苦情管理 | KPMG | JP

苦情管理

苦情管理

社会的公共性も有する金融機関にとって、「顧客からの信認を確保するとともに、顧客ニーズを業務運営に生かしていく上で、相談・苦情等に対する主体的で迅速な対応は極めて重要」(近時の金融庁「検査基本方針」より)とされています。(なお、当該対応には、近時導入された金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)への対応も含まれます。)

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この点は、金融庁「検査マニュアル」において、「法令等遵守態勢」とは別項で「顧客保護等管理態勢」の項を設けたうえで、さらにその中に個別に、相談・苦情に関する「顧客サポート等管理態勢」を設けていることからも窺えます。

これは、苦情を未然に防ぐことの重要性はもとより、苦情が、自社における業務設計や運用上の問題の顕れであり、業務の品質改善やリスク管理の高度化の端緒であることにもよると考えられます。苦情を機に、その原因の分析を行い、自社の問題を特定し、改善につなげるということが強く求められています。(既述の検査方針でも「相談・苦情等の原因分析、再発防止策の策定・周知、その実施状況のフォローアップなど」を重点的に検証するとしています。)

苦情管理の枠組

苦情対応のひとつの基準として、ISO10002(品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針)が挙げられます。これは、International Organization for Standardization(”ISO”、国際標準化機構)制定の国際規格で、顧客の苦情に対し、適切かつ迅速な対応をするために不可欠な要件を指針として定めたものです。
ISO10002が示す基本原則は、以下のとおりです。

  • 公開性
  • アクセスの容易性
  • 応答性
  • 客観性
  • 料金
  • 秘密保持
  • 顧客重視のアプローチ
  • 説明責任
  • 継続的改善

苦情管理の枠組

自社の苦情管理を見直しにあたっては、上記のような諸要素につき、まずは、どこにどのような問題があるかを把握することから始める必要があります。枠組は大きく、「苦情対応(初期対応)」と「維持改善プロセス」に分けられます。

前者「苦情対応(初期対応)」の要素としては、「コミュニケーション」「苦情の受理」「追跡」「受理通知」「初期評価」「調査」「対応」「決定事項の伝達」及び「対応の終了(記録)」が挙げられます。これらにつき、以下のような観点で現状を分析することが考えられます。

  • 個々の対応が適時・的確に行われているか
  • 対応状況が網羅的・一元的に管理されているか
  • モニタリング・報告体制が整備されているか
  • モニタリング・報告を踏まえ、苦情対応プロセス改善に資する分析が行われているか
  • 苦情対応のさらなる効率化、品質向上に向けて継続的改善が行われる態勢となっているか

後者「維持改善プロセス」の要素としては、「情報の収集」「苦情の分析及び評価」「苦情対応プロセスに対する満足度」「監視」「監査」「マネジメントレビュー」「継続的改善」が挙げられます。現状分析の観点は以下のとおりです。

  • 苦情対応データの報告・分析目的は明確か
  • 苦情データを分析する方法論は確立されているか
  • 一過性の対応のみではなく、内部統制状況の改善につなげるべくデータ分類基準が定められているか
  • 社内全体の内部統制点検という観点から苦情データが蓄積・分析・モニタリング・報告されているか
  • しかるべく関連部門にフィードバックされ継続的改善に結びついているか

また、以上の枠組全体のイメージは以下のとおりです。

苦情対応フローのイメージ

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