却方法の取扱い、及び、資産の技術的または経済的な陳腐化を示唆し得る販売価格の下落と、予想される将来の経済的便益の減少との関係について、以下のとおり明確化している。

 

【有形固定資産】
本改訂において、有形固定資産の使用を含む活動から生成される収益は、通常、その資産の消費以外の要因(例えば、他のインプット及びプロセス、販売活動、販売数量及び販売価格の変動)も反映しているため、減価償却方法として適切ではないとされている。
本改訂は、有形固定資産の耐用年数を決定する際に考慮しなければならない要因のうち、資産の技術的または経済的な陳腐化が、経済的便益の減少を示唆し得ることを明確化した。すなわち、資産を使用して製造したアイテムの予想される販売価格の下落は、その資産の予想される技術的または経済的な陳腐化を示唆し得るものであり、その資産の予想される将来の経済的便益の減少を反映し得るものである。

 

【無形資産】
本改訂において、無形資産の使用を含む活動から生成される収益は、通常、その資産の消費に直接関連しない要因(例えば、他のインプット及びプロセス、販売活動、販売数量及び販売価格の変動)も反映しているため、償却方法として適切ではないと推定される。ただし、以下のいずれかの限られた場合においては、この推定を覆すことができる。

  • 無形資産が収益の測定値として表現される場合
  • 収益が無形資産の経済的便益の消費と強い相関があることを証明できる場合

本改訂において、無形資産に固有の主要な制約要因に着目して償却方法を決定する考え方が示されている。例えば、無形資産を利用するための契約において、その無形資産の利用権が特定の年数、生産量または収益額に制限されているケースがある。このような場合は、主要な制約要因を識別することが、適切な償却方法を決定するにあたっての出発点となるが、予想される経済的便益の消費パターンをより密接に反映する他の要因に基づいて償却方法を決定することもできる。

また、本改訂により、無形資産に固有の主要な制約要因が、収益額に関する閾値を達成することである場合には、生成される収益が償却の基礎となり得ることが示された。ただし、償却の基礎となる収益額が、契約で定められていることが条件となっている。なお、収益が無形資産の主要な制約要因となる次の2つのケースが例示されている。

 

  • 金鉱から金を採掘する権利

企業が金鉱から金を採掘する権利を有しており、契約期間や採掘量でなく、採掘した金の売却収益の累計額が収益額に関する閾値(例えば、収益の累計額が20億通貨単位)に達したら契約が終了する場合は、収益に基づいてその無形資産を償却することが適切であると考えられる。

  • 有料道路の運営権

企業が有料道路の運営権を有しており、通行料金の累計額が収益額に関する閾値(例えば、1億通貨単位)に達したら契約が終了する場合は、収益に基づいてその無形資産を償却することが適切であると考えられる。

 

なお、本改訂では、無形資産を使用して製造したアイテムの予想される販売価格の下落は、その資産の予想される技術的または経済的な陳腐化を示唆し得るものであり、その無形資産の予想される将来の経済的便益の減少を反映し得ることが明確化されている。

適用日

本改訂は、2016年1月1日以降に開始する会計年度から将来に向かって適用される。早期適用は認められるが、早期適用する場合は、その旨を開示しなければならない。

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