バーゼルIII | KPMG | JP

バーゼルIII

バーゼルIII

先般の金融危機の反省を踏まえ、金融機関の資本基盤の強化、過度なレバレッジの抑制、および流動性リスク管理の強化を企図した規制の導入がG20サミットにおいて合意されました。同合意を踏まえ、バーゼル銀行監督委員会(以下、バーゼル委)は、従来のバーゼルIIと呼ばれる自己資本比率規制の見直しに着手し、2010年にバーゼルIIIとして合意されました。

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バーゼルIIIは以下の通り、自己資本比率規制の見直しに留まらず、新たな規制比率を導入する内容となっています。

規制比率 適用時期 概要
自己資本比率規制【見直し】 2013年 ・「自己資本の質の強化」および「リスク捕捉の強化」を目的とした見直し。
自己資本の強化:損失吸収力の高い資本である「普通株式等Tier1」を中心とした資本構成を促すため、従来の自己資本比率8%に加え、普通株式等Tier1比率4.5%およびTier1比率6.0%を最低比率として設定。また、調整項目(従来の控除項目等)の定義を明確化し、主に普通株式等Tier1で調整。
リスク捕捉の強化:デリバティブ取引に伴うカウンターパーティリスクや大規模な金融機関へのエクスポージャーに係る資本賦課の強化。
レバレッジ比率規制【新規】 2018年 ・過剰なレバレッジの積み上がりを抑制するもの。
最低比率:オンバランス項目およびオフバランス項目の合計額に対するTier1資本の額の比率≧3%以上。
流動性比率規制
【新規】
流動性
カバレッジ比率
2015年 ・マーケット・ストレス時の資金繰りに対応できるよう、流動性の高い資産の保有を促すもの。
最低比率:30日間のストレス期間に想定されるキャッシュアウトに対する適格流動資産の額の比率≧100%。
安定調達比率 2018年 ・運用調達の期間ミスマッチを抑制するもの。
運用資産の期間に応じた所要調達額に対する安定調達額の比率>100%。

本邦金融機関への適用

本邦では、国際統一基準行に対して2013年3月末基準より、バーゼルIII国際合意に沿った自己資本比率規制が導入されます。一方、国内基準行に対しては2014年3月末基準より導入されますが、自己資本の定義については「コア資本」という定義にする等、一部国内独自のルールが導入されます。
なお、レバレッジ比率規制および流動性比率規制については、本邦における取扱いはまだ明確化されていません。

金融機関が直面する課題

バーゼルIIIの導入により、本邦金融機関は以下を含む様々な課題に対応しなければならないと考えられます。

1.規制対応上の課題

従来、規制上の自己資本の計算では財務諸表数値を概ねそのまま使用できましたが、バーゼルIII以降は、調整項目の処理や経過措置の適用など、計算が複雑化します。新しい規制要件の正確な理解および適切な計算体制の構築(算出ロジックの構築、文書化、チェック体制など)が必要となります。

流動性比率規制については、連結ベースで負債の属性データの整備や、月次報告に対応するための計算プロセスの構築が必要となります。

2.経営管理・リスク管理上の課題

新しい資本の定義および最低比率を踏まえた、経営計画・業務計画の策定、ならびにリスク評価方法および自己資本充実度評価方法の見直しの検討が必要となります。また国内基準行については、自己資本の定義など、国際統一基準との差異を踏まえた資本管理の必要性について検討することが必要と考えられます。

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