Embedded Value(エンベディッド・バリュー、EV)

Embedded Value(エンベディッド・バリュー、EV)

エンベディッド・バリュー(EV)とは、生命保険会社の企業価値・業績評価指標の1つで、貸借対照表の純資産の金額に必要な修正を加えた修正純資産の金額と、現時点の保有契約から生じる将来の利益の現在価値である保有契約価値を合計したものです。

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修正純資産は、財務会計上の株主資本に加え、実質的な資本として内部留保されている負債および有価証券の含み益などを加味して計算されます。

保有契約価値は、割引率、運用利回りなど、多くの前提条件を基礎として、保有契約から将来見込まれる利益を見積もって割引計算されます。

生命保険契約は、契約期間が非常に長期にわたるため、財務会計上の収益と費用の認識のタイミングに差が生じることになります。基本的に、新契約費など契約初期の段階で多額の費用が発生するのに対し、収益は契約期間を通じて保険料が回収されることにより実現します。したがって、単年度の損益を表す財務会計上の財務諸表だけでは生命保険会社の企業価値を正しく測定することが困難であるとの考え方から考案されたのがEVです。つまり、EVは保有契約から将来見込まれる利益を加味することによって、生命保険契約の特徴を反映した企業価値を測定する指標の1つとして、財務会計による数値を補完する情報を提供しています。

EVは、1990年代に欧州の生命保険会社を中心に採用が広がりました(伝統的エンベディッド・バリュー、Traditional Embedded Value、TEV)。TEVでは各社の手法が不統一だったため、欧州の大手保険会社のCFOが構成員となっているCFOフォーラムが2004年にヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則(EEV原則)とそのガイダンスを制定して、各社の比較可能性の向上を図りました。その後、2008年に、CFOフォーラムは、保有契約から将来見込まれる利益の測定において、リスクの反映を市場整合的手法にもとづいて行うための、市場整合的エンベディッド・バリュー原則(Market Consistent Embedded Value Principles、 MCEV原則)を制定(2009年改定)しました。この市場整合的手法は、資産および負債の将来キャッシュフローを市場と整合的に評価するもので、現在、導入の準備が進められている、欧州のソルベンシーIIや国際財務報告基準(IFRS)の保険契約(IFRS第4号フェーズII)における評価手法と整合的なものと考えられています。

日本においては、EVは財務会計上、開示が要求されていないものですが、近年、いくつかの保険会社は、自社のディスクロージャー誌等で自主的にEVを開示しています。

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