相互協議(Mutual Agreement Procedure)

相互協議(Mutual Agreement Procedure)

相互協議とは、日本又は国外関連法人の所在地国における移転価格課税等により国際的な二重課税が生じた場合において、これを排除する目的で、租税条約の相互協議条項に従い、日本と相手国(租税条約締結国)の権限ある当局間で行われる政府間協議のことをいう。

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また、移転価格課税等による国際的二重課税の排除を目的とする相互協議に加えて、企業の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、事前確認に係る相互協議も行われている。いずれも、企業からの申立てがあってはじめて開始される。

なお、「相互協議」の特徴は、権限ある当局間の直接協議であることであり、これは政府間での非公開協議であるため、原則として納税者が直接協議に参加することはできない。また、相互協議は権限ある当局同士の「合意努力義務」であり、必ずしも合意する義務はないため、合意に至らない可能性がある点には留意が必要である。

2014年度において、APAの申請件数は121件と増加傾向にある。一方で合意された件数は100件にとどまり、継続案件は330件を記録している。尚、APAの申請件数の増加だけでは無く、対象となる相手国が多様化していることも本邦におけるAPA・相互協議の特徴の一つとして挙げられる。前述の通り、BRICSやその他のアジア諸国と言った取引相手国の多様化と、こうした国に所在する国外関連者との取引に係る調査・課税の件数の増加に伴い、本邦税務当局が協議を行う相手国も多様化している。APAが合意に至った案件数としては依然として米国が最も多く、その他に英国、フランス等の欧州諸国との合意件数も多いが、近年ではオーストラリア、中国、韓国、タイ、インド、インドネシア、シンガポール、香港と言ったアジア・オセアニア地域の国との協議・合意件数が増加傾向にある。こうした状況を踏まえ、本邦税務当局としても体制を強化しており、人員の拡大の他、各国税務当局とのネットワークの拡充や情報交換制度を通じた情報収集の強化に取り組んでいる。そのため、各国との租税条約の改定を順次進めており、情報交換制度に基づく情報収集件数も近年は毎年約30万件にのぼるなど、体制の強化が進められている。

相互協議の発生・処理・繰越件数

事務年度
(自7月1日 至翌年6月30日)
相互協議事案の種別 合計
事前確認 移転価格課税 その他
2012年度 発生 131 30 6 167
処理 129 33 8 170
繰越 291 48 17 356
2013年度 発生 152 37 8 197
処理 141 21 12 174
繰越 302 62 15 379
2014年度 発生
149 35 3 187
処理 121 13 7 141
繰越 330 84 11 425

(出典:国税庁ホームページ

相互協議の典型例1

移転価格課税後の手続

移転価格課税事案において、相互協議が合意に至った場合には、移転価格課税が行われた相手国において対応的調整を行うこととされており、合意内容に応じて減額更正を行い、それに対応する税額を還付することにより、国際的二重課税が解消される仕組となっている。

相互協議の典型例2

事前確認制度(Advance Pricing Agreement)の申請(対米国のケース)

2カ国以上の国を対象とした事前確認においては、政府間の合意を得るための相互協議の申立てを事前確認と併せて行う必要がある。

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