資産負債アプローチ | KPMG | JP

資産負債アプローチ

資産負債アプローチ

資産負債アプローチは、純資産(=企業の価値)の増減を利益と捉える考え方で、初めに資産や負債を定義し、次に収益や費用を資産や負債の増減として説明します。

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資産負債アプローチとは

国際財務報告基準(以下、IFRS)はこの資産負債アプローチを採用していると言われており、「財務報告に関する概念フレームワーク」で財務諸表の構成要素を以下のように定義しています。

資産 企業が支配し、かつ、将来の経済的便益が企業に流入すると期待される資源
負債 企業の現在の債務で、その決済により、経済的便益を有する資源が企業から流出することが予想されるもの
持分(資本) 企業の資産から負債を控除した残余の持分
収益 会計期間中の資産の流入若しくは増加、負債の減少による経済的便益の増加
費用 会計期間中の資産の流出若しくは減少、負債の増加による経済的便益の減少

この定義によると、収益から費用を控除して算定される利益は、資産や負債の会計期間中の変動と言えます。
このアプローチのもとでは、収益や費用が資産、負債と関連づけて定義されているので、資産や負債の認識及び測定が重要となります。

収益費用アプローチから資産負債アプローチへ

伝統的な企業会計は、資産負債アプローチとは別の収益費用アプローチの立場をとってきました。
収益費用アプローチは、収益を一会計期間における企業活動の成果と定義し、費用を収益を得るための犠牲と定義し、それらの差額として利益を算出する考えです。
収益費用アプローチでは、一会計期間の業績を重視し、現在の株主の視点に立ち、経営者のモニタリングやコーポレートガバナンスに有用な情報を提供することができます。
しかし最近は、現在の株主だけではなく、将来の株主になる可能性のある投資家に対して、投資意思決定に有用な情報を提供することが財務報告の目的と言われるようになりました。
この目的を達成するため、収益費用アプローチによる過去の利益情報だけでなく、将来の企業成果を予想し、現在の企業価値を測定するための情報として、資産や負債の認識及び測定が重要視されています。
この結果、投資家への情報提供を重視するIFRSや米国会計基準において資産負債アプローチをベースに会計基準が作成されています。

日本における会計基準

我が国においては、2006年7月に企業会計基準委員会から討議資料「財務会計の概念フレームワーク」が公表されているだけであり、IFRSのような概念フレームワークは制定されていません。日本の会計基準は、企業会計原則に見られるように、伝統的に収益費用アプローチによっていましたが、近年ではIFRSとのコンバージェンスが進む中、退職給付会計、減損会計など資産負債アプローチに沿った会計基準も適用されています。

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