最終源泉税の基礎と最近の動向 | KPMG | JP
close
Share with your friends

最終源泉税の基礎と最近の動向

最終源泉税の基礎と最近の動向

フィリピンの税務実務 第1回 - フィリピンには他国同様に源泉徴収の仕組みがあり、控除源泉税(Creditable Withholding Tax)と最終源泉税(Final Withholding Tax)の2つの制度が存在します。控除源泉税とは、源泉徴収義務者により代理徴収される税のうち、所得受領者のフィリピンでの法人所得税から控除することが可能なものをいい、フィリピン国内におけるサービス取引や不動産取引に広く適用されています。

関連するコンテンツ

一方、最終源泉税とは、源泉徴収義務者によって代理徴収される税のうち、当該税金の支払いによりフィリピンでの課税関係が完結するものをいい、配当やロイヤルティーの支払いといった取引に適用されます。最終源泉税は、国際取引にも適用されるため、租税条約適用に関する議論を伴います。

第1回目となる本稿では、フィリピンにおける最終源泉税の基本的な仕組みや課税関係を概説するとともに、租税条約適用に関する注意点、租税条約適用をめぐるフィリピンの税務当局の最近の動向について解説を行います。以下本稿では、特段の断りがない限りフィリピンの子会社が支払い手となり、日本の親会社がフィリピンの子会社から利益を得る取引について見ていきます。

ポイント

  • 日本の親会社がフィリピンの子会社からロイヤルティー、利息、配当を受け取る場合、通常はフィリピンで課税対象となる。また、サービスフィー(技術指導料や経営管理料等)は、フィリピンでサービスが提供された場合にフィリピンで課税対象となる。
  • 上記取引に係るフィリピンでの最終源泉税は、日比租税条約の適用により、軽減・免除が可能となるが、租税条約の適用にあたっては租税条約救済手続(TTRA)が必要になる。
  • TTRAは、租税条約の適用を行う前に申請する必要があり、手続きに瑕疵がある場合、税務当局は租税条約の適用を認めないという立場をとっている。
  • 近時の最高裁判例において、TTRAは納税者の権利を確認するための手続きであって、租税条約のメリットそのものを否定する効力を有さないとの見解が示され、実務上、混乱が生じている。

内容

  1. 最終源泉税の基礎
    1. 最終源泉税の仕組み
    2. 最終源泉税の対象となる所得の種類と源泉地の判定
    3. 税率
    4. 源泉徴収義務の発生時点
  2. 租税条約救済手続
    1. 租税条約救済手続
    2. TTRAの申請の時期
    3. 申請に必要な書類
  3. 租税条約の適用に関する最近の動向
    1. TTRAの申請の現状
    2. ドイツ銀行マニラ支店のTTRAに関する最高裁判例
  4. まとめ

執筆者

KPMG フィリピン マニラ事務所
プリンシパル 遠藤 容正

KPMG フィリピン マニラ事務所
マネジャー 矢冨 健太朗

フィリピンの税務実務

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信