事業分離会計 | KPMG | JP

事業分離会計

事業分離会計

事業分離は、会社分割、事業譲渡などにより、ある企業を構成する事業を他の企業(新設される企業を含む)に移転することをいい、企業会計基準第7号「事業分離等に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準委員会)が適用されます。これらについては平成25年9月に改正が行われ、平成28年3月期(早期適用の場合は平成27年3月期)から適用されます。

関連するコンテンツ

事業分離会計では、企業結合会計と整合的に、分離元企業の投資が継続しているとみられる場合には簿価承継、投資が清算したとみられる場合には時価での譲渡・交換として会計処理します。

具体的処理は、事業分離における分離元企業の会計処理としては、対価の種類と分離先企業等の属性の組み合わせにより、以下のように定められています。ただし、例えば、買い戻し条件が付されているなど、重要な継続的関与がある場合は移転損益を認識することはできないものとされ、実質判断の結果、移転損益を認識しないことになるケースも考えられます。

事業分離のイメージ

1)受取対価が現金等の財産のみの場合

分離先企業が子会社となる場合、現金等の財産を移転前に付された適正な簿価で受入処理し、移転した事業に係る株主資本相当額との差額を移転損益として認識します。連結財務諸表上は、移転損益は未実現損益に準じて消去します。なお、分離先の子会社は親会社の簿価を承継し、差額をのれん(負ののれん)として計上します。

分離先企業が関連会社となる場合、受取対価を時価で受入処理し、移転損益を認識します。連結財務諸表上は、移転損益は、未実現損益に準じて消去します。

分離先企業が子・関連会社・共同支配企業以外となる場合、受取対価を時価で受け入れ処理し、移転損益を認識します。連結財務諸表上は、移転損益の消去は行いません。

受取対価が現金等の財産のみの場合の分離型企業の会計処理

分離先企業 移転損益の認識 移転損益の算定 連結上の処理
子会社 する ※1 移転損益は、未実現損益の消去に準じて処理する
関連会社 ※2
その他 連結上の処理はない

※1 受取対価の移転前の適正な簿価 - 移転した事業に係る株主資本相当額
※2 受取対価の時価 - 移転した事業に係る株主資本相当額

2)受取対価が株式のみの場合

分離先企業が子会社となる場合、子会社株式の取得原価は移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定し、移転損益は認識しません。連結財務諸表上は、のれんの計上と持分変動差額の会計処理を行います(平成25年改正基準では、親会社持分の変動額を資本剰余金に計上します)。なお、分離先企業の支配を獲得した場合で、先行取得していた株式があるときは、連結上、段階取得に係る損益を認識します。

分離先企業が関連会社となる場合、関連会社株式の取得原価は移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定し、移転損益は認識しません。連結財務諸表上は、投資に含まれるのれんの算定と持分変動差額の会計処理を行います。

分離先企業が子・関連会社・共同支配企業以外になる場合、原則として移転損益を認識します。

受取対価が株式のみである場合の分離元企業の会計処理

分離先企業
移転損益の認識
株式の取得原価の算定
事業分離前
分離後
株式保有なし 子会社 認識しない 移転した事業に係る
株主資本相当額による
関連会社
またはその他投資先
子会社
株式保有なし 関連会社
その他投資先
関連会社
その他 その他投資先 認識する ※1

※1 移転した事業の時価または分離先企業の株式の時価のうち、より信頼性の高い時価による

3)受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合

分離先企業が子会社となる場合、現金等の財産の適正な簿価が、移転した事業の株主資本相当額を上回る場合についてのみ移転利益を認識し(取得する分離先企業株式の取得原価はゼロ)、下回る場合には、分離先企業の株式の取得原価とします。移転利益を認識する場合に、分離した事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合には、「事業分離による株式の特別勘定」を計上します。なお、分離先企業の支配を獲得した場合で、先行取得していた株式があるときは、連結上、段階取得に係る損益を認識します。

分離先企業が関連会社となる場合、分離先企業で受け取った現金等の財産は、原則として時価で計上し、移転した事業に係る株主資本相当額を上回る場合には、原則として移転利益を計上し、下回る場合には、分離先企業の株式の取得原価とします。

分離先企業が子会社・関連会社以外となる場合、受取対価は、現金等の財産の時価および株式の時価で計上し、原則として移転損益を認識します。

受取対価が現金等の財産と株式の場合の分離元企業の会計処理

分離先企業 移転損益の
認識
移転損益の
算定
株式の取得原価の算定
事業分離前 分離後
株式保有なし 子会社 移転利益を
認識する
※1 ※4
関連会社またはその他投資先
子会社
株式保有なし 関連会社 ※2 ※5
その他投資先
関連会社
その他 その他投資先 移転損益を
認識する
※3 ※6

※1 現金等の財産の移転前に付された適正な簿価が移転した事業に係る株主資本相当額を上回る場合の差額

※2 現金等の財産の時価が移転した事業に係る株主資本相当額を上回る場合の差額

※3 現金等の財産の時価および分離先企業の株式の時価 - 移転した事業に係る株主資本相当額

※4 現金等の財産の移転前に付された適正な簿価が移転した事業に係る株主資本相当額を下回る場合の差額

※5 現金等の財産の時価が移転した事業に係る株主資本相当額を下回る場合の差額

※6 移転した事業の時価または分離先企業の株式の時価のうち、より信頼性の高い時価による

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信