OECD移転価格ガイドライン(OECD Transfer Pricing Guideline) | KPMG | JP

OECD移転価格ガイドライン(OECD Transfer Pricing Guideline)

OECD移転価格ガイドライン(OECD Transfer Pricing Guideline)

正式には、Transfer Pricing Guidelines for Multinational Enterprises and Tax Administrations(多国籍企業及び税務当局のための移転価格ガイドライン)といい、OECD租税委員会が、多国籍企業に関する移転価格及びそれに関連する税務上の問題について、各国の税務当局と多国籍企業双方にとっての解決の方策を示した指針のことをいう。実務においては簡略化して「OECDガイドライン」と呼ばれることが多い。

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OECDガイドライン自体は法的拘束力を持つものではないが、OECD加盟国の総意の上で取りまとめられており、先進国を中心とした国際的コンセンサスとして機能している。わが国においても、移転価格税制及びその執行において、OECDガイドラインに基づく国際的コンセンサスを尊重しており、税務上の規定も、OECDガイドラインとほぼ整合するものとなっている。

OECDガイドラインは、二重課税の防止及び移転価格税制の公正な適用を目的に1979年に作成され、その後、OECDでは、経済のグローバル化及び技術の進歩等による国際経済の急激な変化に対応するために、1993年以降、租税委員会において検討が重ねられている。

このガイドラインに関する主な改訂は次の通りである。
最初は1995年に行われた改訂で、取引単位営業利益法の導入と伝統的取引基準法(日本でいう基本三法)の優先適用の採用等が定められた。次の2010年に行われた改訂では、移転価格算定方法や比較可能性分析などを定める第1章~第3章が全面的に改訂された。主な改訂事項には、伝統的取引基準法の優先適用に代わる最適方法ルールの採用と、これに伴い「取引単位利益法」という新しい概念に分類されることとなった取引単位営業利益法(TNMM)と利益分割法(PS法)の適用ガイダンスの拡充などがある。改訂は細部にわたっており、事例も格段に増えた抜本的なものであった。さらにはこの改訂で第9章が新設され、事業再編(restructuring)に係る移転価格上の取扱いについてのガイダンスが導入された。

近年、多国籍企業等が国外関連取引により国際的二重非課税の状況を生み出しているいわゆる税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)について歯止めを掛けるため、OECDが行動計画を示している。その行動計画にはOECDガイドラインに関係する内容もあることから、OECDは行動計画に応じたOECDガイドライン改訂を検討している。

2015年10月にはBEPS最終報告書が公表された。その最終報告書の一項目(行動計画13「移転価格文書及び国別報告書」)として、OECDガイドラインの第5章「移転価格文書化」を改訂する内容が示された。この新たな移転価格文書化制度は、多国籍企業グループに対して3種類の移転価格文書(マスターファイル、CbCレポート、ローカルファイル)の作成を要求する内容であり、これにより、多国籍企業のグローバルな活動内容の実態について透明性を高め、各国税務当局が必要な情報を適切に把握できるようにすることが目的とされている。また、OECD移転価格ガイドラインの第1章(独立企業原則)、第2章(移転価格算定方法)、第6章(無形資産に対する特別の配慮)、第7章(グループ内役務提供に対する特別の配慮)及び第8章(費用分担取極)の改訂案が示され、バリュー・チェーンにおける取引単位利益分割法及び金融取引については、今後の検討課題とされた。

2017年5月には今後の税制改正の方向性に影響すると思われるディスカッションドラフトが公表され、主に2つの論点が明示された。1つは、OECD移転価格ガイドラインの第2章(移転価格算定方法)における取引単位利益分割法の具体的な修正案が提示されたことである。もう1つは、OECDガイドラインの第6章(無形資産に対する特別の配慮)に新たな節が設けられ、所得相応性基準の具体的な適用範囲や方法について明示されたことである。

2017年7月には上記のBEPS最終報告書及びディスカッションドラフトの内容を基に、2010年以降、全面改訂となる移転価格ガイドラインが公表されている。

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