内部通報制度

内部通報制度

内部通報制度とは、企業において、法令違反や不正行為などのコンプライアンス違反の発生またはその恐れのある状況を知った者が、そのような状況に適切に対応できる窓口に直接通報することができる仕組みのことです。名称は、「ヘルプライン」「ホットライン」「コンプライアンス相談窓口」などさまざまです。

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コンプライアンス経営において重要な役割を果たす「情報伝達」には、上司やコンプライアンス担当者などを経由する通常ルートと、通常ルートが何らかの理由で機能しない場合の非常時のルートが必要であり、内部通報制度は後者の伝達ルートとして位置づけられます。内部通報制度は、企業のコンプライアンス経営を有効に機能させるうえで重要な役割を担っている制度なのです。

内部通報制度導入の動向

米国では、1990年前後に企業の不祥事を背景とした法令などの整備が行われ、コンプライアンス経営の進展とともに内部通報制度の導入が進みました。米国の研究機関が1994年に実施した調査によると、同国の有力企業の3分の2が内部通報制度を有しているという結果が出ています。

一方、日本では、「目安箱」など密告制度というと暗いイメージがつきまとい、以前は導入をためらう企業が多く見受けられました。

しかし、日本でも内部告発に端を発した不祥事が続発したことを背景として、2002年10月に日本経済団体連合会が「企業行動憲章」を改訂し、「企業倫理ヘルプライン」(内部通報制度)の導入を奨励しました。そのこともあって、徐々に内部通報制度を導入する動きが広がってきました。

さらに、2004年6月に「公益通報者保護法」が制定(2006年4月施行)されたことから、日本でも急速に内部通報制度を導入する動きが活発化しています。内閣府が2004年10月に実施した国内一部上場企業を対象としたアンケート調査(回答企業776社、回収率50.1%)によれば、すでに内部通報制度を導入している企業は40%で、今後整備を検討するとした企業がさらに51%あり、整備する予定がない企業は8%にとどまりました。

内閣府ではホームページなどを通して、『公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン』(2005年7月19日)を公表し、事業者がコンプライアンス経営への取組みを強化するために、内部通報を事業者内で適切に処理するための指針を示しています。

内部通報制度整備上の留意点

内閣府が示した『公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン』の概要は以下のとおりです。

1. 事業者内での通報処理の仕組みの整備

  • 全社的かつ一貫した仕組みとしての整備
  • 通報窓口・相談窓口の整備(外部を含めた窓口機能の検討)
  • 内部通報制度規程の整備(規程の事例紹介あり)
  • 秘密保持の徹底
  • 受付担当者・調査担当者の利益相反関係の排除

2. 通報の受付

  • 通報者に対する通報受領の通知
  • 公正・公平・誠実な通報内容の検討
  • 個人情報の保護

3. 調査の実施

  • 調査と個人情報の保護
  • 調査状況・結果などの通報者への通知

4. 是正措置の実施

  • 是正措置・再発防止策・処分の徹底と関係機関等への報告
  • 是正措置等の通報者への通知

5. 通報者に対する解雇・不利益取扱いの禁止

  • 解雇・不利益取扱いの禁止

6. フォローアップ

  • 是正措置・再発防止策・不利益取扱いなどに関するフォローアップ

7. その他

  • 仕組みの周知・研修など

内部通報制度は、前述の内閣府ガイドラインをはじめ、多くの企業の導入事例があり参考になりますが、その仕組みや運営方法は、各企業の組織風土、規模・業種特性、さらにはその企業のコンプライアンス態勢によってさまざまな形態が考えられます。したがって、内部通報制度を有効なものとするためには、各企業のコンプライアンス態勢整備の一環(一部)として検討し、整備・運用していく必要があります。

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