日本版SOX法(日本版企業改革法、JSOX法) | KPMG | JP

日本版SOX法(日本版企業改革法、JSOX法)

日本版SOX法(日本版企業改革法、JSOX法)

財務報告に係る開示と会計監査制度の信頼性の向上を目的に実施されつつある一連の内部統制改革を指し、日本版企業改革法、SOX法、JSOX法の制度化などといわれることがあります。

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実際には、日本版SOX法、JSOX法という法律が存在するわけではありませんが、米国における通称「企業改革法」(サーベンス・オクスリー法、SOX法、正式には、Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002)中の「財務報告に関する開示の強化」を倣った制度の導入を志向している部分があり、日本版SOX法等といわれることがあります。

2006年6月に成立した金融商品取引法では、財務報告に関する内部統制に関連し、経営者による評価・内部統制報告書の作成と監査人による監査証明の義務化が定められており、先の米国SOX法の第4章部分に類似した制度の枠組みが制定されました。

金融商品取引法-財務報告に係る内部統制に係る部分

一般的にJSOX法といわれる内容は、金融商品取引法第24条の4の4第1項に定める上場会社等における内部統制報告書の提出義務、及び、同193条の2第2項に定める提出する内部統制報告書に対する公認会計士又は監査法人による監査証明の義務を指していることが多いと思われます。すなわち、経営者は自らの責任において、財務報告に係る内部統制について、方針の決定・計画・整備を実行し、その整備況・運用状況を評価し、内部統制報告書を作成・提出することが求められます(2008年4月1日以降に開始する事業年度)。そして、監査人は経営者の行う評価及び結果を対象に監査を実施し、監査証明として意見を表明することが求められます。

具体的な考え方や内容は、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方・同基準案(2005年12月8日公表)」、及び基準を補完する実務的ガイドラインでもある「実施基準案(2006年11月21日 公開草案)」に見ることができます。

SOX法といわゆるJSOX法の比較

米国企業改革法は、11章から構成されています。

第1章
公開会社会計監視委員会
第2章
監査人の独立性
第3章 会社の責任
第4章 財務ディスクロージャーの強化
第5章 証券アナリストの利益相反
第6章 証券取引委員会の財源と権限
第7章 調査および報告
第8章 2002年企業不正および刑事的不正行為説明責任
第9章 ホワイトカラー犯罪に対する罰則強化
第10章 法人税申告書
第11章 企業不正および説明責任

が定められ、資本市場の信頼性の強化、投資家の保護を目的に広範な制度改革・充実を図っているものです。

その中で通称日本版SOX法といわれる部分は、上記の第4章の一部に相当するといわれます。他の章に関係し、いくつかの制度が導入され、また検討中といわれています。例えば、第1章に相当するものとして公認会計士・監査審査会が設置され、既に活動を開始しています。

第2章に関連し、公認会計士法が改正され、監査人の独立性が強化されています。また、第3章に関連し、会社代表者による確認書の提出が任意制度として内閣府令に定められ、金融商品取引法第24条の4の2第1項において義務付けられました。その他、財務報告に係る開示、内部統制報告書の記載・提出に関連し、様々な課徴金や罰則が定められています。また、2005年5月に施行された会社法において企業の適正を確保するための体制(内部統制システム)構築の基本方針について決議を行い(大会社・取締役会設置会社)、その決議の内容を事業報告に開示することが求められました。

こうして見ると、一般的に日本版SOX法といわれるものは、米国SOX法の一部に類似した制度のようです。米国SOX法はわが国の開示制度に大きな影響を与え、実際に様々な法律や制度を通じ類似した制度が検討・導入されつつあるともいえます。

内部統制改革に関する動き

2003年4月
商法改正(委員会等設置会社における内部統制システム構築が義務化)内閣府令第28号が施行(コーポレートガバナンス、内部統制事項の開示が義務化、代表者確認書を任意で添付することが定められた)
2004年4月
改正公認会計士法(公認会計士・監査審査会が発足、独立性の強化)
2005年1月 東京証券取引所が有価証券報告書等の適正性に関する確認書、適時開示に係る宣誓書を義務化
2005年2月 大阪証券取引所、ジャスダック証券取引所等において有価証券報告書等の適正性に関する確認書、適時開示に係る宣誓書が義務化
2005年6月 会社法成立(企業における内部統制システム構築の基本方針策定の義務化)
2005年7月 金融庁(企業会計審議会内部統制部会)が「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(公開草案)」を公表
2005年12月 金融庁(企業会計審議会内部統制部会)が「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」を公表(基準案の公表)
2006年5月 会社法施行(企業の適正を確保するための体制構築の基本方針策定の義務化)
2006年6月 金融商品取引法成立(「証券取引法等の一部を改正する法律」「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」)
2006年11月 「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準案」のガイドラインに相当する実施基準が公表(公開草案)

金融商品取引法からの抜粋

金融商品取引法24条の4の4 第1項

第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制について、内閣府令で定めるところにより評価した報告書(以下「内部統制報告書」という。)を有価証券報告書(同条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあっては、当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。

金融商品取引法193条の2 第2項

金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社その他の者で政令で定めるものが、第二十四条の四の四の規定に基づき提出する内部統制報告書には、その者と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならない。ただし、監査証明を受けなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。

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