IFRS保険会計(IFRS第4号 保険契約)

IFRS保険会計(IFRS第4号 保険契約)

保険会計について包括的な基準を導入するために、国際財務報告基準(IFRS)における保険会計の議論は、既存の各国会計基準に対して短期的に達成可能な限定的改訂を行うフェーズIと、抜本的改善を目指すフェーズIIから構成されています。

関連するコンテンツ

フェーズIの成果は、2004年に国際会計基準審議会(IASB)から公表されたIFRS第4号「保険契約」です。フェーズIはフェーズIIに向けた足掛かりという位置付けのため、現行のIFRS第4号は各国における既存の会計処理を基本的に容認しつつ、最低限満たすべき要件を追加で定めるという、暫定的基準となっています。

一方、フェーズIIでは、現行のIFRS第4号公表後の議論の成果として、2010年に公開草案「保険契約」が公表されています。この公開草案では、以下のような目的を掲げ、現行の保険会計実務の大幅な変更・改善が提案されています。

  1. 財務諸表利用者が経済的意思決定を行うために、保険者が目的適合性のある情報を提供するための包括的フレームワークを提供する。
  2. 現行のIFRS第4号を置き換えることにより、現行の会計実務の不整合や弱点を解消する。
  3. 企業間、国・地域、資本市場間の比較可能性を提供する。

これらの目的を達成するため、この公開草案で採用されている基本コンセプトは、以下のとおりです。

保険契約の定義と適用範囲の明確化

保険契約の「履行」にもとづく保険契約負債の経済価値測定モデルの採用

  • ビルディング・ブロック手法による保険契約負債の測定(履行キャッシュ・フロー、貨幣の時間価値、リスク調整、残余マージンの4ブロック)
  • ロックフリーの採用(各報告期間末における市場整合的な測定)
  • マージン概念の導入

表示の改善等

  • 要約マージン方式による包括利益計算書の表示

その後、この公開草案に寄せられたコメント等を踏まえて、IASBは最終基準化に向けた議論を継続して行いました。この議論には、保険契約負債の基礎となっている資産の評価(主にIFRS第9号「金融商品」)や、一般的な収益認識基準(公開草案「顧客との契約から生じる収益」)との関連性・整合性も含まれています。その結果、主に以下のような論点において公開草案からの変更および明確化が提案されており、これらを反映した再公開草案の公表が2013年第2四半期に予定されています。

有配当契約の測定に使用されるキャッシュ・フローは、基礎となる項目の会計処理に使用されるキャッシュ・フローにもとづく(ミラーリング・アプローチ)

包括利益計算書上、保険料を表示する

  • 保険料のうち投資要素に関連する金額は、包括利益計算書上で表示する保険料から控除する
  • アーンド・プレミアム・アプリーチにもとづいて、各期の包括利益計算書に保険料を配分する

将来キャッシュ・フローの見積りの変動を、残余マージンを用いて相殺する(残余マージンのアンロック)

保険契約負債の測定に使用した割引率の変動に伴う保険契約負債の変動額を、その他の包括利益に表示する

移行措置に関する規定(可能な限り遡及的に保険負債を測定し、残余マージンを計上)

関連するKPMGのサービスライン

ビジネスキーワード

ビジネスキーワード

最新キーワードをわかりやすく解説しています。

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信

新デジタルプラットフォーム

新機能の実装と新デザイン