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保険会社におけるERM

保険会社におけるERM

統合的リスク管理(ERM)は、企業全体のリスクを統合的に把握・評価し、リスクの全体最適により企業価値の最大化を目的とする経営管理上の仕組みです。

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IAIS(保険監督者国際機構)は、監督機関の観点から見た保険会社におけるERMフレームワークが重要であると認識しています。重要なリスク全体の影響を経済価値ベースで把握したうえで意思決定を行うプロセスを、保険会社のあらゆる経営局面に組み込むERM態勢を構築し、リスクベースの業績、資本十分性を確保するプロセスを保険会社が確立するよう、監督機関に求めています。具体的には、IAISが2011年に改定したICPs(Insurance Core Principles、保険基本原則)のうち、ソルベンシー目的の統合的リスク管理(ICP 16)に規定されています。

ICP 16におけるERMフレームワークおよび主な要求事項は以下のとおりです。

  監督機関が保険会社に要求すべき主な事項
リスクの特定と測定
  • 自社が抱えているリスクの性質・規模・複雑性に応じて、リスク・資本管理の目的およびソルベンシー目的のために、適切な技法を用いた、十分に広範囲なリスクの特定と定量化のためのフレームワークの構築
  • 対象リスク、使用した測定手法、使用した仮定の適切かつ詳細な文書化
リスク管理方針と投資方針
  • リスク管理方針における以下の説明と文書化
    • 事業戦略および日々の業務に関連する重要なリスクカテゴリーの管理方法
    • リスク許容度、規制上の資本要件、エコノミックキャピタルと、リスクモニタリングのプロセス・手法との関係
    • ALM活動の性質、役割、範囲と、商品開発、プライシング機能、投資管理との関係を明記したALMの方針
    • 引受リスクに関連する明確な方針
  • 投資方針へのリスク管理方針の反映
リスク許容度ステートメント
  • 総体的な定量的・定性的リスク許容度を記したリスク許容度ステートメントの作成・維持
  • 事業戦略におけるリスク許容度の利用
  • リスク管理方針を通じて、定義したリスク許容度を日々の業務への組み込み
リスク感応性とフィードバック
  • ERMフレームワークへの以下の組み込み
    • 内外の事象の変化に伴う、新しいリスク・情報を定期的に組み込むメカニズム
    • 良質の情報、マネジメントプロセス、目的分析を基礎としたフィードバックの流れ
リスクとソルベンシーの自己評価(ORSA)
  • リスク管理およびソルベンシーが現在及び近い将来において十分であるかを評価する、ORSAの定期的な実施と文書化
  • 取締役・経営幹部のORSAに対する責任
  • 合理的に予見可能な重要なリスクをすべて考慮
  • エコノミックキャピタルと規制上の資本を考慮
    • 自社のリスク許容度と事業計画を勘案し、事業運営により生じるリスクをカバーするために必要なリスク資本の総額の確定
    • 監督機関に対する規制上の資本要件の充足の証明
    • 資本調達源の質と十分性の評価
  • 事業継続性の分析
    • 規制上の資本要件を決定するにあたり、通常設定されるよりも長い期間での事業継続能力および事業継続のために必要なリスク管理・資金調達源の分析
    • 中長期的な事業戦略における定量的・定性的要素の組合せの検討
    • 将来の財政状態の予測および将来の規制上の資本要件の充足の分析

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