贈収賄防止、FCPA | KPMG | JP

贈収賄防止、FCPA

贈収賄防止、FCPA

贈収賄は、取引の公正を歪め、適正な取引価格からの逸脱等により健全な経済活動を阻害するものです。特に、資源開発といった国家的プロジェクトにおいて、巨額の贈収賄が後を絶たず、国際的な問題となっています。

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贈収賄防止に向けた国際的な取組

OECDでは1997年、「贈賄が国際商取引(貿易及び投資を含む。)において広範にみられる現象であり、深刻な道義的及び政治的問題を引き起こし、良い統治及び経済発展を阻害し並びに国際的な競争的条件を歪めていることを考慮し」、世界的に外国公務員への贈賄を抑止及び防止するため、「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」(条約)を策定しています。
各国は、当該条約も踏まえ、贈収賄に対する法規制を整備しており、近時、特に米国や英国において、法規制の強化、また違反行為に対する厳罰化が顕著となっています。例えば、従来は、対公務員のケースが主な対象とされてきましたが、近時は、民間同士のケースも広く対象に含める傾向にあります。

FCPA

US Foreign Corrupt Practices Act ("FCPA”、海外腐敗防止法)は、米国における贈収賄に関する法規制です。内容は大きく、賄賂の禁止に関する定めと、是認される接待・贈答の帳簿・記録に関する定めからなり、対象は、対外国公務員、適用は、米国個人や米国上場企業となっています。
適用にみられるように、本来は米国内法ですが、域外適用が顕著となっている他、8億ドルのペナルティが課されるケースがある等、厳罰化も顕著となっています。本邦国内企業への適用事例もみられます。
なお、英国においても2011年、FCPAに対しより広範な範囲を定めた、UK Bribery Act 2010 (”UKBA”)が施行されています。既述の国際的な傾向の中で、対象には、対民間をも含む他、贈収賄そのものはもとより、防止態勢の不備にも厳格な姿勢で臨んでいる点が特徴的です。

本邦国内企業・金融機関に求められるもの

本邦国内においては、FCPAやUKBAのような厳格な法規制には至っていませんが、既述のOECDによる審査では、防止に向けた対応が十分ではないとの指摘を受けており、改善に向けた検討が進められている状況です。また、先に挙げたFCPAやUKBAの域外適用を念頭におくと、特に国際的にビジネスを展開する企業は、対岸の問題とは言えない状況にあります。金融機関にとっても、国際的や国家的なプロジェクトの資金調達等に関与する中で、無縁ではありません。先の本邦国内企業への適用事例では、直接の違反がない中、連座制が適用されており、取引企業が違反行為に手を染めていないかという観点でも対策が必要となります。

贈収賄防止の態勢整備

英米の先進企業・金融機関では、グローバルベースでのAnti Bribery & Corruption Program(”ABC”、贈収賄防止プログラム)を設定、実施しています。当該プログラムのフレームワークは、以下のとおりです。

ガバナンス
リーダーシップ
  • 経営の積極的なコミットメント
  • 透明性、誠実性の確保、贈収賄に対する断固たる非寛容姿勢と率先垂範
  • AB&Cコンプライアンスプログラムにおける明確な責任と権限
方針・手続
  • 寄付金、スポンサーシップ、ファシリテーションペイメント、贈与、接待、出張旅費、利益相反等にかかる明確な規定
  • 内部通報制度のアクセス容易性、利用者安全保護
予防 リスクアセスメント
  • 定期的かつ網羅的なリスクアセスメントによる企業体全体としての贈収賄にかかるリスクエクスポージャーの把握
  • 残差リスクを許容レベルに抑えるためのプログラム推進
デューデリジェンス
  • 潜在リスクを有するビジネス関係(サプライチェーン、代理人、仲介人、買収先、JV等)を網羅的にカバーしたデューデリジェンス方針・手続
  • 全ビジネスにおける適用
コミュニケーション・研修
  • 方針・手続の理解促進
  • 研修プログラムの実効性確保
  • 外部者への情報発信・教育
検知 報告態勢
  • ビジネスラインでの報告態勢
  • 財務その他のプロセス、システムを通した確認・検知
  • 記録の保存
コンプライアンス・モニタリング
  • コンプライアンス所管部によるモニタリング
  • 内部監査
  • 外部監査
対処 調査態勢
  • 調査の枠組(意思決定、チーム組成、独立性の確保、証拠の保全)
  • 危機管理(外部専門家、当局との連携・届出、情報管理・発信、機密保持)
対応策
  • 懲罰
  • 内外告知
  • 再発防止

 

このような諸要素をおさえ、海外拠点やグループ企業を含め、態勢整備を行うことが今後ますます重要となると考えられます。

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