IPOマーケットレポート(4/22~5/10)

東証グロースに2社の新規上場が行われました。

東証グロースに2社の新規上場が行われました。

1.直近のIPOの状況

上場日 会社名 事業内容 市場 主幹事 売上高 公開価格 初値
時価総額
監査法人 経常利益 初値
4/24 レジル 集合住宅への電力供給および分散型電源の開発等
東G 大和 48,867 1,200 22,106
PwC Japan 1,973 1,205
4/25 コージンバイオ 微生物や細胞の培養に用いる培地の開発・製造・販売等
東G 野村 4,743 1,900 10,180
あずさ 1,244 2,030

※売上高・経常利益は、直前期の数値。また、単位は、売上高・経常利益・時価総額は百万円、公開価格・初値は円で記載。
※国際財務報告基準(IFRS®会計基準)により、財務諸表を作成している会社は経常利益に代えて税引前当期利益を記載。
※市場区分については、東G(東証グロース)を表示。

2.IPO市場の概況

東証グロースに2社の新規上場が行われました。

4月24日に東証グロースに上場したレジルは、同社および連結子会社3社で構成され、マンション向けに電力を供給するマンション一括受電サービスを主力にエネルギー関連事業を展開しています。既存の受変電設備を同社が入れ替え、マンション単位で高圧電力を調達し、低圧に変換したうえで各世帯に割安価格で供給しています。既築の建物に初期投資なしで受変電設備を提供し、共用部などの電気料金を削減支援もしており、修繕積立金が不足するマンションからの引合いが多く、2023年12月末時点で約2,200棟、約17万8,000万戸に導入しています。また、20社以上の発電企業と連携し、自社保有の太陽光発電設備も活用して、中小法人や自治体向けに電力販売する電力小売サービスも展開しています。こちらの初値は公募価格を約0.4%上回りました。

4月25日に東証グロースに上場したコージンバイオは、同社および連結子会社3社で構成され、微生物や細胞の培養に用いる培地の開発・製造・販売や、自社培地を使った細胞加工物の製造受託を展開しています。細胞培養事業では、大学や医療機関および企業向けに細胞培養用の培地を提供し、研究用途に加えて再生医療や抗体医薬品製造向けの引合いが増加しています。また、2018年に味の素と共同出資会社を設立し、再生医療に必要な臨床用培地の製造を受託しています。微生物事業では、感染症や食品汚染の原因となる微生物を特定するための製品を展開しており、コロナ禍では抗原検査キットの販売が急増しました。2024年3月期は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗原検査キットが特需の反動で落ち込み、同製品の棚卸資産評価損を計上するため、微減収減益となる見込みです。一方で、再生医療の拡大で組織培養事業が伸び、医療目的で来日する外国人向けの細胞治療需要が好調で、細胞加工事業も成長する見通しです。こちらの初値は公募価格を約6.8%上回りました。

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3.市場別IPO社数(上場承認公表ベース:年初からの累計)

(5/10上場承認公表分まで)

合計 東証プライム 東証スタンダード 東証グロース その他
30社
0社 3社 27社 0社
シェア 0.0%
10.0% 90.0% 0.0%

4.初値騰落率(平均)の推移(直近2年間の四半期ベース)

IPOマーケットレポート(4/22~5/10)-1

※直近四半期(24年2Q)については、2024年5月10日時点の新規上場社数を記載し、初値騰落率については(初値-公開価格)/公開価格にて算出した、各四半期の新規上場会社の初値騰落率の平均値を記載。

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