企業結合会計基準等の改正に伴う実務指針改正案の公表 | KPMG | JP

企業結合会計基準等の改正に伴う実務指針改正案の公表

企業結合会計基準等の改正に伴う実務指針改正案の公表

企業結合会計基準等の改正に伴う実務指針改正案の公表 (日本公認会計士協会 平成25年11月11日)日本公認会計士協会より、平成25年9月に公表された企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」、同第22号「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正に対応する所要の改正を行うために、会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」以下の関連する実務指針の改正案が公表されました。コメント期間は平成25年12月6日までとなっています。

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1.非支配株主との取引

連結会計基準の改正により、子会社株式の追加取得および一部売却等が資本取引とされたことに対応して、実務指針の関連個所を改正する。

1)親会社持分の変動による差額に関連する法人税等の処理

子会社の時価発行増資等において、持分比率の変動により生じた親会社の持分変動による差額は一時差異に該当し、従前の取扱いにしたがって繰延税金資産・負債の計上可否を判断する。計上額は資本剰余金から控除する(6号40項)。

子会社株式を追加取得により生じた親会社の持分変動による差額(親会社持分の増加と追加投資額との差額)は一時差異に該当し、上記と同様に繰延税金資産・負債の計上可否を判断する。計上額は資本剰余金から控除する(6号40-2項)。

投資の一部売却後も支配関係が継続する場合の税効果会計の取扱いを明確にする。投資を一部売却する意思決定がなされ、子会社への投資に係る一時差異について繰延税金資産・負債を計上しているときには、投資の売却により一時差異が解消するときに、法人税等調整額を相手勘定として、繰延税金資産・負債を取り崩す。その上で、親会社の持分変動による差額に係る法人税等相当額について、法人税等を相手勘定として資本剰余金から控除する(6号40-3,57-2項,設例4-2)。

<設例>

前提
・子会社株式の一部を売却したが、売却後も支配関係は継続している。
・売却年度の前年度に子会社株式の一部売却の意思決定を行い、繰延税金負債13を計上している。
・個別財務諸表上の子会社株式の売却原価は200であったが、連結財務諸表上の修正により売却原価は232となった。

  個別財務諸表 連結財務諸表
売却額 300 300
売却原価 200 232
売却益 100
資本剰余金
(税額控除前)
68
法人税等
(税率40%)
40 27
当期純利益 60
資本剰余金 41

売却年度の連結修正仕訳

2)子会社株式を一部売却し、支配を喪失して関連会社になった場合の取扱い

連結財務諸表上、子会社に帰属するその他の包括利益累計額のうち一部売却に係る部分については、子会社株式の売却により連結上の実現損益となるため、子会社株式売却益の修正に含めない。当該実現損益は、当期純損益を構成するため組替調整額の対象となる(7号45項)。

支配獲得後に追加取得が行われているときには、支配喪失直前の持分のうち追加取得した持分から先に売却したと考えて、のれんの未償却額の減額処理を行う。実務上やむを得ない場合(支配獲得後の頻繁な持分変動等)には、売却時点の持分比率に基づき算定された額など合理的に算定された額をもってのれんの未償却残高として引き継ぐことができる(7号45-2,66-5項)☆

3)子会社株式を売却し、連結範囲から除外する場合に過去に計上した資本剰余金の処理

支配を喪失して連結範囲から除外する場合でも、子会社株式の追加取得および一部売却等によって生じた資本剰余金は、引続き、連結財務諸表上、資本剰余金として計上する(7号49-2項)。

4)子会社株式の一部売却に伴う為替換算調整勘定の処理

持分変動により支配を喪失した場合、為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額は、株式売却損益を構成し連結損益計算書に計上する(4号42-2項)。

持分変動によっても支配関係が継続される場合、為替換算調整勘定のうち親会社の持分の減少割合相当額は資本剰余金に含めて計上する。左記については、支配を喪失し、連結範囲から除外する場合でも、引続き、連結財務諸表上、資本剰余金として計上する(4号42-3項,設例13)。

2.取得関連費用の取扱い

企業結合会計基準の改正により、取得関連費用が発生時に費用処理することとされたことにともない、実務指針の関連個所を改正する。

企業結合会計基準の取得関連費用と、金融商品実務指針により子会社株式の取得原価に含められる付随費用の関係を明らかにする。企業結合会計基準における取得関連費用は、個別財務諸表において子会社株式に含まれる付随費用だけではなく、より広い範囲の支出が含まれるが、連結財務諸表においては企業結合時に費用処理されるとともにその内容について注記が求められる(金融商品Q&A15-2)。

子会社株式に含まれる付随費用を連結上費用処理したことにより、子会社への投資の個別財務諸表表上の価額と連結財務諸表上の価額に差額が一致しない場合、当該差額は連結財務諸表固有の一時差異に該当する(6号29-3項)。

株式の段階取得により支配を獲得する場合、支配獲得前に保有していた株式の取得原価に含まれている付随費用は段階取得に係る損益として処理される(7号8項)。

子会社株式の売却時に、付随費用は個別財務諸表上の売却原価に含まれるが、連結財務諸表上の売却持分には含まれないこととなるが、当該差額については、子会社株式売却益の修正としては取り扱わない。当該差額の修正は、子会社が連結子会社または関連会社のいずれにも該当せず連結範囲から除外される際に、連結株主資本変動計算書上の利益剰余金の区分に連結除外伴う剰余金減少高(または増加高)等その内容を示す適当な名称をもって計上する(7号46-2項)。

支配を喪失して、子会社から関連会社となり、持分法を適用することとなった場合には、連結財務諸表上、関連会社株式の投資原価には過年度に費用処理した支配獲得時の取得関連費用を含めない(7号46-2項)。

子会社が連結子会社および関連会社のいずれにも該当しなくなった場合の残存投資の連結財務諸表上の投資の評価額(個別財務諸表上の帳簿価額)には付随費用が含まれる(7号46項)。

持分法では、取得関連費用が投資原価に含まれることを明確にする(9号2-2項)

3.その他

1)複数の取引が一つの企業結合等を構成している場合の取扱い

子会社を段階的に取得する場合や売却する場合においても、複数の取引が一つの企業結合を構成している場合には、連結実務指針上、企業結合会計基準にしたがい、一体として取り扱うことを明確にする。一体として取り扱われるのは、複数の取引が1事業年度(1四半期会計期間を含む)内に完了する場合であると考えられるが、事前に契約等により複数の取引が明確に一つの企業結合等を構成している場合には、事業年度をまたぐときもある(7号7-3項)。

上記により一体として取り扱う場合、支配獲得後に取得した取引から計上されるのれんについては、支配獲得時にのれんが計上されていたものとして算定し、追加取得時までののれん償却相当額を追加取得時に一括して費用として計上する(7号7-4,66-4項)。

2)キャッシュ・フロー計算書の表示

子会社株式の取得関連費用に係るキャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する(8号8-2,8-3項)。

連結範囲の変動をともなわない子会社株式の取得または売却に係るキャッシュ・フローについては、当該変動に関連するキャッシュ・フロー(関連する法人税等に関するキャッシュ・フローを除く)を、非支配株主との取引として「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する(8号9-2項)。

3)その他

持分法適用非連結子会社の取得関連費用および親会社の持分変動による差額の会計処理については、連結子会社と同様の会計処理によらないことが認められる(9号3-2項)。

退職給付に係る調整累計額は、持分法適用会社の個別財務諸表上は計上されていないが、持分法の適用に際して、投資の日(持分法適用日)以降の変動額のうち投資会社の持分または負担に見合う額を増減する必要がある(9号10-2項)。

4.公表された実務指針案

  • 会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
  • 同第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」
  • 同第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」
  • 同第7号(追補)「株式の間接所有に係る資本連結手続に関する実務指針」
  • 同第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
  • 同第9号「持分法会計に関する実務指針」
  • 「土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A」
  • 「金融商品会計に関するQ&A」

5.適用時期等

平成25年改正企業結合会計基準等の適用と同時に適用する(平成28年3月期から。ただし、平成27年3月期より早期適用可)。

平成25年改正連結会計基準適用前に発生したのれんについて、支配を喪失して関連会社になった場合の減額処理を行う場合(☆)、改正基準適用時点におけるのれんの未償却残高を基礎として、売却後の持分に対応するのれん残高を算定する(7号適用2)

キャッシュ・フロー計算書の表示の改正(非支配株主との取引および取得関連費用)については、改正基準の経過規定をふまえ、比較情報の組替えは行わない(8号50項,適用)。

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